わが家はこの頃、スイッチョンのたまり場になっているようだ。夜には突然部屋の中を高速で飛翔してびっくりさせられることもある。廊下の網戸には4匹のバッタがマスクなしで密談していた。青の矢印のバッタのように疲れてダウンしているのもいた。
とにかく、みんな人懐っこい。人がいるところにやって来てはちょっかいを出したり、食べ終わった食器を舐めたりする。へたするとこちらが踏んづけてしまうことさえある。スイッチョンの正式名は「ウマオイ」だ。鳴き声が「スイッチョン」と聞こえるが、それが馬子が馬を追う声のように聞こえるところから名前がついた。
「キネマ航空CEO」の専門的で難解な言葉が出てくるブログを一緒に読んでくれるウマオイもいた。ウマオイのなかにも好奇心が旺盛な輩がいるのをここでも発見する。野外のバッタは近づくとすぐに逃げてしまうが、わが家のウマオイはまったく逃げないのだ。それどころか邪魔になるくらいそばにいるので何回も間違って潰してしまうこともあった。図鑑やネットにはなかなかそういう情報は見られない。