世の中には上手(うま)くしたもので、秘密の抜け道・・というすり抜ける隠れた方法がある。ただこの方法は、悪用されると犯罪が上手く隠されたり、社会の表舞台から隠蔽(いんぺい)されてしまうから、考えものだ。もちろん、表舞台には現れない隠れた、いい出来事もある訳だが、この場合は秘密の抜け道を使う必要がないから、秘密の抜け道は閉ざされた方が社会のためになる・・といえる。モグラが土の中で隠れた穴を掘り進め、作物が枯れたり庭が荒れる・・といった事実は、隠れた人間社会の隠蔽犯罪に似ていなくもない。モグラは大食漢で、土中に住むミミズや虫達を多く食べるが、ミミズや虫達にすればいい迷惑で、枯らされる畑の作物やアチコチを盛り土だらけにされる風光明媚(ふうこうめいび)な庭だって、迷惑千万な話なのである。だが、土中で隠れた生活をするモグラにすれば、そんなこととは露(つゆ)知らず、彼ら自身も、何も枯らしたり荒らしたりするのが目的ではないから、ふ~~ん、そうなんだ…くらいの気分で秘密の抜け道を通るだけなのだ。人間とモグラ・・今のところ、秘密の抜け道を完全に防ぐ手立ては、どちらも残念ながら、コレ! といったいい方法が見つかっていない。
完