(モーセの「十の災(わざわ)い」を起こしたのは、どのような神か)
イスラエルの歴史を見ると、モーセの四百年前に、彼の祖先であるイスラエルの民は、エジプトで捕まって人質になって奴隷にされています。四百年間、奴隷の苦しみを味わい、ピラミッドをつくらされたりしていたのですが、これをモーセが解放しました。そして、彼はカナンの地を目指して放浪し、現在のイスラエルあたりのところに国を建てる前のところまでやるのです。
モーセが起こす「十の災い」のようなものを見ると、あまりにもすごいので、これを正統な神の行為と見えるかどうか、若干、気にはなります。これをほかのところに当てはめると、やはり少し違うような気がするのです。
例えば、川を血の色に変えるとかいうことについて、「赤土が流れ出したのだ」という簡単な説もありますが、実際に血の色に変わると、飲み水としては飲めないです。そのため川の水は飲めないようになります。
また、「ガマガエルが大量に発生する」「イナゴが大量に発生して、食い尽くす」「一歳ぐらいの子とか、幼児を皆殺しにする」「雹(ひょう)が降る」「飢饉(ききん)が来る」あるいは「皮膚病のようなものがものすごい流行る」などというようなことがたくさん起きたことになっているのです。
これらは、全部、この神が起こしたことになっているわけです。
これはちょっと「正統ではないのではないか」という感じはします。これは、「祟(たた)り神」です。どう見ても「祟り神」なのです。
その後、それを信じてイスラエルの建国をするのですが、やがて、イエスを迫害したことにより、イエスの没後四十年ほどでイスラエルの国は滅びました。そのあと、約千九百年間、国がなくて世界各地を放浪しましたが、1948年に国が建ちました。しかし、それによってイスラムの国々と対立し、現在、核戦争の危機もあるということなのです。
今、ユダヤ人は全部で世界中に千五百万人ぐらいいると言われていますが、もし、これが「創造の神」であり、「天地万物の神」であるのなら、その小さな国の民族だけを「選民」として選んで護り、ほかには罰を当て続けるというのは、やはり少し考えにくいのです。
なお、当時のエジプトは現在のアメリカのような大国であり、エジプトのファラオ(王)はアメリカの大統領のようなものだろうと思います。
ですから、脚色はそうとうあると思いますが、この神はやや「祟り神」に見えてしかたがありません。そもそも、「それほど強い神であるならば、イスラエルの民を四百年も奴隷のままで置いておくな」と言いたくなります。これはちょっとおかしいわけで、そうとう恨(うら)みのこもった神としか思えないのです。
したがって、イスラエルの神様は、どう見ても一種類ではないと思えるのです。
---owari---
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