日本はこれから、「すべての人」あるいは「すべての国」にいい顔をした外交はできないのです。向かうべき方向をはっきりと見定め、選ぶこと、決断することが大切になります。そして、取るべきものを取り、捨てるべきものを捨てることが大事です。
この「正義の確立」こそ、重要なテーマとなるのです。
そのためには、今後も、「ロシアとの関係を密にしなければ、今後の世界の方向はつくれない」のです。ところが、政府はEUに足並みをそろえ、横並びでロシア制裁に参加したために、北方領土問題の解決は遠のいたのです。これも、外務省および政府の外交ミスだと判断できるのです。
ロシアに対する経済制裁をせず、「大半はロシア系住民が住んでいるクリミアにおいて、プーチン大統領が“邦人保護”のために動いたことに一定の正当性がある」ということを認めたならば、昨年、少なくとも北方四島のうち二島は返ってきたでしょう。この機会を逃したのは、現在の外務書と安倍政権です。
この「見通しのなさ」については、十分に反省してもらいたいと思います。まさに、行き当たりばったりで、基本的な理念や方針がありません。まことに恥ずかしいことです。
今、日本の国は、政治の中心軸を失っています。考えているのは、マスコミからできるだけ多くの支持を集めることであり、その結果を予想することです。そして、世界各国の首脳のご機嫌を取ることです。これが中心なのです。まったく恥ずかしいかぎりです。
理念なき政治は恥ずかしい。世界のリーダーになれない政治的発信は恥ずかしいと思います。
もしかしたら、この国のマスコミが言うことをきいてくれないので、マスコミ受けすることだけを言いたいのかもしれません。
しかし、それならば、あの「トランプ革命」とは何ですか。トランプ氏は、マスコミを敵に回して、自分の言いたいことを言い続けました。それで勝ったのです。
また、アメリカの国民は、一部マスコミの意見を鵜吞みすることなく、自分たちで自分たちの未来を切り拓こうとしました。
同じく、この日本も、まず考え方をまとめて、やるべきことをやっていくことこそが大事なのです。
もちろん、職業としてのマスコミの人たちを嫌っているわけではありません。私も、マスコミの発信内容をよく読んでいます。あるいは、聞いています。観ています。彼らは、大事な仕事をしていると思います。ただし、マスコミの人たちには、天上界の声が聞こえないのです。分からないのです。
今のままであれば、おそらく5年以内に、アジアで大きな軍事的衝突が起きるでしょう。はっきり言えば、これはトランプ氏の登場と軌を一にして起きることです。左翼的なマスコミからすると、時代が悪くなるように見えるかもしれません。
しかし、もっと長い目で見たならば、これもまた「創造的破壊になる」と思います。
日本は今、アメリカと共に、もう一度、国力の立て直しを図り、世界の中心軸がどこにあるのかを明確に示さねばなりません。「神仏の下の民主主義」であり、「神仏の子が集まっての民主主義的繁栄である」ことを再認識しなければならないのです。
日本がロシアとの関係を強化し、アメリカとの関係を強化することが、次の「対中国戦略」につながるのです。
例えば、中国には、まだ世界のどこの国も持っていないミサイルがあります。それは、1600キロの距離を飛び、マッハ10の速度で上空からアメリカの空母の甲板を貫いて破壊するミサイル(東風21D)です。これは、中国しか持っていません。アメリカは、このミサイルに対抗する手段をつくらなければならないのです。
そして、そのための方法は、“スター・ウォーズ”ということになります。次は、「宇宙戦争の時代」に入るのです。
それは、「どちらが先に、相手の人工衛星と宇宙ステーションを壊すか」という戦いです。そして、その戦いは、コンピュータの系統を狂わせてしまうという戦いから始まるわけです。
そのとき、日本はまったく蚊帳の外に置かれることになるでしょう。しかし、これこそが、すでに秒読みが始まっている「次の戦い」の真相です。
要するに、まったく地上での砲火を交えることなく、宇宙のなかで戦争が行われます。ある日、突然、人工衛星や宇宙ステーションが破壊されることで戦いが始まり、そして、終わるのかもしれません。私たちは、その行く末を見なければならないのです。
トランプ革命は、現時点では、善悪をはっきりとつけるのが難しいことではあるものの、世界最強のスーパーパワーであるアメリカのほうが「国論をはっきり変える」ということであるならば、やはり、日本としてもその流れのなかに入るべきでしょう。
また、この考え方で勝利することができたならば、日米が基本的に共有している価値観によって。世界をリードしていく時代をつくることができるはずです。
その意味では、アメリカや日本は、経済的にもう一段の充実を図り、その力を背景にして世界的なリーダーになれる道のほうがよいのではないかと思っています。
本シリーズの3部作は、「トランプ革命」をどう受けとめ、今後の日本の政治や世界の政治経済をどう考えるべきかについて語ったものです。アメリカ政治、日本の政治、国際政治などの専門家の意見が混沌としてきている中にあって、考え方の中心軸とは何かを考察したものです。
日本の戦略は、オバマヒラリー型のリベラリズムを排して、トランプ革命に合わせて舵を切れということである。それが今後三百年の繁栄を実現させるだろう。
---owari---
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