(心のなかの願いが実現しない理由)
私は、「人間は、自分が考えているとおりの存在になる」「あなたが考えている『あなた自身』が、あなたの未来の姿になる」ということを、繰り返し述べています。
しかし、「では、考えただけで、そうなれるのですか。私は、考え続けたけれども、全然、そうなれませんでした」と言う人は大勢います。
この点に関しては、前述した「ダイヤモンドの鉱床」の話が参考になるでしょうが、別の話もしてみましょう。
アメリカでは、十九世紀の終わりごろから、「成功の法則」の考え方が非常に流行(はや)り、二十世紀には特にそうでした。つまり、「考え方を変えれば成功する」という教えが、心理学などで、そうとう流行ったのです。
そのアメリカで、ある人が、そういう教えを説く人に対し、「私は会社の事務員をしています。先生の話では、『人間は、考え方を変えれば、その考え方のとおりになる』とのことですが、私は、こんな事務員なんかやめて、もっとバリバリと商売をし、大金持ちになりたいと思うのに、いつまでたっても事務員のままなのです。どうしてなのでしょうか」という問いを発しました。
先生の答えは次のようなものでした。
「あなたの姿を鏡に映し、よく見てください。誰が見ても、あなたは事務員にしか見えません。事務員から脱(だっ)して、例えば、トップセールスマンになりたいとか、事業家になりたいと思うなら、そのように外から見える『あなた』を創り出さなければ駄目(だめ)なのです。
思ったことは外に出なければなりません。『心のなかで思っていました』というだけでは駄目です。思ったなら、それを態度に出し、姿に表し、ほかの人に見えるようにアピールをしなければならないのです。
自分の姿をよく見てください。あなたは誰が見たって事務員ですよ」
そう言われて、その人は、「ああ、そうなのか」と思ったのです。
その先生のアドバイスは、「まず、ネクタイを替(か)えなさい。それから、スーツを買い替えなさい」など、「まず外見から変えなさい」というところから始まっていました。これは、内側が変わったら、外側も変わってくるのだから、外側を見て変わっていないようでは駄目だ」ということです。
---owari---
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