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「心が折れる」のは、どのような人か(中編)

2022年10月15日 | 人生
(心が折れる人の特徴 ②――完全主義者)
二番目に言えることは、「完全主義者である」ということです。
「心が折れた」と言える人のなかには、意外と完全主義的な人が多く、自分が最高度に輝いているときや、よい状態でいるときには、機嫌よく生きています。

しかし、人間には、個人的なスランプもあれば、周りのさまざまな状況の影響を受けたり、チームメイトや仲間などの影響を受けたりすることがあります。そのようなときに、完全主義者だとうまくいかないことがあるのです。

「心が折れた」と言いやすい人は、この「完全主義者」や「完璧主義者」と言われる種類の人のなかに数多くいます。

前述した「ポキンと折れる線香」ではありませんが、そういう人は自分で自分を勝手に折れやすくしているわけです。

「心はゴムのようなものだ」と思っていれば、本当に心は折れないのですが、彼らには自ら心を折れやすくしているところがあり、いわば勝手に折れているのです。

したがって、完全主義的な傾向が強く出ている場合には、それをたしなめる必要があります。
「あなたは、『自分は完全な人生を生きている』と思っているかもしれませんが、いったい、あなたの人生のどこが完全なのか、言ってみてください。生まれてからの生い立ちについて、一回、きちんと、全部、説明してみてください。いったい、人生のどこで百点満点を取っているのですか。どの点が完全なのですか。言ってみてください。どれも不完全でしょう?」と言わなければならないのです。

人生のどの局面を捉えても、「完全な人間」など、世の中にいるわけがありません。誰もが不完全なのです。

例えば、テストで百点が取れるのは、小学校一年や二年の足し算や引き算ぐらいまでであり、そのあとは、そう簡単に取れはしません。たいてい、割り算あたりから間違い始めます。割り算を間違うのは普通の頭脳であり、全部できれば秀才でしょう。たいていは割り算あたりで減点が出始めるのです。

「足し算や引き算までは百点を取れていて、『大秀才だ』と思ったのに、割り算からは九十点しか取れなくなった。残念だ」などと言い始めるわけです。その後は、言うまでもなく、「完全な人生」など生きているはずはありません。

人生は、あとになればなるほど、難しくなります。勉強も難しくなりますが、人間関係も難しくなりますし、仕事も難しくなります。

会社などに入っても、偉くなればなるほど、仕事は難しくなります。そのように先が見えない状況のなかで、完全を求めることには無理があります。

結局、「不完全な世の中」に「不完全な人間」が生きているのです。この事実を認め、それを受け入れなければなりません。不完全な世の中に、不完全な人間が生きていながらも、そのなかで、「よりよき人生を生きる」ということを選び取っていかなければならないのです。

これが人生の意味の一つなのです。
したがって、「心が折れた」などとのたまう人に対して、「あなたのどこに、完全な人生、完璧な人生があったのですか。また、他の人にも、そんな人生があるのでしょうか。『完璧に生きている』という人は、例えば、誰のことでしょうか。言ってみてください」と問うてみても、なかなか名前を挙げられるものではないのです。

日本の首相であっても、どうみても完璧ではなく、“穴”だらけです。誰であろうと、首相のことを批判することはできます。首相を批判しようと思えば、テレビで一回見たことや新聞で一回読んだことであっても、簡単に批判できます。

首相の“穴”は外国人からも日本人からも丸見えです。必ずしも完全ではありません。
誰もがそのようななかを生きているので、ある意味で、現代は、完全主義、完璧主義が通るような世の中ではないのです。

現代は、それほど難しい時代になってきてはいますが、言葉を換えれば、「チャレンジ精神、ベンチャー精神を持ち、チャレンジングな生き方をしていかなければ、未来は拓けない時代なのだ」とも言えるでしょう。

そういう精神を持つためには、当然のことながら、ある程度の失敗は織り込み、それを乗り越えていくだけの力が必要です。

失敗したくなければ、誰も何もしなくなります。新しいことを一切せずに逃げる傾向が出てきます。しかし、失敗しないことをもって、「私は完全な人間であり、完璧主義者なのだ」というような言い訳をする人であっては駄目なのです。そのような人に対しては、尻を叩かなければなりません。

結局、そういう人は、傷つくことが嫌なだけなので、「あなたは、人類に対して、何の貢献もしていません。何らの奉仕もしていません。何も残さずに、この世を去る気ですか」と言って、尻を叩かなければ駄目なのです。「恥をかくとか、失敗するとか、そのようなことは、どうでもよいのです。『どれだけ前進したか』ということが問題なのです」と言わなければいけません。

このように、彼らには完全主義的なところが必ずあるので、気をつけたほうがよいでしょう。

---owari---
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