このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

人間完成への道③

2018年09月08日 | 人生

(智慧を蓄える)

そして三番目に言っておきたいことがあります。この霊的エネルギーは、解き放たれたときに燎原の火のごとく燃え広がっていきますが、「その情熱のなかにあって、しかして智慧ある者でありつづけよ」ということです。

 

情熱は、この地上における偉大なエネルギーです。いや、この地上において偉大なる仕事を成し遂げるための唯一のエネルギーでもありましょう。

 

この情熱をさらに素晴らしいものに、さらに高度にしていくものに、智慧があります。情熱は、その広がりの過程において、数多くの経験をみなさんに与えるでしょう。みなさんは、いままで手にしなかったような多くの経験を、自分のものとするようになるでしょう。

 

そして、この経験がみなさんの知識に力を与えます。知識に経験という名の力が加わったものを、一般的に「智慧」といいます。

 

みなさんは、知識は持っているでしょう。書物を読んだり、いろいろな話を聴いたり、あるいは学校で勉強したことも含めて、知識は数多く持っているでしょうし、日々、それは増えつづけていると思います。しかし、知識だけでは力にならない、ということを忘れないでいただきたいのです。

 

知識は、あくまでも素材にしかすぎません。もちろん、この素材は、常に供給されなければその力を減じていくことになりますが、知識はあくまでも素材にしかすぎないのです。この素材をして力あらしめるものは、情熱であり、情熱を契機として得られるところの経験です。

 

ゆえに、情熱と一体になった知識、その意味での「智慧」というものを大切にしていただきたいのです。

 

それは、去年のあなたより今年のあなたが、数段すぐれた智慧を持っている存在にならなければならないからです。今年のあなたより来年のあなたが、数段、智慧を持っていなければならないからです。

 

智慧を持つということは、数多くの人びとを正しい方向に導けるようになるということです。単なる知識では、それだけの力がありません。情熱だけでもそうです。情熱は燃え広がる炎のようですが、その方向性が一定ではありません。その広がり方が、自分の思いと必ずしも一致はしないのです。

 

しかし、智慧がそこに加わったときに、この情熱の炎が仕事をしはじめます。ひじょうに素晴らしい仕事を、建設的な、積極的な、そして目に見えて世の中がよくなっていくような仕事を、必ず開始していくのです。

 

ゆえに、みなさんは日々に智慧を蓄えていかねばなりません。その智慧は、みなさん独自の宝なのです。

 

しかし、この智慧は、座して書物を読んでいるだけでは、決して湧いてこないものです。単に話を聴いているだけでも湧いてこないものです。それらはあくまでも材料であり、これを火にかけたときに、鉛が転じて金となる、そういうものなのです。純金になっていくのです。

 

ゆえに、これより後、仏法真理の知識を吸収することは当然ながら、それは情熱という名の行動を伴い、知識と行動が、あるいは知識と経験とが、唯一の、素晴らしい、珠のごとき智慧を生みつづけねばなりません。

 

智慧は智慧で、また大きな仕事をしていきます。それは、ちょうど、大きな歯車を回すときの仕掛けにも似ていると言えましょうか。

 

私たちは、智慧がなければ、エネルギーを同じ方向にしか動かすことができません。しかし大きな機械を見てください。いろいろな歯車の組み合わせによって、一定の方向の力を、右にしたり、左にしたり、上にあげたり、いろいろな角度に動かしています。そうであってこそ、本当の仕事なのです。

 

情熱だけでは方向性は定まりません。あるいは、まっしぐらでしかありません。ところが、これに智慧が加わったときに、ちょうど、数多くの歯車が、いろいろな方向に力を展開していくように各方面にいろいろな影響を与えることができるようになるのです。

 

---owari---

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