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「民主」とは何か(後編)

2021年07月07日 | 政治・経済
(クリントン大統領の時代から始まった「中国優遇」)
始まりは、おそらくクリントン大統領のころからだろうと思いますが、ここ30年間で、中国の経済は75倍になり、日本の経済は1.5倍です。

これは、どう考えてもおかしなことです。自由貿易の世界で、こんなことはあるわけがないでしょう。経済で世界第二位だった日本は、30年間で1.5倍にしかなっていないのに、中国は75倍にもなっているのです。

このようなことがなぜ起きたかというと、「関税で優遇されていた」ということが一つです。

もう一つは、「通貨の換算率」です。これで優遇されていたから、こうなっているのです。

要するに、アメリカの歴代大統領が、“中国が儲かるようなシステム”を維持してきたということです。

それはなぜかというと、日本が世界第二位だったからです。「アメリカが競争する相手は日本であって、追い抜かれないように日本を押さえつけておき、中国のほうを儲けさせ、力をつけさせて、日本とコンペティション(競争)させれば、アメリカのほうは悠々と超大国でいられる」という考えだったのだと思います。

ところが、アメリカは、これだけの速度で中国が追い上げてくるとは考えておらず、2000年代になってから、ようやく、「これは大変なことになってきた」ということが、だんだん分かってきたという状況です。

(「バイ・ジャパニーズ」で米中貿易戦争の波風を乗り切る)
米中の貿易戦争については、これから、好況・不況をつくり出す波となって、いろいろな企業を襲うことになると思いますが、大きな流れとしては、アメリカの判断は信用してよいと私は思っています。

ただ、中国との貿易額は、日本も最大級であるので、いろいろな企業が、その余波を受けることになるでしょう。中国で現地生産している企業もたくさんありますし、貿易で利益をあげている企業もあるでしょう。

しかし、そうとうな波風が来ることを覚悟しながらも、これは国防上の観点から見ても、乗り切っていかねばならない部分だと考えたほうがよいと思います。

そういう意味において、「アメリカ・ファースト」の政策を向こうは取っていますが、日本も日本なりに、「日本でつくれるものは日本でつくり、同じようなものなら、日本のものを買う」という、「バイ・ジャパニーズ(buy Japanese)」が大事です。

要するに、「日本でモノをつくる」ということです。人件費が安いから海外でつくるという考えもありますが、やはり、日本自体に雇用を生む方法をとったほうがよいと思います。

(劇薬のように効いているトランプ大統領の経済政策)
一方、アメリカのほうは、「アメリカ・ファースト」という言葉だけを聞けばエゴイストに聞こえますが、失業率は49年ぶりの低水準になっており、今、3.6パーセントぐらいです(注:2019年5月発表の「米雇用統計」参照)。

40年近く前の失業率はたいてい10パーセントはありましたので、それから見ると、「失業率が49年ぶりに3パーセント台で、過去最低になっている」というのは、トランプ大統領の経済改革が、この2年余りで劇薬のようにそうとう効いていることを意味しています。これは、職のない人に職をつくる「ジョブ・クリエーション」をやったということです。

そういう意味では、日本も少し、国家としてのやり方を考えなくてはいけません。今後、いろいろな物を安く仕入れ、国内消費だけを牽引力(けんいんりょく)にして経済を拡大しようとしても、おそらく、そうはいかなくなると思われます。

したがって、なるべく、海外との関係で儲けるよりも、国内で自分たちの「雇用」や「資金」を生み出すような仕事を増やしていく努力をするほうがよいわけです。そうしたやり方で、しばらく乗り切っていかねばならないと思います。その後、世界の流れが変わってきますので、そのときに調整に入ることはできるでしょう。

この流れの「読み」は間違えないでください。アメリカは、独善的にやっているわけではありません。「知った上でやっている」ということです。

---owari---
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