NHKは“老後破産”を扱った番組を放送し(2016年4月)、「年を取ったら、お金がなくなって、野垂れ死にするぞ」というような脅しをかけていました。
それは、「親子で住んでいても同じことだぞ。親子で住んでいても、子供が親の介護をしなくてはいけないから、子供が働けなくなり、親子が共倒れになるぞ」というような内容でした。「NHKスペシャル」で、そんなものを流していましたが、これは考えものです。
結論は何なのでしょうか、要するに、「老後はお先真っ暗だから、とにかく、どこからでもよいので税金を持ってきて、ぶち込め」と言っているようにしか聞こえないのです。
また、NHKでは、老人ホームの経営のことを取り上げても、だいたい、「無届け老人ホームは、けしからん」という感じで報道していました。
しかし、考えてみてください。
「公認されている、有料の老人ホームに入ったら、月額で約25万円も要る」などと言われています。1人で月額25万円も要るとなると、これはけっこう大変です。それだけのお金はなかなか出せません。
一方、月額約10万円の料金でやっている老人ホームは、「無届け老人ホーム」と言って責められているわけです。
老人ホームは、今の制度では、どう考えても経営的に成り立ちません。
今の規則だと、老人を100人受け入れる、きちんとした施設をつくるには、70人ぐらいの職員が要るのです。
「100人の老人の面倒を見るのに70人の職員が要る」というのでは、経営的に成り立つはずがありません。これは経営者なら絶対に分かることです。商店をやっている人であっても分かるはずです。
100人を受け入れるのに70人の職員が要るのでは、絶対、経営的に成り立つわけがないので、それを成り立たせるために、あとで補助金をたくさん入れるのでしょう。したがって、税金をたくさんもらわなかったら、できるわけがありません。
要するに、税金を投入しなければ成り立たないような規則をつくり、それで「老人ホームが足りない」とか、「保育所が足りない」とか、いろいろなことを言っているのです。税金を必ず入れないかぎり採算が取れないような規準をつくり、なかなかつくらせないようにして、規準を満たしたところには税金を投入させるようにしようとしているわけです。
この税金は、どこかから集めなくてはいけません。要するに、役人は自分たちの権力が増えるようなことばかり考えているわけです。
これは実にけしからんことです。これをよく考えたほうがよいのです。
老人ホームを経営するときに、「1万人をお世話するのに7000人の人が要る」と言われたら、たまったものではないのです。
100万人をお世話する老人ホームを建てるとなったら、そこでは70万人ぐらいの人が働かなくてはいけません。これだと、若者がほとんど老人ホームで働かなくてはいけなくなります。そうしたら、ほかの仕事は、いったい誰がするのでしょうか。それをする人はいないのです。
この先に見えるものは何かと言うと、”姥捨て山“です。捨てられる可能性があります。「年を取ることは罪なのだ」と言われて、罰金をかけられることになるかもしれません。「80歳を過ぎたら1歳ごとに罰金をかけられ、早く死にたくなる」というような政策が実施される可能性もないわけではありません。
役所は”善意“でやっているのだとは思います。もともと”善意“でやっていて、「手厚く看護をしろ」とか、「老人に個室を必ず与えろ」とか、そういうことを非常に”善意“で考えているのでしょうが、実は「机上の空論」であり、これは中央計画経済の間違いなのです。
実際に経営をしたりしたことがない人が考えるから、こんなことを起こすのです。「便利になれ」と思ってやっていても、実際には、不自由になっていくわけです。こういうことがあちこちで、たくさん起きています。学校でも起きていますし、ほかのところでも数多く起きているのです。
したがって、今、必要なことは、こうした許認可行政の無駄なところを取り払い、民間で実際にやれるレベルで、まず動かしていくことです。ニーズがあるなら、そのニーズを受け止め、それを消し込んでいく努力をしなくてはなりません。それを認めることが大事なのではないかと思うのです。
---owari---
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