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日本経済こそ世界の最先端

2018年05月25日 | 政治・経済

ミクロで言えば、日本経済の未来はたいへん明るい。

以前に、「日本経済は芸術経済である。クルマもハイテクも芸術作品である」と述べたが、日本人のつくる商品は、あらゆる分野でそのような特徴を持っている。

 

そして、これからはその「文化の普及過程」が始まる。それによって新しい経済発展時代が始まる。

 

今の日本はその入り口を入ったばかりである。

これを経済学的に箇条書きすれば、一人当たりの国民所得は最高。学歴も最高。とんでもない大都市が三つも四つもある。さらに公共事業が完備しすぎるぐらい完備している。・・・・・ということになるが、しかしそういうドライな数字は省略して、むしろこれまで見落とされてきたことを再度強調しておこう。そちらのほうが余程大切である(しかもアメリカ経済学からは抜け落ちている視点である)。

 

日本には1400年以上前からの芸術の伝統がある。その特徴は「宗教のしばり」がないことで、絵で言えば自由に自分の印象のままに何を書いてもいい。政治で言えば成員の合意があれば何をしてもいい、思想で言えば何を考えてもいい。

 

そのような自由が1400年前からあるというのはウルトラ先進国で、日本人はそれを自覚していないが、しかしその反映は自ずから産業にも文化にも表れる。

 

日本ではクルマをつくるとき、社長はもちろん芸術をつくれとは命令していない。口に出すのは「売れる車をつくれ、良い車をつくれ」。

 

では、良い車とは何かといえば、日本国内で売れる車はすなわち「芸術品」である。我々は何とも思っていないが、外国へ出すとピカピカの芸術だと驚かれる。みんなが心をあわせて一生懸命つくっていると、自然に芸術になる。技術屋にせよ、アイデア、コンセプト、デザインをつくる人にせよ、すべてが日本文化の中で育った人だから、一生懸命やっていると足並みがそろって「芸術」に行く。

 

言い換えれば、日本経済とは何かという再定義が必要である。

古い経済学はもうおやめなさい。今現在で見てごらんなさい、と言いたい。

 

日本の輸出は、統計上の分類では工業製品や文化製品かもしれないが、しかしその本質は「芸術品」である。それをやらせれば、日本の若者はみんな一生懸命やる。とことん仕上げに凝る。マニュアルやスペックを越えてやる。

 

面白い例を挙げれば、最近では村上隆氏のように、フィギュアと言えば聞こえはいいが、要するに高級手作りプラモデルを海外オークションに出すと5000万円。そういう熟練工(?)がいる。憧れてそれを目指す若者もたくさんいる。その基盤の厚さを見落としてはいけない。ナノテク、バイオテクノロジーでも、大きな成果が現れつつある。

 

日本経済の未来はたいへん明るいし、それどころか世界の最先端だと見たほうが正しい。

そしてその「芸術品」が世界に広がり、自然と日本文化圏を広げることになる。そのパワーも見落とせない。知らないうちにピカチュウやドラえもんや『ラスト・サムライ』や『たそがれ清兵衛』が、文化的に戦って(?)くれているのである。

 

マスコミの暗い論調を読んで落ち込むよりは、マンガやアニメを見て楽しみなさい。しかもそのほうが、ずっと日本経済を応援することにつながる。

 

――本当ですよ。

何はともあれ多くの場合、マンガ・アニメの主役には強い「意」がある。それを子供は学んで身につけている。さらに言えば、「意」を隠す境地を示すマンガも日本にはある。『浮浪雲』。

 

-owari---

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