今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
今回のシリーズの最終です。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
今回は、読者の美雉さまからのメールをご紹介させていただきます。
子供の件で悩んでいるお父さん、お母さんの参考になるかもしれません。
【 メール掲載ここから ↓ 】
北野様
こんにちは。
メルマガ読者でパワーゲーム会員の美雉です。
実は、ロシア政治経済ジャーナルNo.248で紹介されていた「スカイ キャッスル」というドラマを見てお伝えしたいことがあり、メールを書いています。
私は、現在、旧帝国大学を含むいくつかの大学で、中国語(日本人学生対象)と日本語(日本人学生と留学生対象)を担当する非常勤講師です。
私自身は、北海道大学大学院博士課程在籍中に実の父親に騙されて、闇金の連帯保証人にされてしまい、それが原因で博士号を取得できなかったため、結局教授になることはできませんでしたが、私の周囲には高学歴者、教授、医者、弁護士等が沢山おります。
ここで強調したいのは、北野先生のメルマガにもありましたように、「高学歴=幸せ」ではない、ということです。
神童と言われ、私と同じ高校や大学に入った人が伸び悩み、精神を病んで廃人になったケース、精神科から処方された薬の容量を守らずに飲んで死体で発見されたケース、教授になってからやはり精神を病んで退職になったケース。
その例は枚挙の暇がありません。
また、世間一般では、「日本は大学に入るのは難しいが出るのは簡単だ」、と言われておりますが、そんなことはありません。
それは大学の偏差値が高ければ高いほど顕著になります。
「そんなの学生のさぼり癖のせいだ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、実際にはそれだけではありません。
例えば、同じ北海道大学入学でも、現役ストレートの学生と4浪してやっと入った学生とでは、学力差が歴然としてあり、4浪の学生に「授業について行けない」、と目の前で泣かれましたが、教員ができることは学習方法のアドバイスのみです。
結局、その学生の成績は合格点に遥かに及ばず、単位習得はできませんでした。
あまりに無理して、或いはAO入試等を利用して、自分の学力とはかけ離れた学校に入っても、結局は授業について行けずに中退するのです。
精神の強い学生なら、その後、人生の軌道修正ができますが、それが出来ずに引きこもりになるケースも沢山あります。
いつも感じるのは、このような学生が、ちゃんと自分の学力に合った学校に進学していれば、このような問題は起きず、真っ当に学校を卒業し、社会貢献をし税金もしっかり払う責任ある大人になっていただろうに、ということです。
また、昨今、塾や予備校に行かなければ、偏差値の高い学校に入れない、とまことしやかに言われていますが、そのようなことはありません。
塾や予備校が有効的に働くのは、学校で勉強する内容が簡単すぎて、その子に合っていない、という場合です。
私は、高校時代、塾も予備校も行っておりませんが、大学はストレートで入学しましたし、同じ高校の友達も、ストレートで大学に入ったのは、塾や予備校に通わずに学校の勉強をしっかりした人達です。
私の知る限り、同じ高校の同学年で予備校に通ってストレートで難関突破した人は一人のみで、その人は常時学年トップでした。
つまり、ほとんどの高校生にとって、学校の勉強と塾や予備校の勉強を並行して行うことは無理なのです。
睡眠時間が減り、体力が削がれ、大事な授業で居眠りをし、大変効率の悪い勉強の仕方に陥ります。
自分で問題集をコツコツとし理解不能な問題を学校の先生に教えてもらう、という方法は、塾や予備校に通うよりも遥かに効果的です。
私の娘も、高校3年の冬休みに、志望校の二次試験対策で行った講習会以外は、高校時代、塾にも予備校にも行かせておりません。
本人は高校入学したての時に、「塾に通いたい」と言いましたが、「3回連続学年トップ10に入ったら、いいよ」という私の提示した条件をクリアできなかったので、行きませんでした。
(私は、この条件をクリアしたらお金がかかるから、どうしよう、と内心ドキドキでしたが。)
それでも、第1志望の大学にストレートで合格し、最終学歴は、オランダのアムステルダム大学大学院修士(ディプロマ)です。
最後に、子どもが勉強しない、と悩む親御さんへのアドバイスです。
もし、あなたが子どもに勉強をさせたいなら、あなた自身が勉強してください。
もし、あなたが子どもに本を読ませたいのなら、あなた自身が本を読んでください。
もし、あなたが子どもにピアノの練習をさせたいのなら、あなた自身がピアノを弾いてください。
実際にこの通りにして、私の友人のお子さんは勉強するようになり、今では立派な薬剤師です。
それでも駄目ならば諦めて、子どもの人生の責任を子どもに負わせてください。
少なくとも、日本で暮すのであれば、何をやっても生きていくことはできます。
子どもに「勉強しろ」を連呼するのは逆効果です。
私は自分の子どもに2回しか「勉強しろ」と言ったことがありません。
一回目は、子どもが中学3年生の時、自分から行きたいと言ったので、3万円も出して行かせた冬の講習会(たかだか中学校の勉強に3万円!しかし、子どもの社交場であるのだと思い行かせました)に、朝4時までスカイプでオンラインゲーム対決をしたために体がだるくなって、「今日の講習休みたい」と言った時です。
二回目は、子どもが高校2年生の時、学校を休んでバイトに行った時です。
兎に角、子どもが自身が納得できる人生を送ることが大切だと思っております。
長文失礼いたしました。
【 メール転載ここまで ↑ 】
美雉さま、貴重なご意見、ありがとうございました!
---owari---
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