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渋谷スクランブル交差点から見えてくるものは何か?

2016年06月19日 | 日本

外国人観光客が日本に来て、見てみたい人気スポットに渋谷スクランブル交差点がある。

日本人は何とも感じないが、外国人観光客は多くの人が交差点で行き交う光景にびっくりして、感心するというのです。

 

人とぶつかることもなく、混乱することなく整然と行き交う光景は、外国人にとっては驚嘆だという。なぜ、ぶつからないのか不思議だという。この交差点付近の街並みは、ニューヨークの街とよく似ているが、ニューヨークではこのような光景はないという。

 

これは、勤勉で、秩序正しい、几帳面な日本人の性格がなせる業だというのです。

以前、日本のテレビで、コンサート会場に入場する10万人の観衆を、整然とコントロールして入場させていた場面があったが、これなども同様に、秩序正しく、正確な日本人のなせる業なのでしょう。

 

世界で始めてスクランブル交差点が設置されたのは1940年代のことで、アメリカ・ミズーリ州カンザスシティとカナダのバンクーバーの都市とされています。

日本初は1968年に設置された、熊本市の子飼交差点です(愛知県春日井市との説もある)。

現在では日本全国に300箇所以上のスクランブル交差点があるということです。

 

渋谷スクランブル交差点は行き交う人の数が世界一だと言われています。

多い時では一度に3000人以上、一日に30万~50万人の人が行き交うそうです。

まさに世界最大級のスクランブル交差点なのです。


膨大な数の歩行者が一斉に道路を横断する光景は外国人観光客に人気で、日本有数の撮影スポットであり、東京を訪れる外国人の4割近くはこの渋谷に立ち寄るとのことでした。

 

渋谷スクランブル交差点を行き交う人々、そんな「日常的な風景」に、来日した外国人たちが感動を覚えているのです。

 

それでは、どんなところに感動するのでしょうか、驚嘆するのでしょうか?

それは外国人から見ると、これだけの人数が同時に通過してもぶつからず、お互いがうまく避けあって渡る光景が不思議だというのです。

私達が普段何気なく見ている風景も、視点を変えれば驚きや発見に満ち溢れた光景になります。

 

特に雨の日に傘をさして横断する歩行者がスイスイとお互いを避けあって通り過ぎていく光景は、まさにここでしか見ることの出来ない光景だというのです。

 

以下は、まぐまぐニュース「外国人だから見える日本の美点。『和の国』が世界中を感動させる理由」より抜粋して転載しています。

 

アメリカから来た老夫妻は交差点近くの高層ビルの廊下から外を見下ろすと、そこはハチ公広場前の大きなスクランブル交差点で、信号が青になると色とりどりの雨傘がひしめいていた。老夫妻は足をとめ、じっと窓から見下ろした。

 

「私たち、こうするのが大好きなの。日本のことが一番よくわかるから。雨の日、そしてことに渋谷のような大きな交差点。ほら、あちこちの方向へ動く傘をよく見てごらんなさい。ぶつかったり、押し合ったりしないでしょ? バレエの舞台の群舞みたいに、規則正しくゆずり合って滑って行く。演出家がいるかのように。これだけの数の傘が集まれば、こんな光景はよそでは決して見られない」と言ったのです。

 

日本人には「せかせかとした雑踏」としか見えないスクランブル交差点で入り乱れる傘の群れを、この老夫妻は「規則正しくゆずり合って滑って行く」日本人の姿として捉えていたのである。

 

「スクランブル交差点での傘の群舞」とは、一人ひとりの行きたい方向はそれぞれだが、互いに他の人のことを思いやって、全体としてひとつの秩序を生み出している日本社会の見事な象徴である。そこには一人ひとりの自由と、共同体としての秩序が共存している。

 

我が国ははるか太古の時代に「大和の国」、すなわち「大いなる和の国」と自称した。アメリカから来た老夫妻が見た「スクランブル交差点での傘の群舞」は、まさにこの国柄が現代にも息づいていることを、うかがわせるものなのです。

 

「大いなる和の国」が成り立つのは、一人ひとりがすれ違う相手のことを思いやる心を持っているからである。この思いやりを、日本に来た多くの外国人が感じとっているから、外国人は感動するのです。自国の状況とあまりにも違い過ぎるから驚くのです。

 

中国から来て日本滞在20年、今では帰化して大学で中国語を教えている姚南(ようなん)さんはこう語っている。

これは民族性の違いだと思いますが、日本では一歩譲ることによって様々な衝突を避けることができます。例えば自転車同士がぶつかったときなど、中国ならすぐ相手の責任を求めますが、日本ではどちらが悪いという事実関係より、まず、お互いに「すみません」と謝ります。その光景は見ていてとても勉強になります。

 

ある日、混んだ電車に乗っていたときのことです。立っていた私は、揺られた拍子に後ろに立っていた女性の尖った靴先を、自分のヒールで踏んでしまったのです。すぐ「ごめんなさい」と謝ると、その人は微笑んで「靴先は空いているから大丈夫ですよ」と言ってくれました。

 

日本人は他人の生活に干渉しません。うわべの付き合いのように見える関係は、多くの中国人が偽善と感じるものですが、私は、自分の主張を人に強制して受け入れてもらう必要はなく、干渉せず、お互いに好意を持って付き合い、人が困ったときに助けてあげれば良いと思います。

 

お互いの自由な生活を尊重しつつ、困った時には助けてあげるのが、「大いなる和の国」の流儀ではないのでしょうか。

 

こうした流儀で、「大いなる和の国」には平和が保たれている。それは争いの続く国から来た人々にとっては、望んでも得られないものだという。インドから来て在日経験通算5年のモハマド・ラフィさんは、こう語っている。

 

日本に暮らしていて最も素晴らしいこと、それは毎日の生活が無事に繰り返されていき、それによって、きちんと仕事をすることができることです。

 

朝太陽が昇り、1日が始まる。人々が目覚めて仕事に向かう。やがて日が沈み人々は仕事を終えて家に戻って休む。夜が来て月が天に昇る。その繰り返しが今日も明日も明後日もずっと続いていきます。静かに美しく毎日が過ぎていき、全てが、いろいろなものや人の役割が、きちんと機能している。

 

日本の人たちはそういった意味で、自分たちの国をとても大切にしていると思います。自分の国を汚くすることがない、私はそれを尊敬しています。公共の場所や道路を散らかさない、という意味だけではなく、政治的な問題や社会的な問題が起こったときなどにも暴動を起こして建物を壊したり火を放ったりしないし、ストライキで国中が混乱状態になってしまうような事態も起こりません。それは大変珍しいことです。

 

今日の続きとして明日を、明日の続きとしての明後日を、安心して待つことができるので、未来への計画も期待も持つことができます。1日1日が平安とともにあります。それが日本の経済力やハイテクノロジーなどの、世界に誇っている力を生み出しているもとになっていると思います。

世界有数の経済力も技術力も、「大いなる和の国」の静かな美しく過ぎゆく日々がもたらしたものなのです。

 

前述したアメリカからの老夫婦は、「少年の犯罪率が高くなった」などと語る日本人の世話役に、こう答えた。「率のことはわからないわ。だけど私たちは日本にくると、全体がひとつの大きな家族のような場所に来たと感じるの」

 

路上には、異様な風体の少年少女たちがすわりこんでいる。「あの若者たちも、『家族』の一員なの?」と世話役は訊ねた。「そう、ちょっと異分子かもしれないけれど、彼らも一員よ。『私は見守っていますよ』というような大きなジャスチャーは日本人はしない。でも、それぞれがさり気なく見ているの。家族って、そうでしょ。その安心感があるから彼らも地面にすわっているのよ」

 

確かに、地面に座っている子どもたちが、強盗に襲われたり、暴力を振るわれたりする社会なら、彼らもこんな真似はできない。

「大いなる和の国」とは、ひとつの家族のように、互いの自由を尊重しながら、必要な時に支え合ったり、その恩返しをしたりする共同体である。

 

「日本は他の世界と共有するものをたくさん持っている」

世界の多くの国民国家は、多かれ少なかれ、こうした家族的側面を持っている。北欧諸国やタイなどはその模範的な存在である。その中でも、日本はもっとも理想に近い国民国家と言えよう。

 

スイスから来て滞在10年のビジネスマン、ウルフガング・アンベールドローさんは、こうアドバイスしている。今日のグローバル社会において、日本は、他の世界と共有するものをたくさん持っているという事実にもっと気がつくべきだと思います。

 

ここで紹介した人々が共感した「大いなる和の国」の光景は、まさに「幸福な国民国家のあり方」として、他の世界と共有しうる理想なのでしょう。

 

この理想は、聖徳太子が「和を以て貴しとなす」とした十七条憲法の精神が今もなお息づいているということではないのでしょうか。

 

聖徳太子に感謝申し上げます。

 

---owari---

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2 コメント

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初めまして (たにむらこうせつ)
2016-06-23 11:51:46
人混みほど電動車いす利用者に怖いものはありません。
歩く人の視界に入らないので平気でぶつかって来る。
怪我でもしたら大変です・・・スクランブル交差点苦手です。
みんなのブログからきました。
詩を書いています・・・よろしくお願いします。
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初めまして (このゆびと~まれ!です)
2016-06-23 14:27:42
たにむら こうせつさんへ

こんにちは

コメントをいただき、有難うございました。
たにむらさんのおっしゃるようにスクランブル交差点は、車いす利用者の方には大変怖いものですね。そのような視点からも考えねばなりませんね。

たにむらさんのブログ拝見させて頂きました。今日の「生かされる」はとてもよかったです。「全てに感謝」に感心しました。それから、ブログのBGM(アメイジング・グレイス)とても素敵です。ブログを引き立てているように思いました。

これからもよろしくお願いします。
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