このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

民主主義社会の「現実」と「理想」⑧

2020年03月04日 | 政治・経済
(民主主義社会におけるマスコミ本来の役割とは)
民主主義社会においてマスコミが果たす機能としては、前述の内容と逆になる部分もありますが、悪い権力者や、不当に利得を得ている者、法の抜け道を使っている者など、こういう者について告発する記事を書くことです。

その場合、名誉毀損等について、よく争いになったりするわけですが、告発記事によって、「腐敗した部門や、独裁的な傾向がある者を排除する」という機能があるのです。あるいは、「そういう“怖い部門”があることによって、自制させる」という機能もないわけではありません。

ところが、日本では、昨今の消費税増税の流れが起きているなかで、ある週刊誌に、「日本の大金持ちと言われる、ニュービジネスの旗手たちなど十人ほどの財産に、一律、九十パーセントの財産税をかければ、五兆円ぐらい取れるので、これ以上消費税を上げる必要がなくなる」というような記事が出ていました。

確かに、「十人が不幸になっても、残りの一億二千万人に何も影響がないならば、こちらのほうがよほど得ではないか」と言われた場合、数の原理からは、そう思う人が圧倒的に多いでしょう。

その“狙い撃ち”された人たちも「一人一票」なので、政治的には、投票行為によって戦うことはできません。「個人的に、支配階級と何らかのパイプがある」ということでしか、おそらく対応はできないでしょう。

いずれにしても、そういうこともありえるわけですから、流動する社会のなかで、何を「理想」とし、何を「よくないもの」と考えるかは、実に微妙なところだと思います。―この章は終りです。

---owari---
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 黎明(れいめい)の時代の到来 | トップ | 「いつも悪口を言う人」は幸... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

政治・経済」カテゴリの最新記事