1対1.056の比率は何を現しているのでしょうか。この比率は日本の男女の出生性比率です。
その年に生まれた赤ちゃんの統計で、女児:男児の割合を「出生性比」といいます。
1対1.056の比率は女児1000人に対し、男児が1056人生まれているということです。
人の出生性比は、地域や時代にかかわらず、男児の方が多く生まれています。世界での出生性比はだいたい女児:男児が100:105となっています。
Y染色体(男性)を持った精子とX染色体(女性)を持った精子が完全に同じ頻度で受精し、全てが赤ちゃんとして誕生すれば、男女の比率は正確に1:1になるはずです。
このうちY染色体を持った精子が卵子と受精すれば生まれてくる子供は男の子、X染色体を持った精子が受精すれば女の子が生まれてきます。生まれる子供の性別は受精の瞬間に決まります。
世の中には男性と女性しかいないので、人数が増えれば増えるほど、確率的に比率は1:1になるはずです。しかし、実際は違います。そうではない理由として言われているのが、これは生物的に男子のほうが育ちにくいとされているため、 それを数で補おうとして女性より多く生まれるということだそうです。
自然の摂理はうまくできていますが、原因について科学的根拠は現在のところ不明です。
出生後の死亡率は男性の方が女性よりも高いのですが、生殖年齢に達するころには男女比率はほぼ1:1になると言われています。
人のX染色体(女性)の大きさはY染色体(男性)に比べて非常に大きく、生命活動に必要な遺伝子を多く含んでいるが、Y染色体(男性)には個体の生命活動に必須な遺伝子は存在しないのです。
X染色体の遺伝子数は1098個で、対するY染色体はたったの78個しかないのです。
X染色体の遺伝子数の違いが、女性に男性よりも長い寿命をもたらす一因と言われています。
また、女性のX染色体(XX)は片方に異常があっても、もう片方で補うことができますが、Y染色体(XY)ではそれができません。
したがって、昔から、女性の方が免疫力が強いということが知られていました。
X染色体には、免疫機能に関係するDNAがたくさんあるということが分かってきています
病気や感染症に対する免疫力という点では、女性は男性よりもはるかに優れた能力を持っているのです。
免疫に関する遺伝子は、ほとんどがX染色体にあり、X染色体を2本持つ女性は男性よりも倍の適応可能性があるということです。事実、医療の発達していない昔は、男児の死亡率が今よりもずっと高かったようです。この差が「1対1.056の比率の不思議」をつくり出しているのではないのでしょうか。
したがって、遺伝子的にも精神的にも女性の方が生命力が強いということなのでしょうね。
---owari---
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