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アジアのリーダーとしての使命を果たせ①

2019年09月14日 | 政治・経済
(ニクソン以来の対中国「関与政策」は間違っていた)
トランプ大統領の頭のなかにあるのは、「中国の覇権、拡張を潰す」ということです。「そこまでを自分の任期の間にやろう」と考えていると思います。
米中の貿易戦争は中国の兵糧攻めで、防衛費が突出している中国にストップをかける政策なのです。

日本が繁栄の未来を築くためには、まず、緊迫するアジア情勢の中で、中国の覇権主義にどう対応するかを考えなければなりません。外交で選択を間違うと、数十年、数百年、国家の運命を狂わせることになります。端的に言えば、同盟国である米国についていくべきか、それとも隣国の中国に追従すべきか。どちらを選ぶかによって日本の命運は大きく変わっていきます。

トランプ政権は中国の覇権主義について対決姿勢を鮮明にしています。米国は、資本主義かつ自由を重んずる宗教大国であり、中国は一党独裁の共産主義と、政治体制がまったく違うので、考えてみれば当然のことです。実際、1950年に始まった朝鮮戦争では、米国は韓国側に、中国は北朝鮮側について戦争になりました。そのため、米国はソ連と同じく中国を封じ込めの対象と見てきたのです。

しかし、ベトナムの共産化を防ぐために介入したベトナム戦争が、思った以上に長引きます。そこで、ベトナム戦争を早期に終結させ、ソ連という共通の敵に対処するために、1972年に当時のニクソン大統領は訪中し、中国と積極的に経済や外交を行う「関与政策(エンゲージメント)」に転換しました。これによって台湾は断交されてしまいました。

その後、米国は、「近代化すれば民主化も進む」という考え方のもと、中国を味方に取り込み、日本もまた、多くの経済援助と投資を行ってきました。

天安門事件が起こった1989年に、中国の人権蹂躙(じゅうりん)への制裁として日本も一時的に経済制裁を行ったことはありましたが、2000年9月には米上院が中国に最恵国待遇恒久化を認証し、2001年には米国などが招き入れるかたちで、中国が世界貿易機構(WTO)に加盟することになりました。

中国の巨大なマーケットを、米国主導の世界市場に取り込もうとしたのです。ビル・クリントン氏は1992年の大統領選で「経済こそ重要なのだ、愚か者!」(It’s the economy,stupid!)をスローガンに勝利し、米国企業は中国に続々と進出して技術支援を加速化していきました。その後も、米国歴代政権は一貫して中国経済を育て上げました。

しかし、やがて「中国は近代化すれば民主化も進む」ことが錯覚であるとわかってきたのです。世界第2位の経済力のもと、軍事費も米国の2019年会計年度7160億ドル(約78兆円)に次ぐ第2位の1兆1898億元(約19兆8000億円)。ただし、これは推計値で、ロケット軍まで擁する人民解放軍の軍事支出は、世界最大規模に近づいていると見られます。

こうして経済力や軍事力を背景に国際的影響力を強めながら、中国は堂々と、国際規範を無視し、外国の知的財産を収奪し、苛烈な人権弾圧を繰り広げています。米国の関与は結果的に、完全に裏目に出たと言ってよいでしょう。

さらに、2012年の習近平政権の誕生は、世界の潮流を逆転させかねない動きとなりました。
2017年10月18日に開催された中国共産党大会では、習近平国家主席が3時間20分を超える大演説を行い、中国建国100周年にあたる2048年までに「社会主義現代化強国」を築くと宣言。

21世紀半ばには、中国は米国を凌駕(りょうが)する総合国力と国際影響力を持ち、世界ナンバーワンの国として君臨し、中国の特色ある社会主義を世界中に広げるという世界覇権の意志をあらわにしたのです。

2018年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、習近平国家主席が自らの任期「2期10年」の上限を撤廃して、「終身主席」を可能にしました。建国の父・毛沢東に匹敵する権力を掌中(しょうちゅう)に収めたと言ってよいでしょう。

---owari---
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