今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
私がモスクワにはじめて行った時、すぐ気がついたことがありました。
バスに乗った時のことです。
「なんか、みんな黙ってるな」
「誰も笑ってないな」
「電気暗いな」
「静かすぎる・・・」
人が悪いというわけではないのです。
最初の頃、私はよく地下鉄で迷いました。
すると必ず声をかけてくれる人がいて、必要な場所に連れていってくれた。
でも、「なんでみんな、こんなに笑わないのだろう?」と疑問に思っていた。
ある時、バルト3国から留学していた金髪の男子学生にこんなことをいわれました。
「いいかい。この国では、二つ気をつけなければいけないことがある。
一つは、廊下とか食堂とか、他の人のいる場所で政治の話をしてはいけない。
必ず聞かれているからね。
二つ目は、電話で重要な話をしてはいけない。これも聞かれているからね。」
私は、この話を聞いて、
「なるほど・・・。
ソ連国民は、いつも監視されているから、あんまり話さないし、笑わないのだな・・・」
と思ったのです。
そういえば、「自由の国」と信じているアメリカ人は、いつも声がでかいし、笑ってばかりいます。
スノーデンさんにいわせると、「自由の国」というのは幻想かもしれない。
でも、彼らは「自由の国」と信じているので、いつも冗談をいって、ポジティブで、笑っています。
私が来たばかりのソ連・モスクワは、その対極にあり、笑いが少ない国でした。
私は、「嗚呼、自由というのは、大事なものなのだな」と理解したのです。
▼自由と平等の関係は?
ところが、自由にさせておくと困ったことも起こります。
人間は、それぞれ能力が違います。
特に、お金を稼ぐ能力も環境も全然違います。
自由にさせておくと、どんどん格差が広がってしまう。
「世界の超富豪8人の資産は、貧しい36億人の資産と同じ」
皆さんも聞いたことがあるでしょう。
自由放任にすると、事実として貧しくなってしまう人が多いのです。
だから、ある程度平等化する必要がある。
それで、多くの国で「累進課税」が導入されています。
つまり、金持ちはより多くの%を払い、貧しい人は少ない%を納める。
しかし、それでもやはり「自由が主 平等が従」であるべきです。
「平等が主 自由が従」としたソ連やその他の共産国家はほとんど滅んでしまいました。
中国は、「金儲けは自由」という体制にして生き残りました。
しかし、金ができると、「他の自由もほしい」となるのが人間です。
それで、中国の現体制に永続性はないのです。
この「自由が主 平等は従」というのは、故・渡部昇一先生がいつもおっしゃっていたことです。
(@渡部先生の思想を知りたい方は、
●戦後七十年の真実↓
を参考になさってください。)
私たちは、このことをいつも覚えている必要があります。
朝日新聞のようにウソはダメですが、
ホントことは、自由にいえることが大事です。
---owari---
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