数年前になりますが、職場の同僚のお母様が亡くなられたので、お通夜に参列しました。
通夜の席で、お坊さんが読経を終えたあとに、参列者にご挨拶がありました。
そのお話の要旨は次の通りです。
現在は、病院で死亡される方がほとんどで、その後に私たち坊さんがお通夜に呼ばれて、お亡くなりになった方に読経するという形式になっています。
しかし、100年前までは、死期が近くなった時点で、ご存命の時に、お坊さんが呼ばれ、あの世に旅立つまで、お経を聞かせ、ご本人が迷わずあの世へ行けるようにと、邪霊から守るために、夜を通して話しかけ、お経を聞かせることが通夜の本当の意味だと聞かされました。
そして、送る時には、“和顔愛語”で接することが大切であると言われたのです。穏やかな顔をして、優しい言葉を話す、そのことが、死者を送る最大のプレゼントであると教えて頂きました。
死者は、通常、四十九日間は、この世をさまよいますが、その間は私たちの声が聞こえるために、すべての本心が分かります。したがって、あの世へ旅立つ前には、“和顔愛語”で、悪口をいうことなく、陰口をたたくことなく、こころよくあの世へ送ってあげることが大切です。
さすれば、閻魔大王の心証もよくなるのではないかと思います。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます