(判断に集中しているときには創造性は落ちる)
自由な発想が出ているような瞬間(しゅんかん)には、それを批判(ひはん)することは、お互いにやめなければいけませんが、そのときには判断能力が落ちています。逆に、判断に集中しているときには創造性が落ちています。
そのため、会社によっては、役員が本を書いたりしたら、その人をクビにするところもあります。ある証券会社では、伝統的に、「役員だけでなく社長でさえ、本を書いたらクビにされる」と言われていました。創作能力と判断業務をする能力とは別のものなので、「本を書くことにエネルギーを使い始めたら、会社仕事ができなくなる」という考えがあるからです。
両者はエネルギーとしては同じものですが、方向が違うために、本を書いたりし始めると、会社仕事がうまくいかなくなることもあるのです。
両方ともできる人は数が非常に少なく、たいていは、切り替えを上手にしているか、参謀(さんぼう)を持っているか、このどちらかです。
会社の社長が本を書いたり、講演活動をしたりすることができるのなら、やはり、優秀な参謀が付いていて、その人が実務を回しているか、あるいは、ゴーストライターのような人がいて、その人が原稿を書いているか、どちらかの場合が普通は多いのです。
両方の能力を持っている人は少ないので、そういう人には非常に希少価値があります。しかし、「下手をしたら、両方とも中途半端な能力で終ってしまう。そういうケースも多い」ということを知っていなければいけません。
繰り返しますが、アイデアを出すためには、孤独に独りで考えてもよいし、集団で考えてもよいのですが、「批判をせず、どんなでたらめな思いつきでも、とにかく紙に書いてみる」ということが非常に大事だと思います。たくさん思いついたなかから、最も良いアイデアを選んでいくことが大事です。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます