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難局を打開する逆発想(中編)

2021年05月02日 | 人生
(物事を逆に考えてみる「ヘソ曲がりのすすめ」)
まずは、「ヘソ曲がりのすすめ」をしてみたいと思います。「物事を逆に考えてみてはどうですか」と言いたいのです。

物事は、逆に考えてみると、新しい視点が得られます。新しい視点を得るためのいちばん簡単な方法は、「引っ繰り返してみる」ということなのです。これによって、けっこう、新しい局面を拓くことができます。

テレビであれば、昔の、厚くて重い、奥行きのある大型テレビは、選ぶのが大変で、とても主婦の力では動かせないようなものでした。内部がどうなっているか分からないので、「これだけのものが必要なのか」と思ったり、「ずいぶん場所を取って不便だな」と感じたりしていたのではないでしょうか。

ところが、今のテレビは、薄くなり、壁掛けテレビのようになって場所を取らないため、その分の空間が空いてきています。
「厚いものは薄くしてみよう」という発想で逆にしてみたら、これで新しいニーズが生まれるわけです。

また、「小さなものは大きくしてみよう」とか、逆に、「大きなものは小さくしてみよう」とかいう発想もあります。携帯電話でも何でも、だんだんコンパクトに小さくなっていきました。

それから、「遅いものは速くしてみる」「手がかかるようなものは、手がかからないようにしていく」という発想もあります。

例えば、昔はカセットテープがよく使われましたが、今ではテープではなくCD等が主流になっています。テープの場合、確かに巻き戻しにずいぶん時間がかかります。

ビデオテープも、たくさん録画していくと棚のスペースをずいぶん取られましたが、DVDが出たので、もう勝負は見えています。薄くて場所を取らないほうがよいわけです。

このように、最初の発想の仕方は、「反対のものができないかどうか」ということです。

服でもそうです。昔は、「冬には厚い服を、夏には薄い服を着る」ということが常識でした。これ以外の常識はありえなかったと思います。

ところが、現在は、百貨店に行って婦人服を見ても、夏物と冬物の区別は、ほとんどつきません。「冬に、こんな薄いものを着るのか」と思います。「建物のなかは暖房が効いているので、外に出るときだけ、厚いコートを着ればよい」というニューヨークスタイルに近づいたように感じました。

ニューヨークでは、冬でもオフィスで半袖や夏服を着ている人がたくさんいたので、とても不思議でした。オフィスのなかは暖房が効いているし、地下鉄の車内も暑いぐらいなので、コートの下に夏服のようなものを着ていても、誰もそれを「おかしい」とは言えませんでした。

ところが、日本では、冬には必ず厚い服を着ていて、“着膨(きぶく)れラッシュ”で汗だくになって会社に来ていたのです。今は、日本でも、冬にもだんだん夏服のようなものを着るかたちになり始めていて、服装にシーズンの差がなくなってきました。ネクタイも夏冬の区別がだんだんなくなってきています。

かつて「常識」と思われていたことを引っ繰り返していくのが、新しいイノベーションなのです。「今、『常識』と思っていることが、そうでなくなるには、どうしたらよいか」ということを考えれば、いろいろな問題も、解決する道が拓けてきます。

---owari---
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