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転生輪廻の思想

2019年03月01日 | 人生

転生輪廻(てんしょうりんね)の話は、過去幾度となく学んできたはずである。

しかし、この転生輪廻の思想が地上から廃(すた)れて久しい。

いや、地上から廃れるというよりも、

もはや過去の単なるたとえ話、笑い話として捉(とら)えられている感がある。

 

そうして、嘆(なげ)かわしいことに、

我が教えを継(つ)いでいるところうの仏教の僧侶たちも、

この転生輪廻を真実のこととして捉えているか否(いな)かは定かではない。

いや、むしろ

それを信ぜぬ者たちのほうが数多く増えているのではないか。

 

諸々の比丘(びく)、比丘尼(びくに)たちよ。

おまえたちも、心して学びなさい。

今世、生まれ落ちたおまえたちには、

それぞれの考え方があるであろう。

 

考え方というのは、

おまえたちの受けた教育や、

おまえたちの経験したさまざまな出来事によって

成り立っているものだ。

 

しかし、私は言っておくが、

この世というものは、

おまえたちの悟りにとっては、かなり厳しい修行場であるのだ。

 

いつの時代も、私と共に地に降りてくるおまえたちは、

厳しい環境を選んで生まれてくる。

されど、今世のこの日本の地は、

以前のインドの地よりも厳しい環境下に置かれているかに見える。

 

インドの地においては、伝統的に仏神を尊ぶ風習があった。

また、死後の世界を信じる風習もあったが、

この日本の地では、風習そのものは、いまだに遺(のこ)ってはいるが、

その実体がないと言ってよい。

 

そうした死後の世界をあざ笑い、

人の生まれ変わりをあざ笑う人たちの多くは、

何ら自分から進んで知ろうとすることなく、

生まれ落ちてから後の、知識や経験のみで判定しようとする。

しかし、そのなかにいったいいかほどの真実があるのか。

 

諸々の比丘、比丘尼たちよ。

私の言葉をよく聞きなさい。

あなたがたは、今世において恐れてはならない。

怯(ひる)んではならない。

おののいてはならない。

自らがどのように生きやすくするかを考えてはならない。

そのことを、あまりにも考えすぎてはならない。

 

諸々の比丘、比丘尼たちよ。

おまえたちは、仏弟子であることを誇りに思うか。

おまえたちは、真実のために生きることを誇りに思うか。

おまえたちは、仏法真理のために生きることを誇りに思うか。

 

もし、おまえたちが真実のために生きることを誇りに思う心を、

いまだに失っていないのであるならば、

私の言うことをよく聞きなさい。

 

地上の人間たちは、死後の世界をあざ笑う。

そして、それを無視したがる。

また、口を開いて死後の世界を語る人あらば、

その人を狂人呼ばわりする。

あるいは、変わった者というふうに言う。

 

そこで、心正しく、心清くして、真実の世界のことを知っている人が、

この地上ではたいへん生きにくくなっている。

ある時はあざ笑われ、中傷され、非難され、罵倒(ばとう)される。

 

私の言葉を信ずるがゆえに、そのようになる者も出てくるであろう。

しかし、私はあなたがたに言っておく。

我がために傷つけられても、

その傷はやがて大いなる栄光となるであろう、

我がために辱(はずかし)められても、

その辱めはやがて大いなる天の報(むく)いとなるであろう。

 

我がためにたとえ地に倒れようとも、そのあなたの偉大な思いは、

やがて、天の諸天善神(しょてんぜんしん)をして、

歓喜の涙をふり絞らせることになるであろう。

 

諸々の比丘、比丘尼たちよ。

おまえたちは、世間体というものをあまり考えてはならない。

おまえたちは、恥ずかしいという思いをあまり持ってはならない。

おまえたちは、この地上において人びとの尊敬を受けようと、

あまりにも考えてはならない。

 

おまえたちは、喜んで人びとから尊敬されない立場に身を置け。

おまえたちは、喜んで人びとから冷遇される立場に身を置け。

ただ、一つの仏法真理のために――。

ただ、一つの仏の教えのために――。

 

おまえたちは、数十回、数百回、数千回の転生輪廻の過程で、

いつも我が教えを受けてきたのだ。

そして、我が教えを得(う)る時に、

いつも数限りない苦難や困難をも通過してきたのだ。

 

そうした強いおまえたちであるならば、

いまさら何を怯(ひる)むことがあるか。

いまさら何を恐れることがあるか。

いまさら何を、いまさら何を――。

 

諸々の比丘、比丘尼たちよ。

私はおまえたちがいとおしい。

私は、おまえたちが限りなくかわいい。

私は、おまえたちが苦しむのを見ていることができない。

私は、おまえたちが涙しているのを黙って眺めていることができない。

 

私の教えを守ることが、

おまえたちを、もし傷つけ、悩ませ、

苦しませることになるならば、

その時に、私もまたおまえたちと共に、悩み、苦しんでいると思え。

 

私は、必ずおまえたちの涙を見つけるであろう。

私は、必ずおまえたちと共に苦しんでいるであろう。

私は、必ずおまえたちと共に悩んでいるであろう。

私は、必ずおまえたちと共に、

大いなる苦しみを背負っていることであろう。

 

---owari---

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