アメリカの若年層失業率は好景気の影響で改善してきたが、2年前までは14%であった。日本が5%未満であることと比べると、就労そのものが厳しかった。働いて奨学金を返済しようにもできない現実が、若者の前にある。それでも奨学金ローンの金利は下がらない。
これらは何を意味するか。金融資本に主導されたグローバル経済は、あらゆるものを金儲けのビジネスにするということである。これらを正当化するた . . . 本文を読む
金融主導のグローバリズム経済の直撃を受けたのが、アメリアでは白人中間層の労働者たちだった。そもそも経済のグローバル化を称揚(しょうよう)する国際金融資本や多国籍企業にとって、国境はまったく関係ない。
彼らは事業を展開する国々の歴史伝統や習慣には関心がなく、尊重する気もない。むしろビジネスの障壁(しょうへき)と考えている。
安い労働力を確保できるなら国籍は問わない . . . 本文を読む
では、米国型資本主義とは何か。産経新聞社の田村秀男編集委員はこう述べる。
<米国型資本主義モデルとは、世界最大の債務国米国が日本をはじめとする外部からの資本をニューヨーク・ウォール街に引き寄せることで成り立つ。そのための枠組みはグローバルな金融自由化ばかりではない。株主利益を最優先する企業統治という仕掛けとグローバリゼーションは一体化している。
金融市場の投資尺度は企業財務のう . . . 本文を読む
アメリカは孤立主義、内向き志向になっているが、原因の一つは2008年に起きたリーマン・ショック以後の経済の低迷にある。たしかにアメリカの経済規模はいまも世界一である。2015年の名目GDPは17兆9470億ドルで、第2位の中国の10兆9828億ドルを大きく引き離している。
ちなみに日本は第3位で4兆1232億ドル。アメリカは依然として世界経済の2割を占める大国なのだが、問題は経済 . . . 本文を読む
日下公人著書「新しい日本人が日本と世界を変える」より“グローバリズムからローカリズムへ”を転載します。
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アメリカは大統領にドナルド・トランプ氏が選出されたことで、日本のメディアは「世界は大混乱に陥り、日本は大変なことになる」と騒いでいる。
だが、世界の混乱が続くとしても、日本は大変なことにはならない。たしかに安全 . . . 本文を読む