◎◎ きょうの国内市況(11月11日):株式、債券、為替市場
●日本株7日続伸、コロナワクチンで景気回復期待-景気敏感や金融買い
☆☆☆☆☆☆☆ 東京株式相場は1年超ぶりの7日続伸。新型コロナウイルスのワクチンによる景気や企業業績の回復期待が継続した。自動車など輸出や素材、市況関連といった景気敏感業種のほか金融や不動産など内需関連も高く、幅広く買われた。
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¤¤¤⇨ 岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは「海外勢はコロナ感染拡大による景気の落ち込みを先読みして日本株の売りポジションを積み上げてきた」と前置きしながら「7-9月期の企業業績は4-6月より回復し、最も重荷だったコロナにもワクチンが現実化してきた」と指摘。先物中心とした「ロスカットの買い戻しが予想外に株価を押し上げている」と述べた。
- 東証33業種では不動産、鉱業、保険、海運、銀行、ガラス・土石、輸送用機器などが上位
- その他製品、空運、情報・通信は下落
●債券下落、米長期金利上昇の流れで売り優勢ー超長期債には需要との声
債券相場は下落。前日の米国市場で長期金利が一段と上昇した流れを引き継ぎ、売りが優勢になった。もっとも、利回り水準が上昇した超長期ゾーンは、米金利や株価など外部環境が逆風の割には、投資家需要を背景に底堅いとの指摘が出ていた。
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¤¤¤⇨ みずほ証券の松崎涼祐マーケットアナリスト
- 海外時間の動きに沿って売りが先行した後は、先物が狭いレンジで推移した
- 今週は米長期金利の上昇スピードが速かったが、米大統領選挙やコロナワクチン開発の影響を冷静に見極める姿勢もあり、株式市場に比べて債券市場は落ち着いてきた
- 超長期ゾーンは米金利上昇や株高の割には底堅い。急速に金利が上昇する局面では買いも入りづらかったが、じりじり上昇する局面では、ある程度目新しい水準なら押し目買いもある
□■ 日銀オペ
- 対象は残存期間1-3年、3-5年、5-10年、物価連動債。通知額はいずれも前回から据え置き
- 応札倍率は1-3年と3-5年が前回から上昇
●ドル・円小幅安、輸出などの実需が重し-緩和期待後退でNZドル急伸
★★ 東京外国為替市場のドル・円相場は小幅安。新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る過度なリスク選好ムードに一服感が出るなか、輸出企業など実需の売りがやや重しとなった。ニュージーランド(NZ)ドルは大幅上昇。NZ準備銀行(中央銀行)による銀行向け資金供給の開始を受けて一時売られたが、オア中銀総裁の発言を受けてマイナス金利導入期待が後退し、買い戻しが強まった。
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¤¤¤⇨ ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリスト
- ファイザーのワクチンの件は消化した感があり、今はポジションを調整しながら次の材料待ち
- ワクチン開発がさらに進んでも実用化や有効性などが問題になってくるので、経済がコロナ前に戻るのがかなり遠いのは間違いない。米大統領選もまだもめており、リスクオンにもリスクオフにも継続的に傾くのは難しい