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この本を読んだのは5年ほど前。
その国には、公共であれ民間であれ、一日に3時間以上働く人はいない。
残りの21時間は、眠ったり食事を楽しんだり、創作活動をしたり、愛し合ったり、人生を楽しんだり、自分だけの時間を過ごしたり、子どもたちや仲間たちと交流したりして過ごす。
無駄なものを作らず、生産されたものは、必要な人に過不足なくいきわたる。
そのためには3時間以上働く必要がない。
心にゆとりがあるから、病気になる人も、犯罪を犯す人もとても少ない。
子どもたちは存分に遊び、自分の欲求に導かれて学び成長する。
「キリギシアというその国は、どこにあるのでしょうか?」と、ある演説会で問いかけた。
その国は、今は実在しない。
けれど「日本国憲法」の理念を忠実に政治の中に活かせば、やがてこういう国ができる。
きっとできると思う。
日本共産党の「社会保障の充実・財政危機打開の提言」で試算された財源を活用しても、私の生きているうちには実現しないかもしれない。
今、安らかに眠っている生後1週間の○ちゃんが生きていく社会は・・・本当の豊かさを実現した社会であって欲しい。
「3時間しか働かないなんて、退屈でしかたがない」と思う人も、「そんなん、絶対むり!」と思う人も、ぜひこの本を手にとって読んでみてください。
生活保護に対する異常なバッシング報道を見たり、聞いたりするなかで、キルギシアのことを思うようになりました。
それから、この国ではもちろん、「夏場の電力不足」の心配もありません。
本には書いてありませんが、全て「再生可能エネルギー」で充分、賄っているに違いありません。
著者;シルヴァーノ・アゴスティ(1938年、イタリア生まれ。作家・映画監督)
訳者;野村雅夫
発行;マガジンハウス