こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

第3セクターの破綻処理・・・テクスピア大阪を市が購入

2012-06-21 19:49:28 | 市政&議会報告
昨日は市議会定例会2日目。
14人の発言通告のうち、残りの6人の一般質問。

そのあと一般議案の審議と議決。
いずれも全会一致で可決しました。

可決した一般会計補正予算は約5億7700万円の増額補正。
その主な内容は、テクスピア大阪の購入に4億円余。(仮称)くすのき保育所の建設工事費の1億3千万円余など。

テクスピア大阪は、泉大津駅東からすぐ、7階建てのビル。

大阪府、大阪市など12市町、泉大津市、民間企業・団体などが出資して1990年に設立した(株)大阪繊維リソースセンターにより、1993年に開設された。
1980年代から「国や自治体の財政負担を増やさず、公共事業は推進する」手法として広がった「第3セクター」のひとつだ。「民間活力の導入」のうたい文句で、公共事業を推進、バブル崩壊後の90年代、第3セクターが全国的に行き詰まり、結局、その破たん処理に税金が投入される事態となった。

テクスピア大阪を拠点として「大阪府内の繊維産業の活性化を図る」ことを目的とする(株)大阪繊維リソースセンターの設立に、泉大津市も地元市として、3億6500万円(資本金27億5840万円の13.23%)を出資した。

出資金のほぼ2倍の54億円をかけて建設、結局、その借入金の返済が経営を圧迫し、1996年には大阪府から20億円の追加支援を受けるが、リーマンショック以来の景気交代でいっそう経営状態は悪化。

債務返済の見通しがたたず、「財産の処分」の手続きを進めることとなった。

「競売」により、民間企業の手にわたれば、「利潤追求となり、公共性を持った施設機能を継承できない」ということから、市が4億1223万円という、大阪府、リソースセンターと協議し、合意した金額で取得。「引き続き地元繊維産業の拠点として、また地域コミュニティ施設としての活用」を目的に泉大津市が、買取り保有することとしたもの。購入資金は、市の借金となる。(償還期間は20年)

市が買い取った場合は、府の債権は「全額放棄」となり、「借金のない施設」となって「黒字運営が可能となる」という説明。

駅前の便利な場所に立地する、510席のホールを初めとした施設が今後も公共的な役割を果たすためには、市が購入するという方策は、今の選択としては最善だとは思う。

しかし、当初の「甘い見通し」のもとに、市が出資した3億6500万円、さらには府の出資の5億8千万円、それは市民、府民の血税であり、その株券が「紙切れ」になったということを忘れてはならない。また追加支援で投入された府の20億円も、購入する市にとっては「借金の重荷」から開放されることは有り難いが、私たちは市民であると同時に「府民」でもあるのだから、投入された府の「追加支援」がムダになったことをもろ手をあげて喜ぶわけにもいかない。

「泉州の地に繊維産業振興の拠点施設」を鳴り物入りで立ち上げ、ばら色に描かれた90年代の3セクの「破たん処理」だ。

市が保有することになったビルの今後の活用についても、注視していかなければならない。





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