こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

常任委員会の視察報告会

2016-01-26 19:56:54 | 市政&議会報告
議員互助会主催の「委員会視察報告会」を初めて開催しました。

議員互助会は、市議会の議員全員が会員で、「親睦、研修、福利厚生」などの事業に取り組みます。


互助会の役員会で「今年の研修のテーマは・・・」という話し合いの機会に、「外から講師にきていただいて、講演を聞くのもいいけれど、せっかく常任委員会で先進市の視察に出かけているのだから、その報告会をしたらどうか」という提案をしました。賛同の意見もありましたが、実施に至らず、今日初めての開催でした。

やってみたら、なかなか充実した「研修」の場になったと思います。

午前中の2時間では時間が足りませんでした。


常任委員会は、総務都市常任委員会、厚生文教常任委員会の二つ。

視察報告は議会図書室に置かれて、所属していない委員会の報告も見ることができますが、文書の報告ではなかなか伝わりくいところを、お互いに報告しあうことで少しでも視察の成果を共有することができます。

お互いに報告し、質問しあうことで、改めて気付くこともあります。初めての報告会が活発な議論の場となり、「是非、来年も」と副議長の閉会の挨拶でも言われたことは、数年間にわたって提案してきた者としては嬉しいことです。


元兵庫県議の野々村氏の公判がニュースになっています。虚偽の報告や、説明のつかない公金の使い方などは論外ですが、貴重な税金を使わせていただいての視察の成果を市民の皆さんにお返しする努力をどれだけしてきたか?

もっと真剣に考えなければならないことではないでしょうか。


視察報告書は市議会のHPにも掲載しています。コチラから。



荒川区の「子どもの貧困対策」は私が提案したことでもあり、今日も私から報告させていただきました。

以下は、その要旨です。よかったら読んでください。


東京都荒川区における「子どもの貧困対策」の取り組みの第一の特徴は、区の基本姿勢としての「区政は区民を幸せにするシステムである」という理念に立脚していることである。説明は、そこから始められた。「荒川区民の幸福の実現」を区政の究極の目標とし、そのために「不幸を減らす」ということは当然のこととはいえ、大変重要な視点だと感じた。そこから、弱い立場である子ども達の貧困対策を「基礎自治体として先送りできない優先課題」として取り組まれてきたとのことである。

H21年5月に庁内組織としての「子どもの貧困問題検討委員会」を設置、同年10月には外部の有識者を含めた「荒川区自治総合研究所」が設立される。「研究所」は現在公益財団法人としての認定を受けた外部組織であるが、区の職員は4名派遣されているとのことであった。現状分析、政策立案にあたって重要な役割を果たしてきたことが推測されるが、詳細については時間の制約もあり聞き取ることができなかった。
 
この間の取り組みの経過、取り組みの現状と検討課題等についての説明を受け、常に全庁的な情報の共有と連携が図られていることを感じた。「子どもの貧困」を生み出す「リスク」「決定因子」の分析による大元の対策の方向性を探りながら、当面の取り組みについても迅速な対応が図られてきた。そのひとつが「スクールソーシャルワーカーの配置」である。現在3名が配置されているとのことである。「財政負担は都と区が2分の1」とのことであった。3人の配置による成果、具体的な活動内容等についても、もう少し立ち入って聞かせていただきたいところだった。

国における法制化に先立って、区の優先課題として踏み出し7年目となる取り組みを振り返った副区長の総括的な説明の中で「子どもの貧困対策には終わりがない。まだまだ道半ば」と言われた言葉が印象に残っている。取り組みを進めるほど、それまで見えなかった問題も顕在化してくるのだろうと思う。

また同じく副区長の説明で、もうひとつの視察テーマである「タブレット端末の導入」についても「貧困対策との関係が深い」との言及もあった。つまり家庭の経済状況によってIT機器に触れる機会のある子ども達とそうではない子ども達との格差をなくし、貧困の連鎖を断っていくということである。「子どもの貧困対策・社会的排除」に真剣に向き合うことは、「社会全体の責任で未来の担い手、子ども達を育てる」ことであり、全ての子ども達の成長・発達を育む施策、教育環境の整備・充実と密接不可分の課題であることを改めて痛感する。

今年度の新規事業として実施されている「子どもの居場所作り事業」についても報告があった。地域のボランティア団体に実績に基づく補助(子ども一人1回につき2千円)を行うことによって、週1~2回の開催で学習支援、夕食、団欒など。現在区内2ヶ所で実施されているが、さらに拡充の方向である。事業の立ち上げと継続にあたっては、行政がサポートしながら実際の運営は地域の潜在的な力を引き出していくことが、事業の目的にもふさわしいと思う。同時に財政支援のありかたについては、実態にみあった検証が必要ではないだろうか。

本市においても、健康福祉部・教育委員会の連携のもとに「子どもの貧困対策」は、緒についたところと思うが、各課が把握している情報の共有とともに「子ども食堂」などの取り組みも始まっていると聞く。今回の荒川区における先進的な取り組みの理念と姿勢に学び、本市にふさわしい取り組みを模索していきたい。多くのヒントを得ることができた貴重な行政視察となったと考える。





コメント (3)
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