元幸福の科学の会員で1987年より三十数年間、在籍し、活動をしてきました。その間を振りかえります。

最初は勉強会だったのに大川隆法氏は1991年に突然に自分は地球神・エルカンターレだと宣言し、宗教法人となった。

■「トランプ革命」と日本の「新しい選択」[HRPニュースファイル1748]

2017-01-02 09:22:52 | 日記

■「トランプ革命」と日本の「新しい選択」[HRPニュースファイル1748]

http://hrp-newsfile.jp/2016/3018/

 幸福実現・広報スタッフ 佐々木勝浩

はじめに、新年明けましておめでとうございます。

今年も読者の皆様にとって、素晴らしい年となりますようお祈り申し上げます。

 ◆北朝鮮の核開発とミサイル発射実験は最終段階へ

昨年、北朝鮮は、水爆実験に始まり、度重なるミサイル発射実験を行いました。

核開発の開発段階は、次にように進んで行きます。

(1)ウランの核実験 → (2)プルトニウムの核実験 → (3)水爆実験 → (4)ミサイルに搭載する核弾頭の小型化

段階を重ねることに開発は困難になりますが、昨年、北朝鮮は最終段階に入ったといってよいと思います。

次に、北朝鮮のミサイル発射実験は、次のようなものです。

(1)韓国を射程に収める短距離ミサイル「スカッド」
(2)日本を射程圏に収める中距離ミサイル「ノドン」
(3)アメリカを射程に収める長距離ミサイル「テポドン2号の改良型」

核を運搬するためには、アメリカの広島への原爆投下のように飛行機で運んで落とす方法もありますが、北朝鮮はミサイルの弾頭に搭載する方法を採用しています。

ミサイル燃料も「液体燃料」から「固形燃料」が開発できると短時間で発射が出来るようになり、さらにトラックでミサイルを移動できるので、発射の兆候をつかむことが困難になっています。

そして、核開発の最終段階が、潜水艦から発射するミサイルを開発する段階です。潜水艦は海洋を移動し海中からミサイルを発射するので、迎撃することは大変困難になります。

これは北朝鮮が、核ミサイルで日本やアメリカまで狙える段階に入ったことを意味しています。

 ◆ついに中国の空母が西太平洋を航行

また中国は、ここ数年で、南シナ海においてベトナムやフィリピンが領有していた海域を勝手に埋め立て軍事基地化しました。

中国のように岩礁をコンクリートで固めて人工島を建設し、近海の領有を主張することは、国際海洋法違反です。

日本にとって南シナ海は、石油を運ぶための海上輸送路です。中国が南シナ海を封鎖することがあれば、日本に石油が入ってこなくなり日本の経済は大打撃を受けることになるでしょう。

また、これまでのHRPニュースファイルで中国の空母が西太平洋を航行する時が迫っていると警告してきましたが、ついに昨年末、中国空母艦隊が沖縄を越えて西太平洋を航行、その後、南シナ海に向かいました。

空母は言わば、海を移動できる攻撃能力を備えた軍事基地です。南シナ海ばかりではなく、中国は、西太平洋までを支配する計画を着々と進めています

沖縄では、先日起きたオスプレイの墜落に対して、左翼団体やマスコミが沖縄県民を危険にさらしていると非難していますが、沖縄を越えて航行した中国の空母に対しては、まったく非難しません。

沖縄を守っているのは米軍であり、日本の安全保障を脅かしているのは中国の方であることを忘れれてはなりません。

 ◆「トランプ革命」に歩調を合せ、中国包囲網を

このように日本を取り巻く世界情勢は、大変な危機を迎えています。

北朝鮮の核実験とミサイルの発射。中国は国際法を無視して南シナ海に軍事基地を建設。そして韓国においては、200万人規模の大統領退陣デモが起き、朴大統領は退陣に追い込まれようとしています。

その中で、11月に行なわれたアメリカ大統領選において、ドナルド・トランプ氏が大統領に当選しました。今後「トランプ革命」は、東南アジアにも大きな影響を与えることになるでしょう。

トランプ氏は、強いアメリカの復活を目指し、中国の覇権を封じ込める政策を目指しています。

トランプ氏の政策は、中国に高い関税をかけて、中国の経済力を弱め、また台湾、ロシアとも連携しながら、中国の軍事的覇権を牽制する方向に向かうでしょう。

その時に、日本も日米同盟を益々強化し、台湾やロシアとも経済関係を通じて友好な関係を築きながら、北朝鮮も含めた中国の包囲網を形成していかねばなりません。

参考
『繁栄への決断』——「トランプ革命」と日本の「新しい選択」
大川隆法著 /幸福の科学出版
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785



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IR推進法は浪費推進法!?賭博で日本を豊かにできる?[HRPニュースファイル1749]

2017-01-02 09:18:40 | 日記

http://hrp-newsfile.jp/2017/3022/

幸福実現党・大阪第5選挙区支部長 数森 圭吾

◆IR推進法とは

2016年12月15日の衆議院本会議で自民党や日本維新の会などの賛成多数で「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」、いわゆるIR推進法が成立し、カジノ合法化への道が開かれることになりました。

このIRとはIntegrated Resortの略で統合型リゾートを意味しています。

この統合型リゾート施設とは、地方自治体の申請に基づいて、カジノの併設を認める区域を指定されて設置される国際会議場・展示施設やホテル、商業施設、レストラン、劇場・映画館、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設などと一体になった複合観光集客施設をさしています。

この説明ですと、IR推進法が地域にエンターテイメント性や商業性の向上をもたらし、人もお金も集まってくる良いイメージを持つ方もいるのではないかと思います。

このIR推進法の主なメリットとしてあげられているのは、「国内外からの観光客の誘致やMICEの振興」「カジノ税収入など新規財源の創出」「地域での雇用促進や経済波及効果」などです。つまり政府は「消費促進にともなう経済効果」「新たな財源(税収)」を狙ってカジノを合法化しようとしているといえます。

◆刑法185条 賭博の禁止

しかし日本では刑法185条によって賭博が禁止されています。これは、賭博を放置すると国民の勤労意欲が失われ、さらに賭金の獲得や借金の返済のために窃盗や強盗など他の犯罪が誘発されることなどが懸念されるためであり、賭博罪とは、風俗ないしは経済倫理・秩序に対する罪であるとされています。

IR推進法の成立によって、今後日本でカジノの法制化がすすめられるにあたり、この刑法で定められた賭博罪との矛盾を乗り越えることは非常に難しい問題です。

個人で賭博をした場合には犯罪となるにも関わらず、国が関わるカジノは合法となることには疑問が残ります。

◆「賭博が国を滅ぼす」と考えた歴史の為政者たち

歴史を振り返ると、日本初の賭博禁止令を出したのは689年の持統天皇で、その対象となったのは「すごろく」でした。

また戦国時代には武士たちが陣中などでも賭博に熱中したことから、「賭博」が士気に関わる懸念材料の一つとなっていたそうです。そのため徳川家康が天下統一を果たすと、賭博常習者を厳罰に処したとされています。

歴史的にも為政者にとって「賭博は国を滅ぼす」と認識されることが多かったと言えます。しかし反対に、今の政府はこの賭博を合法化しようと考えているのです。

◆カジノ解禁によるデメリット

カジノ解禁によるデメリットとして、「反社会的勢力の活動の活発化」や「ギャンブル依存症問題」などが懸念されています。

カジノ解禁によって暴力団やマフィアが介入する可能性が高まり、反社会的勢力の資金源を増やすことになる。またマネーロンダリングにカジノが利用される可能性もあるといえます。

またカジノが身近にできることによってギャンブル依存症となる人の増加が見込まれるともいわれています。

◆IR推進法によって促進されるのは消費?浪費?

IR推進法は消費促進にともなう経済効果と新たな財源を狙ったものです。政府の思いは「なんとしても国民に金を使わせたい」というのが正直なところでしょう。

刑法にある理念や倫理を無視してまで行われる消費推進はいつのまにか「浪費推進」になっていくのではないでしょうか。これでは国民の堕落を招きかねません。

  • ここ最近の政府の他の動きをみると、10年以上使われていない預金を政府が回収する「休眠預金法案」や、月末の金曜は15時退社を推進する「プレミアムフライデー」がすすめられています。
  • 財源確保や消費促進のためなら私有財産没収を行い、民間企業の就労スタイルにまで口をつっこむ政府は「国民が消費するためなら手段は選ばない」という次元にまできているのではないでしょうか。
  • この考え方を極端にしていくと「理想実現の為なら暴力革命も厭わない」という共産主義的発想に通じるような怖さもどこかで感じてしまいます。


政府は自由主義・資本主義の精神に基づいた政治理念について考え直し、減税など、健全な消費を促す政策を実行し、経済発展に伴う税収の確保を第一とすべきではないでしょうか。


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2017年元旦の社説読み比べ 新聞は反グローバル化への不安でいっぱい?

2017-01-02 08:58:20 | 日記


http://the-liberty.com/article.php?item_id=12418   幸福の科学出版


元旦の社説には、その新聞の考え方や何を重要視しているかが表れるもの。本欄では2017年の元旦の読売、朝日、毎日、日経、産経の五紙の社説を概観したい。

書かれたテーマは大きく2つ。朝日と産経がおもに「憲法」について、読売、毎日、日経が「国際的な反グローバリズムの潮流」についてだった。


◎憲法について正反対の朝日と産経

まず、憲法について書いた朝日と産経を見てみよう。以下は各社説の概要。


朝日「憲法70年の年明けに 『立憲』の理念をより深く」

・トランプ氏の米国をはじめ、幾多の波乱が予感され、大いなる心もとなさとともに年が明けた。各国を席巻するポピュリズムは、人々をあおり、社会に分断や亀裂をもたらしている。


・不穏な世界にあって、日本は今年5月、憲法施行70年を迎える。「立憲主義」という言葉の数年来の広がりぶりはめざましい。

立憲主義は、時に民主主義ともぶつかる。独裁者が民主的に選ばれた例は、歴史上数多い。立憲主義は、その疑い深さによって民主主義の暴走への歯止めとなる。

・自民党は立憲主義を否定しないとしつつ、その改憲草案で「天賦人権」の全面的な見直しを試みている。立憲主義に対する真意を疑われても仕方あるまい。

・目をさらに広げると、世界は立憲主義を奉じる国家ばかりではない。立憲主義の理念を、揺らぎのままに沈めてしまうようなことがあってはならない。

産経「自ら日本の活路を開こう」

・安倍晋三首相が昨年末に取り組んだ日露首脳会談と真珠湾訪問には敗戦、戦後へのけじめをつけたいとの共通項があった。日本もそろそろ独自外交に舵を切ろう—という意気込みは感じ取れた。

・(日本の)針路を定める最たるものとして、憲法を国民の手に取り戻す作業をまず挙げたい。敗戦と占領を経て国際社会に復帰するまでの日本に自由な選択肢はなかった。公布から70年、憲法は放置された。この間、自己決定という国家の本質を日本は不得手なものにしてしまったのではないか。

・(日本が失うことができないものをどう守るかという課題が)天皇陛下が譲位のお考えを示されたことへの対応である。ご意向を踏まえつつ、皇統の安泰も視野に入れた見直しをどう行うか。日本人にしか解決できない。知恵の絞りどころだ。

・足踏みする景気の原因や責任を、世界経済の変調に求めてばかりいても、解決にはならない。ものづくりや自由貿易に成長の基盤を引き続き置くなら、魅力ある「日本」を探し直す努力がいる。

朝日の社説では、不思議なことに、憲法がほとんど神様のように扱われている。たしかに日本国憲法には、国民の基本的人権や自由を守ることなど、大切なことも書いてある。立憲主義が個別の法律の欠陥から国民を救ってくれることもあるだろう。しかし、その憲法も、人間がつくったもの。当然、欠陥はある。

その点、産経の社説が「憲法を国民の手に取り戻す」と書いているのには賛成できる。欠陥があっても、時代に合わせて自分たちの手で書き直し、よりよいものにしていってこそ、憲法は本来の役割を果たせる。自分の国を自分で守るという、普通の国家が普通にできることを、日本もできるようにすべきだ。

ただ、産経が安倍首相の日露首脳会談と真珠湾訪問を評価している点には疑問を感じざるをえない。日露首脳会談の成果はゼロに等しく、真珠湾訪問もアメリカ国民に「選ばれなかった」民主党のオバマ大統領との関係を深めただけであり、ほとんど意味がないからだ。


◎トランプ大統領就任は不安でいっぱい!?

続いて、おもに反グローバル化の潮流について書いている読売、毎日、日経を見てみよう。以下は各社説の概要。


読売「反グローバリズムの拡大防げ トランプ外交への対応が必要だ」

・保護主義を唱え、「米国第一」を掲げるドナルド・トランプ氏が20日に米大統領に就任する。既存の国際秩序の維持よりも、自国の利益を追求する「取引」に重きを置くのであれば、心配だ。

・トランプ氏にも国務長官予定者にも、政治経験がない。軍出身者が並ぶ閣僚の布陣も、危うさがある。日米同盟による抑止力の強化が、東アジア地域の安定に不可欠で、米国の国益にも適うことを、(トランプ氏に)粘り強く説明していくべきだ。

・反グローバリズムとポピュリズムは、欧州でも、その勢いを増している。排外主義を煽るポピュリズムの拡大は、人や物の自由な移動を進めるグローバリズムの最大の障壁になりつつある。

・保護主義を強めれば、雇用や生産が復活し、自国民の生活が楽になると考えるのは、短絡的だ。経済資源を、国境を越えて効率的に活用するのが自由貿易だ。多国間での取り組みをさらに進め、新興国の活力や技術革新の成果を世界に広げることで、成長の復活を目指すしかない。それが国際政治の安定の基礎ともなろう。


毎日「歴史の転機 日本の針路は 世界とつながってこそ」

・トランプ氏の勝利と、それに先立つ英国の欧州連合(EU)離脱決定は、ヒトやカネの自由な行き来に対する大衆の逆襲だ。グローバルな資本の論理と、民主主義の衝突と言い換えることもできるだろう。

・私たちが昨年目撃したのは国家の「偉大なる復権」をあおり立てるポピュリズム政治家の台頭だ。しかも彼らの主張は、国際協調の放棄や排外的ナショナリズムといった「毒素」を含んでいた。欧州の右派勢力も勢いづいている。

・所得分布が貧富の両極に分かれていくと、この一体感(民主主義の基礎となる社会の構成員としての一体感)が損なわれる。トランプ現象で見られたように、選挙が一時の鬱憤晴らしになれば、民主主義そのものの持続可能性が怪しくなっていく。

・ささくれだった欧米の政情と比べれば、日本社会はまだ穏健さを保っている。持続が可能な国内システムの再構築に努めながら、臆することなく、世界とのつながりを求めよう。


日経「揺れる世界と日本(1) 自由主義の旗守り、活力取り戻せ」

・トランプ次期米大統領が掲げるのは大減税、公共投資、規制緩和の「3本の矢」だ。世界的なデフレに幕を引くリフレーション政策だとはやす人々もいる。

・一方トランプ氏が掲げる政策には、自由主義経済を損ねる要素も数多く含まれている。米国が中国やメキシコと対立し、関税引き上げなどの保護貿易に動けば、金融・資本市場にショックが走るだろう。開放経済と民主主義のとりでであったEUも、相次ぐテロや移民問題などで揺らいでいる。

・だからこそ、日本は自由主義の旗を掲げ続ける責務を負っている。

・もうひとつ、日本が真剣に向き合わなければならないのは、加速するデジタル社会への対応だ。20世紀の生産性向上がブルーカラーの肉体労働の代替だったのに対し、これから本格化するのは人工知能(AI)によるホワイトカラーの頭脳労働の代替である。そうした第4次産業革命を担うのは、デジタルネーティブと呼ばれる、物心ついたときからデジタルに親しんできた若手人材だ。

共通して、ドナルド・トランプ氏の勝利を否定的にとらえており、これまでのグローバル化の流れとは反対方向へ世界が進んでいることへの不安感でいっぱいのようだ。

しかし、本欄で何度も述べてきた通り、トランプ氏はたんなるポピュリストではない。国際秩序を破壊しようとしているわけでもなければ、排外主義者でもない。そろそろ日本の新聞も、ヒラリー・クリントンびいきだったアメリカの大手マスコミの情報から離れたほうがいい。

トランプ氏の勝利とイギリスのEU離脱が示すように、すでに世界の潮流は、反グローバル化だ。ただしそれは世界の分断ではない。トランプ氏が訴えるのは、中国という違うルールを持つ国と公平な貿易はできないということであり、イギリス国民は自国のルールを決めるのはEUではなく自分たちだと示しただけだ。

不安がるのではなく、日本もこの潮流に追いつき、トランプ氏の進めるアメリカ繁栄プランの中で存在感を示して、世界の繁栄を担っていかなければならない。(大塚紘子)

【関連書籍】
幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1767

【関連記事】
2017年1月1日付本欄 新年のご挨拶 「ザ・リバティ」編集長 "革命の果実"を得る年に
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12415

2016年12月27日付本欄 「グローバリズム」の弊害とは? 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(9)】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12401

2015年11月11日付本欄 ミャンマー総選挙 スー・チー氏が大統領になれない「立憲主義」の危うさ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10446


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中国を「為替操作国に認定する」とどうなる? 中国弱体化に向けたアメリカの戦略

2017-01-02 08:34:07 | 日記


http://the-liberty.com/article.php?item_id=12417

アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は、大統領選を通して「中国を為替操作国に認定する。中国製品に45%の関税をかける」と主張してきた。

ところでこの「為替操作国」とは何なのか。本欄では、中国が行っている為替操作について解説する。

為替操作とは、政府や中央銀行が直接、自国通貨を売り買いする為替介入を行うこと。そしてアメリカが為替操作国に認定する、とは、アメリカとの貿易を有利にするために為替操作を行ったと、アメリカ財務省が認定した国を指す。

通貨安になると高い商品でも安く輸出できるため、中国は人民元安に保つことで貿易黒字を拡大してきた。これに対してトランプ氏は怒っているのだ。

1994年以降、アメリカから為替操作国に認定された国はないが、もし為替操作国に認定されると、アメリカから通貨を適正なレートに保つよう求められ、必要に応じて関税が課されることもある。


◎人民元レートの操作をしてきた中国 

ここまで為替操作について解説したが、実際に中国は、どのように為替操作を行ってきたのか。

中国は2005年に、ドルと人民元の為替レートが連動する「ドル連動制」から、為替レートを市場メカニズムに任せつつも、政府が為替介入も行なう「管理変動相場制」に移行した。しかし移行後も、中国政府は為替介入を続け、人民元の為替レートを大幅に安く保ってきた。

恣意的な人民元の切り上げや切り下げは何度も行われ、最近では2015年8月に行った人民元の大幅切り下げが、アメリカ政府を激怒させた。

「中国は為替操作国」と指摘しているのは、トランプ氏だけではない。ノーベル経済学賞の受賞者で、安倍晋三首相に消費増税の延期を求めた国際経済学者のポール・クルーグマン氏も、その一人だ。クルーグマン氏は、中国製品に25%の関税をかけるべきだと指摘したこともある。


◎資本が流出して人民元安が進む 

これまで人民元安を保ってきた中国だが、2015年8月以降、為替操作をしていないにもかかわらず、人民元安が進んでいる。中国経済の低迷や企業債務の増大、バブル崩壊に対して懸念が高まっており、中国市場から資本が流出しているためだ。

さらに、2016年11月にトランプ氏が次期大統領に当選すると、中国からの資金流出は加速。その資金が流れ込んでいるのは、アメリカだ。中国政府は外貨準備を取り崩し、ドルを売って人民元を買っているが、人民元安に歯止めがかからない。 


◎中国の黒字を減らすアメリカの戦略

トランプ氏は12月、新たに通商政策を担う「国家通商会議」を創設すると発表し、そのトップに対中強硬派のピーター・ナヴァロ米カリフォルニア大教授を指名した。ナヴァロ氏は、安い中国製品がアメリカに流入し、国内の雇用を脅かしていると主張してきた国際経済学者だ。

国家通商会議が通商政策の司令塔となり、通商代表部(USTR)や商務省が、実際の通商交渉を行う見通しだ。特にUSTRは、中国などとの不均衡な貿易の是正に専念すると見られる。

アメリカと中国の経済戦争はすでに始まっている。アメリカは、関税などを使って中国に圧力をかけ、中国の貿易黒字を減らし、国力を弱める戦略を立てている。日本も米中の動きを注視していく必要がある。(山本泉)

【関連書籍】
幸福の科学出版 『繁栄への決断』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785

【関連記事】
2017年2月号 見えてきたトランプの大戦略 - TPPアメリカ離脱で日本はどうする?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12349

2016年12月21日付本欄 アメリカがTPPから離脱したら、日本はどうする?【大川隆法 2017年の鳥瞰図(4)】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12379


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