http://the-liberty.com/article.php?item_id=12433 幸福の科学出版
アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を訴えています。日本では昨年12月、TPP承認案と関連法案が成立しましたが、今後、日本はどのようなかじ取りを行うべきなのでしょうか。
全国の書店で発売中の本誌2月号では、千葉・長生村にあるハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の経営成功学部ディーン、鈴木真実哉氏に話を聞きました。本欄では、紙幅の都合上、本誌でご紹介できなかった部分を掲載します。今回はその前編です。
ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)
経営成功学部ディーン
鈴木 真実哉
(すずき・まみや)1954年生まれ。早稲田大学大学院修了。聖学院大学政治経済学部教授を経て、現職。専門の金融論のほか、理念経済学やシュンペーター、ハイエクなどを研究。共著に『カオスの中の貨幣理論』(雄松堂出版)、『金融入門』(昭和堂)、単著に『格差社会で日本は勝つ』(幸福の科学出版)などがある。
——「TPP離脱を宣言しているトランプ氏は、保護貿易主義者だ」との批判もありますが、これについてどうお考えですか。
鈴木真実哉氏(以下、鈴) 実業家であるトランプ氏は、保護貿易主義者ではなく、自由貿易の重要性を熟知しています。自由貿易は、基本的に覇権国が他国から物をたくさん買うことで成り立ちます。トランプ氏は、アメリカ経済を復活させて、大きな市場をつくり、世界の自由貿易を支えようとしているのだと思います。
その国の経済にとって、「安上りの政府」が一番いいんです。つまり税金が安く、規制緩和の進んだ政府です。アメリカがさらに繁栄するためには、行政改革して、オバマ大統領がつくった無駄な行政システムを全てなくせばいい。そうすると、かなりの財政赤字が解消します。特に、オバマケアは早くなくした方がいいですね。
TPPでも2国間協定でも、世界1、3位の経済大国が組めば、何でもできます。これまではアメリカがあまりにも弱くて、気概と自信を失っていました。トランプ氏はアメリカ経済を立て直し、軍事力も回復させて、アメリカ国民に気概と誇り、使命感を取り戻させることを、まず1期目でやるでしょう。
2期目では具体的な大改革を行うでしょう。イギリスと組んで、EUも解体させるのではないでしょうか。イギリスはアメリカのマザー・カントリーで、最大の同盟国ですから。EU加盟国も、イギリスのようになりたいと思えばみんな脱退していく。トランプ氏は、次はイギリスを繁栄させることを考えるでしょう。
世界を市場化するために、トランプ氏はさまざまな協定や取り決めを壊そうとしています。自由に自分の意志で決めることを大切にする方ですから。
——日本は、TPPに入りさえすれば安泰だと考えがちですが、自己決定権は常に必要で、「自由には責任が伴う」ということを理解しないといけませんね。
鈴 TPPだけでなく、東南アジア諸国連合(ASEAN)も、EUもそうです。「業界団体や組合に入れば、あとはバラ色の人生が送れる」というわけではないように、「EUに入りさえすればいいことがある」わけではありません。ご指摘の通り、トランプ氏は自由に伴う自己決定がなくなると、国がダメになると言っているのです。
——その代わりに、トランプ氏は国民に「自由に働いてください。汗を流してください」と言っているのですね。
鈴 働くのは人間の尊厳ですから。朝起きて、枕元にご飯があるから働かないんです。朝起きたら枕元に作業着と道具がある、つまり雇用があることが大事です。
ジョブクリエーション、どう雇用を増やすか、というのは、資本家や企業家の発想ですが、どうやってそうした人材を生み出すか。政府はそれを考えるべきです。どうやって社会保障を充実させるかは、過去の話です。(つづく)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『繁栄への決断』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785
【関連記事】
2017年2月号 見えてきたトランプの大戦略 - TPPアメリカ離脱で日本はどうする?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12349