「だが情熱はある」の最終回を見た。山里と若林、二人の漫才師を主人公に描いたドラマで、二人のユニットである「たりない二人」などに関心の無かった人達にとっては見たいという気も起きなかっただろうし、日テレの番宣のように感じて評判は良くなかったのかもわからないが、漫才というものを志しても、下積の苦労ばかりで、しかも、当初は、それぞれの相方ほどには認められることもなかった二人だったが、空回りばかりしていても、地道な頑張りの末に、現在のように認められるようになったということで、今の世の中に満ち溢れている、成功していない者達にとっての励ましの内容でもあると思った。特に、妬み、嫉みを芸風にしている山里が、蒼井優という女優と結婚したことについては、ある種の世間の人達にとって、面白くないという気持ちにもなりがちなんだろうが、私にとっては、同じ外れ者としての共感が持てるし、妬み、嫉みの気持ちもわからないではない。
考えてみれば、今の世の中では、案外、外れ者である人の数の方が多いように思う。一生懸命努力しても報われない、折角良い大学を出ても希望する就職先に採用されない。就職しても窓際族に追いやられて仕事が面白くない。そんな人達で満ち溢れているのではないか。高齢者となっても、予想よりも少ない年金で、貯蓄もそれほど無く、仕方なく再雇用先で働いている。そんな世の中であるだけに、このドラマは、足りていない者にとっての面白さがあったように思う。また、秋に始まるという蒼井優出演の朝ドラも楽しみだ。