ディオと同じく、レインボー「三頭政治」時代のもうひとり、コージー・パウエルのこともこの時期思い出してしまう。三度目の来日時に科学技術館で“ドラム・セミナー”が開催された。少し高いステージだったが物凄く近くで観ることが出来た。当時のコージー人気は絶大(キース・ムーン亡きあと)で、この来日公演でも例の“1812年”が会場に流れると観客は席を離れて前に押し寄せていった(さすがにもうアリーナではできなかった)。質問コーナーで友人が指名され登壇し、本人から直接スティック回しを指南して貰ったうえ、サイン入りのドラム・ヘッドをプレゼントされた。セミナーの最後は“1812年”に合わせてドラム・ソロが披露された。バスドラ、タム、フロア、スネア、シンバルの生音がズシズシバシバシとカラダを突き抜け、圧倒された。ヒーロー達が消えていくってほんとに寂しい。
情報を何も入れずに、『Moonage Daydream』を観に行った。“ボヘミアン…“、”ロケットマン”のような映画かと思っていたらとんでもなかった。膨大な自身の発言と映像から作られたナレーションなしのドキュメンタリーだった。しかも、アーティストとしてのありようにフォーカスしたもので、コアなファンでないのに、ぐいぐいと引き込まれていった。『DAVID BOWIE is』では活動の足跡を振り返ることが出来た。この映画では、アーティスト“デヴィッド・ボウイ”をもっと深く垣間見ることが出きるものだった。言葉を聞き逃すまいと字幕に集中してると、貴重な映像を見逃ししまうほどだった。観ていてふと、新津由衣を思い出した。彼が語っていた事と同じようなことを、彼女がよく自身のSNSで綴っているからだ。何かを創作することがほぼない僕とは対極にいるアーティストの存在が、影響を受けるという意味で想像以上に貴重で大切なことのように思えた。ついでだけど、73年春に初来日を共に果たしたデヴィッド・ボウイとジェフ・ベックが、帰国後の7月、ハマースミスで共演していた。あのオックスブラッド・レスポールを弾く姿がカッコよかった。この一曲の為にサントラ盤が欲しくなった。こりゃ映画もう一度観ないとだな!
新作「Patient Number 9」が明日発売になるオジー・オズボーンが、NFLロサンゼルス・ラムズ開幕戦のハーフタイムショーでパフォーマンスするらしい。事前収録でも口パクでもいいから元気な姿を見せてほしい。「ROCK CITY」のインタビュー「元気になったら日本に行くから見限らないでくれ」ってメッセージを信じて待ってる。