またも訃報が…先のイアン・マクドナルドといいパイオニアといえる方達が鬼籍に…作品達は決して朽ちることはない。
年末年始の休みに視聴した。記録映像がこうして公開されたことが本当に嬉しい。70年代中学生の頃、テレビやフィルムコンサートで観たあの映画‟Let It Be”から感じた、重苦しく暗い印象、だから解散したんだと思ってしまったあの印象はいったい何だったんだろうと思うくらい、ありのままの姿が記録されていた。名曲の数々が完成していく過程が目の当たりにできた。当時、上野ABABのレコード店で買った2枚組海賊版で聴けた音が映像として観れた。メンバーそれぞれが前向きであろうとする姿は嬉しくもあり、涙も出てくる。何より、楽し気な4人の姿がいっぱいなところがいい。アップル・スタジオでの‟Get Back”セッションは笑顔にしかならない、ジョージが‟Rocky”を弾いている、曲構成について発言し、‟立って演奏しよう!”なんて言ってる。スタジオリハーサルで意見の違いはあって当たり前。その中で、作品を完成させようとする4人の姿に感動した。50年を経て真実の一部を観て楽しむことができた。
“ABBEY ROAD” を聴く。A面、B面があって聴き方が違っていたレコード時代を思い出した。決してシャッフルでは聞けない。アルバム1枚を“作品”として向い合って聴いていたからだ。自分はビートルズ解散直後から聴きはじめた後追い世代で、“サージェント”、 “ホワイト” の次に手にしたのがこのアルバムだった。半世紀も前のアルバムなのに何一つ色褪せることがない。“Something”がお気に入りだ。例にもれず“聖地”アビーロードへ行った時、ビートルズファンなら知っている石坂敬一氏が偶然スタジオから出てきたところに遭遇。当然面識など全くないのに思わず“石坂さんですよね!!”って声を掛けて固まってしまった。“ここまでおいで”と正面扉の階段まで招き入れてくれて、カメラのシャッターを1枚だけ切ってくださった。30年以上前の良い思い出だ。(この頃はまだ、EMI ABBEY ROAD STUDIOSだ)
4月にクラプトンが来日する。久々に観に行くことにした。初リアタイは77年の武道館。この時は観たというより、警備しながら聴いただった。高田馬場にあった事務所に顔を出して、ホワイト・ボードの催し物をチェックし、行ける時に登録する。学生時代、比較的融通のきく警備のアルバイトだった。永ちゃんの初武道館から晴海の見本市まで幅広く誘導整理をした。この時は、初クラプトンより前座の“プリズム”のステージに驚いた。ブリティッシュ・ロック一辺倒が、これをきっかけに、六ピなどのライブ・ハウスで日本人アーティストも観るようになった。とにかく久々の参戦で、今から楽しみだ!!
遂にCD化された。技術の進歩に感謝だ。アナログ盤ではこんな風に聴こえてなかったように思う。歓声が凄く、体の良いブートのように思っていた。ビートルマニアの熱狂だけでなく、演奏もしっかり感じて楽しめるような作品に変わった。