30年前の今頃、クイーンは4度目の来日を果たした。東京ではめずらしく膝くらいまで積もる雪が降っていた。映画“フラッシュ・ゴードン”公開の新聞広告に試写会の告知があり応募したら、来日数日前に20世紀FOXから白い封筒が届いた。当たった~!!今は無き、テアトル東京での試写だった。上映前にフレディー以外のメンバーがやってきた。登場キャラクターが客席を取り囲む中「腹痛でフレディーは欠席です」のアナウンスに、なぜか場内に笑いが起こった。メンバーへのインタビューもほんの僅か。花束贈呈では、薬師丸ひろ子さんが登場すると、会場は嫉妬の叫び声があがった。フォトセッションを終えたら三人は退場し、上映後はすでにメンバーの姿は無かった。あっけなく試写会が終わってしまったのを覚えている。公演は、“監獄”で始まったのはよかったけど、“ブライトン”はギターソロだけになり、過去3度に比べると荒々しさが少なくなってしまった感があった。なんとなく薄っぺらで安っぽいシンセの音が必要以上に大きい音でPAから聴こえた。もう四人での演奏ではなくなった。でも、フレディーの存在感は相変わらずで、“ムスタファ”は本当にかっこよかった。正直、翌年の西武球場を含め、個人的に“ゲーム”,“フラッシュ”,“ホット”からの選曲は、当時はつらかった(今は行ってよかったと思ってる)。“愛欲”,“プレッシャー”が救いだった時期だ。
バンド結成40周年、フレディー没後20年となる今年は、国内レコード販売元が変わり、リマスター盤発売が企画されたりとファンにはたまらない年になりそうだ。このリミテッド盤の曲をみると少し残念かな…。個人的な好みだけど、デモ・別テイク・リミックス物ではあまり嬉しくない。'91突然、外資系CDショップにボートラの入った輸入盤のクイーン作品が並んだときの哀しさを感じた。曲数が少なくても、アルバム未収録のシングルB面曲をフォローしてカタログを完成してもらえればいいのになと思ってしまう。今回は紙ジャケでもなさそうだしチョットなぁ~と言いながら、そこはファンの哀しい性でしっかり予約をしてしまった。ブライアン、ロジャー、いつかバンドを回顧する時期が来たら、その時はファンを喜ばせるカタログを自身の手で完成させてね!!(フィリップ翁ほど熱心でなくていいから)
この時期になると、どうしても“クイーン”を聴きたくなる。もうすぐフレディーの命日だ。クラスの女子に“とにかく聴いてみなよ”と借りて聴いた1stアルバム。雑誌等からのイメージと、楽曲とのギャップがものすごかった。以来、ファンクラブ(渡○プロが運営してた)に入るほど好きになる。修学旅行、京都の新京極のレコード屋で2ndアルバムを買って帰り、親に叱られた。来日公演はかかさず観に行くことに。一番印象に残っているのは“レース”、“捧ぐ”、“ジャズ”をはさんでの3度目の来日。まさに当時のベスト選曲。初めて聴く“ロック・ユー”“チャンピオン”“ゴッド・セイブ”のながれと、同時に天井の三色のライト一面が客席に向いて降りてきた時の高揚感は今でも忘れられない。
“ライブ・エイド”や“ウェンブレー”のDVDを観ていても、この時のことを思い出し目頭が熱くなる。自分にとって、フレディーはいつまでもカリスマ的な存在感だ。
“ライブ・エイド”や“ウェンブレー”のDVDを観ていても、この時のことを思い出し目頭が熱くなる。自分にとって、フレディーはいつまでもカリスマ的な存在感だ。