奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

暮らしと間取りと生活環境をどのように考えるべきか、間取りと暮らしが程よく融合する注文住宅の設計デザインの際に考えるべき水回りの設備への配慮と建築の質。

2023年11月09日 | 住まいの水まわり住宅機器

 

リビングやダイニング、キッチンスペースなどは

間取りの中でプランのメインになる事は多いですが

それだけではなくて家全体で

間取りをどのように機能させるべきなのか?

家全体のバランスと

外構(庭)やエクステリアを含めて

間取りの優位性を考えるように。

プライベートな空間でもあるトイレは、

清潔であることはもちろん、

居心地のよさにも

こだわりたいところです。

また、掃除がしやすい床や壁、

すっきりと片づいた状態を

キープするための収納スペース、

毎日快適に使用するための

トイレの機能など、考えることはたくさんあります。

 

注文住宅を建てるときには、

設置場所をはじめ広さや収納、窓、照明などを

ある程度自由に考える事が出来るからこそ、

どのような空間にするか悩んでしまう

という方もいるのでは?。

毎日使うトイレを快適にするために、

注文住宅での空間づくりの

ポイントについて

少し書いてみたいと思います。

注文住宅を建てる際、

快適で使いやすいトイレ空間を

計画するには、

先ずは以下のポイントを

考慮することが大切です。

 

注文住宅の間取りを考える際に

先ずは間取りとして

「トイレをどこに設置するか?」を

検討する必要があります。

家族が使いやすく、

プライバシーを確保できる場所に

計画することが重要です。

 

生活空間に近くなり過ぎないようにする。

家族の人数やライフスタイルに応じて

複数設置する。

生活動線を考えて

アクセスしやすいようにするトイレは、

流水音や

においが発生する場所となる為、

できるだけほかの生活空間とは

切り離して設置することが

望ましいといえます。

※個室に直接計画するケースもあります。

 

食事をするリビングや音が気になりやすい

寝室の近くを避けることで、

周囲を気にせずに使えるようになります。

※ライフスタイルにより寝室に近く計画する場合は

 防音や臭い対策・扉の対策を調整します。

 

二階建ての場合では

上下階それぞれに設ける事は一般的ですが

平屋になった場合は

一か所になるケースもあるので

よく考える事が大切です。

また二か所と限らずに

実際には3か所、4カ所と

状況を加味して計画する事もあります。

そうしないと

通勤や通学などの

生活時間が同じになる場合には、

朝の身支度や就寝前に

トイレがなかなか使えないと

困ることも。

 

家族の人数やライフスタイルに応じて、

2か所、またはそれ以上に

トイレを設置することも

検討すると良いかと思います。

 

さらに、家族の生活動線を考慮して、

リビングや個室からも

スムーズにアクセスできる場所を

検討するこ事もポイントです。

 

その場合は、

もう一つ独立したトイレを

設置することで

ほかの家族や来客も

気兼ねなく使えるため、おすすめです。

 

広さに関しては一般的なトイレの広さは、

およそ1畳ほどです。

※畳一枚分の広さで0.5坪。

 

手洗いスペースや

収納スペースを確保したい場合には、

1.5畳と少しゆったりめにとると、

圧迫感を感じずに使用できます。

 

場合によっては1坪(畳2枚分)の

トイレスペースを提案する事もあります。

様々な価値観や使い方、

機能のまとめ方もあるので

バランスを考えると

そのような提案となる事もあります。

あまりトイレにスペースを

充てられない場合には、

タンクレストイレ等の中でも

比較的スペースを

広く感じる事の出来る形状もつタイプを

セレクトする事も一つの方法です。

 

タンクレストイレにも

様々な形状があるので、

選択によっては

奥行きに余裕が生まれるため、

スペースを広くとりやすくなります。

 

また、トイレの広さを考える際は、

「便器からドアまでの距離」も重要です。

 

スムーズに出入りして

動きやすくするには、

最低40cm以上の距離を

確保するのが目安といえます。

※個人差があるので間取り検討や打ち合わせの際に

 その都度調整提案します。

 

収納スペースについて

トイレには、

予備のトイレットペーパーや衛生用品、

掃除用品などを

収納するための

スペースを設けることが欠かせません。

意外と忘れがちな部分だと思いますよ。

 

生活感が出やすいモノについては、

扉つきの収納棚を取り入れたり、

蓋つきのカゴに入れたりして

収納することもトイレを

スッキリさせるポイント。

 

収納スペースの設置場所については、

便器や手洗い器の上下に

設けるケースが多いかと思います。

 

収納棚のサイズが大きすぎると、

圧迫感が生まれて

トイレが狭く感じる事もある為

注意が必要です。

 

窓について。

トイレのなかに、

換気や採光のための窓を

設置することがあります。

逆に窓を設置しないケースもあります。

 

窓の見え方や選択、

窓のレイアウトによって

圧迫感が緩和されて、

明るく開放的な空間にもなります。

 

ただし、

窓を設置する際は

プライバシーや音への配慮が大切です。

 

隣家や前の通り、

又はその周辺等から

トイレ内が見えてしまう事が

ないような工夫が求められます。

 

トイレにおすすめの

窓の形状や工夫・・・・・。

窓ガラスをくもりガラス・すりガラス

片板ガラス等にする。

 

外からトイレの内部が

見えないように

床から高い位置の窓や

スリット窓(細長い窓)を選ぶ。

 

窓にカーテンや

ブラインドを取り付ける

等の方法もひとつです。

 

逆に開放感や

外と中のつながりを意識して

坪庭をデザインして「透明」の窓ガラスで

風景を愉しむというケースもあります。

 

照明計画について。

トイレを居心地のよい空間にするには、

照明の色や明るさ、

そしてデザイン性や機能性に

こだわることも重要です。

 

リラックスしたい場合には

オレンジ系の色、

ナチュラルな雰囲気にしたい場合には

昼白色を選ぶのがおすすめです。

勿論LEDの場合は

調光や調色の機能があるので

そういった照明器具を選択する事で

スイッチにより明るさも色も

調整が可能になります。

 

そして明るさや色だけではなくて

照明器具によって

空間の印象ががらりと変わります。

 

これはすべての部屋で共通ですが

天井から吊り下げる

ペンダントライトや

足元を照らすダウンライトは、

陰影が生まれて

おしゃれな雰囲気を演出できます。

 

なお、人感センサー機能付きの

照明器具を選べば、

消し忘れの防止にも役立ちます。

 

「手入れのしやすさ」も重要。

デザインの美しさだけでなく、

手入れがしやすい形状の

トイレや壁紙・床材を選ぶことが大切。

 

組み合わせ便器の場合、

価格を抑えやすく、

部分的な取り換えができるという

メリットがありますが、

凹凸が多いことから、

細かな隙間や汚れを

掃除するのが大変になります。

 

一体型やタンクレスの場合、

凹凸がなく

掃除がしやすくなるほか、

スタイリッシュなデザインで

すっきりと見えるメリットがあります。

ただし、

故障したときの修理や

導入費用については、

組み合わせ便器よりも

高くなりやすいといった

注意点もあります。

 

壁紙・床材の選び方。

トイレで気になりやすいのが、

においや汚れ。

 

壁紙については、

こまめに拭き掃除をするとともに、

機能性壁紙を

使用する方法があります。

 

機能性壁紙には、

汚れ防止機能や消臭・抗菌機能、

防カビ・吸湿機能などがあり、

清潔な空間を維持しやすくなるほか、

掃除もしやすくなります。

 

ただし、トイレ使用時の

習慣などにより汚れやすくなるケースもあるので

防水性が高く掃除のリスクが少ない

パネル材等を

採用するのも考え方のひとつです。

 

トイレの床材は、

水や汚れに強いことが重要です。

勿論価値観によっては

無垢のフローリングを使う事もあります。

ですが、

あこがれや理想だけではなく

毎日の掃除やメンテナンス

デメリット部分に関しても

理解したうえでの採用です。

 

消臭や防カビ加工がされたものや

凹凸がなく

フラットなものを選択すると、

手入れがしやすくなり

トイレ掃除時の作業も

らくになりますし

普段から清潔にも保つことが出来ます。

 

注文住宅を建てるには、

土地探しをはじめ、

住まい全体の間取りやデザイン、

設備、資金計画などについて

すべて考える必要があります。

 

ですがそれらは

これからの暮らしをイメージして

環境を良い意味で

変化させる時間となります。

トイレ空間一つとっても

よりよい暮らしを考えるには

実は色々な可能性を含んでいます。

 

オーダーメイドでつくる住まいとしての

注文住宅の選択肢。

 

理想と現実を加味しながら

自分達にとって最適な暮らしを

丁寧に考えてみませんか?

 

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建築家 山口哲央

奈良県橿原市縄手町387-4(1階)

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