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「東京は、進んでいると聞いて、東京に出て来た。ビックリしたのは、同性愛者と言うことだけで、この東京では、変な風に見られて、一家心中なんてことが目の前で起きた。その時、自分は、この偏見をなくす為に死ぬまで闘わなければいけないと思った。お稽古の月謝が高くて、家賃も払えなくなって、家主さんからとうとう追い出されてしまった。やむなくホームレス生活をしたが、その時の苦しかった生活が、その後の自分の生き方の元になった。自分には、現在しかない。今、いろんなことがやりたいだけ。今の日本、割腹した三島さんが予言した通りの世の中になっている。今、いろんな不正が明るみになっているけど、それは昔もあったこと。むしろ、公になっていることを喜ばしいとするべきだと思っている。世間は、職業や地位や財産や年齢や性別や国籍や器量のいいとか悪いとかで、偉いとか偉くないとか言っている。私は、昔から、そんな表で見えるものではなく、見えないもので評価しなさいと言ってきている。”心の美しい人が偉くて、心のきたない人は偉くない”と、いろんな講演などでも、ずっと叫び続けてきた。血と涙でそれを勝ち取る為に、今まで闘ってきたが、それが今少し認められつつあるかと思うと、嬉しい。私の場合幸いにも、多くの著名人(川端康成、三島由紀夫、遠藤周作など)から人間的に可愛がって頂いた。」と。