日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

ある小児科医の独り言(17)

2009-02-16 16:00:09 | Weblog
 100人小児科医がいたら、100人とも治し方が違っていても、不思議ではない。又、時代と共に、公に使われているマニュアル本の内容も、少しずつ書き換えられている。
 溺れた時の蘇生の方法にしても、昔と今では、教科書的にも、かなり変化している。心臓停止状態だと、「もしもしカメよ、カメさんよ・・・」って感じで頭の中で言いながら速さをよく考えて、1分間に100回の速さで心臓マッサージを(胸郭が3分の1程へこむ感じで)すれば、口から空気を入れなくてもいいんだと言う意見もあるけど。
 鼻水や咳で、鼻水止め(ペリアクチンなどの抗ヒスタミン剤)や鎮咳剤を上げても意味がないとのつい最近の日本外来小児科学会雑誌のある箇所に書かれていたが、私も、全く同感である。むしろ、悪くしているケースが多いんじゃないのかなあ?!細気管支炎で、ペリアクチン+アスベリンで、こじれている例を現に沢山診てきているけど。
 下痢止めも、細菌性の場合は、禁忌となっているが、ウイルス性の場合も、積極的に上げるべきではないと思っている。
 熱も同じで、上げて治そうとしているのに、西洋医学では、逆のことをしている。まず、濡れタオルで拭くとか、薬の前に試みるべき事、いろいろあると思うけどなあ。
 東洋医学では、葛根湯や麻黄湯や白虎加人参湯や桂枝湯や柴胡桂枝湯や小青竜湯や升麻葛根湯や小柴胡湯など、熱冷ましの薬は、その人の証に応じて沢山ある。 
 葛根湯や麻黄湯は、上げると、手足がポカポカしてくる。つまり、人間の生体反応に添って、熱を上げて汗をかかせて治そうとしている訳で、西洋医学と全く逆のことをしていることになる。西洋医学の解熱剤は、下がるべき時に来ていれば、与えると、少し早めに下がるとのことらしい。
 抗生物質も、小児ではしばしば使用されているが、乳児や2、3歳の幼児で、喉が赤くて細菌感染のことは、少ない。学童に多い溶連菌では、腎炎やリウマチ熱などの合併症が起きることがあるが、小さな子どもでは、まずない。抗生剤を与えることによって、インフルエンザ桿菌や肺炎球菌の耐性菌の問題をより深刻にしている(日本での耐性菌率は、世界一)し、腸内細菌のバランスを壊して免疫力を低下させてしまうことになる。抗生剤を使う時は、白黒付けて、抗生剤が明らかに有効と判断して、使うときには、しっかりと使うべきだと思っている。
 外来でありふれた疾患に対して、どう処方すべき、もっと議論が活発になされていいと思います。風邪は、万病の元ですし、風邪の治療を漢方ですると、かなり医療費も浮くとのデータがありますけど。

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ある小児科医の独り言(16)

2009-02-16 11:51:29 | Weblog
 中川昭一財務相が、ローマで行われた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)終了後の記者会見で、酩酊状態で話していた。本人は、「風邪薬を(ローマに向かう)飛行機の中で飲んだ。それが多めになってしまったことが原因。酒も飛行機で飲み、その相乗効果で誤解を招いたのは事実で申し訳ない」と陳謝しているが。
 世界中が深刻な状態で、それも、100年に1度あるかないかの経済的な危機的状態での国際会議の時に、こんな状態で記者会見に臨むなんて、信じられないなあ。
 麻生内閣の支持率は、とうとう、10%を切ってしまった!中川さんを選んだのは麻生総理だが、麻生総理も2カ月に1回は、問題発言を繰り返している。そんな麻生さんが、中川さんに強く出れるのかなあ。健康管理が出来ないと、ちゃんとした政治も出来ないのでは。
 小泉元首相がにわかに注目を浴びてきた。自民党の支持率が少しだが上がっているのだ。小泉さんは、マスコミを使うのが実に上手だ(その点、小沢さんは、極めて下手だが)。マスコミをあおり立て、それを世論にして、今まできている。
 貴乃花が優勝した時、「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」と言った。そして、2001年5月の時の内閣支持率は、何と91.3%にも達していたのだ。
 奇人変人と言われているが、本人は、そう思っていない様だ。今がチャンスだと思って言った感じで、その後、何も言わずにサッとロシアに行っている(20日に帰国するのかな?)のが、その証拠?!
 野党は、小泉さんの再来を恐れている。今の自民党には、選挙に勝てる顔の人がいないのだ。麻生さんでは負ける、そう思っての発言ではないのだろうか。小泉さん、よくぞ言ってくれたと思っている国民は多いと思う。
 ところで、中川さんの酩酊状態の原因の推測とその予防策を私になりに述べると・・・。
 恐らく、抗ヒスタミン剤を飲んで、それにアルコールを服用した為に、増強された為だと思われる。個人差があり、眠気の副作用が強く出てしまっても、何ら不思議でない。風邪症状が強いからと言うことで、量を沢山飲んでしまった感じだが、薬なんて、倍服用すれば倍効く何てことはないはずで、ある一定量を過ぎると、急にガクッと副作用が沢山来て、効き過ぎることが多いはず。それをアドバイスできるちゃんとしたドクターはいなかったのかなあ。又、赤ら顔になっているので、私であれば、即、五苓散+黄連解毒湯を一緒にして服用するけどなあ(顔色が青白い時は、五苓散のみ)。ひどい時には、ブドウ糖点滴って方法もあったと思うけどなあ。

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ある小児科医の独り言(15)

2009-02-16 09:18:56 | Weblog
 昨日(日)の17時過ぎに、新患で、8カ月の男児が熱で来た。金曜から高熱があり、3日目だった。少しピリピリしていると言う。土曜には、他の小児科の医院にかかっている。状況からして、突発性発疹症の感じだ。けいれん止めのダイアップをすかさず使用し(8時間後にも使用する様に言って)、白虎加人参湯を処方した。
 20時前に、他の患者さんが来たので、それで病院の外来に診察に行くと、(遠方なので、心配して)その子がまだいた。顔が赤ら顔で、少しきつそうだ。母親も5月にお産だそうで、とても不安そう。で、採血をして(尿は取れなかったが)ウイルスだと確認した。興奮気味で手足の先が少し冷たかったので、黄連解毒湯+葛根湯をそれぞれ0.66包ずつに生食10mlを注腸した。すると、嘘の様に、穏やかな顔付きになって帰って行った。
 23時前に、又、呼ばれた。新患で、9カ月の女児で、嘔吐下痢がこの日(日)の夕方から始まっている。熱が高いのに、顔が青白い。葛根湯+五苓散をそれぞれ0.5包ずつに生食10mlを注腸し、五苓散のみを処方して、明日来る様にして帰した。
 還暦前の自分にとっては、夜の救急はきついけど、まあ、昔程、自分が一言嫌みを言わなくて診療できるドクターになったかな。


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