日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

ある小児科医の独り言(12)

2009-02-14 15:45:45 | Weblog
 狭い世界にいると、周りが見えなくなる。これは、確かなことかな。オウム真理教の信徒達は、その世界では、通じていたが、一般社会からは受け入れられなかった。それで、尚更、オウムの世界に入って行ってしまっていた感じがする。
 政治の世界にしても、官僚の世界にしても、教員の世界にしても、警察官の世界にしても、公務員の世界にしても、ずっとその世界に入りっぱなしだと、周りが見えなくなるのではと思っている。
 しかし、自分では、長いことそれに気が付かないことが大半なのだ(少なくとも、自分はそうであったし、今も、完全には、それから脱却できていないかも知れないけど)。
 医療の世界でも同じだ。そんな中で、例えば、社会人に一度なったのに、再び、医学生になったり、看護学生になったりして頑張っている人がいる。昔もちょっとはいたが、今は、不況時代の影響か、そんな人が多くなっている。そんな人達は、やはり、現役の人とは意気込みが違っている感じだ。目的意識をしっかり持っているので、人一倍頑張っている感じだ。
 受験の世界に永いこと置かれていると、学歴や学部や学校で、その人の能力を判断しようとついしてしまう。その呪縛が取れるのに、自分の場合、かなりの時間を要した。
 人生80年、今や、いろんな生き方が出来るのだ。10年経てば、それまでに得たものの価値は、半分になるとも言われている。となると、有名大学に首尾良く入学出来ても、40年後の定年の時には、その価値は16分の1でしかないことになる。が、当の本人は、定年後も、過去の栄光にまだ酔っているケースもあるかな。
 人生は、20年×4で、20年で一区切りの人生が、4つあることになる(中には、5つの人もいるだろうけど)。
 初めの20年は、正に、若葉マークの人生だ。
 次の20年は、失敗が許される人生だ。
 3番目の20年は、主に前の20年使って、最も輝いて頑張れる人生だ。
 そして、人生80年の現在は、最後の20年は、人によっては、実にさまざまな生き方の出来る人生になるはず。
 定年後、慎ましやかに年金生活をする人、まだ、仕事をエネルギッシュにする人、ガラッと生き方を変えて他の事に目を向けて突進する人、趣味に生きる人、ボランティアに生きる人、体を急に壊して寝込んでしまう人、いろいろだと思う。
 (記事は、昨年、宮崎小児科医会会報に投稿したもの。今年は、オーストラリアのグラッドストーン市の3つの学校で、太鼓を教えることが既に決まっている)

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ある小児科医の独り言(11)

2009-02-14 08:13:19 | Weblog
 人間って、体ごと経験しないと分からない。身近なモノから学ぶことが多い。沢山の人を集めて、そこで立派な話を、立派な講師から聞いても、モノにならないことが多いと思う。
 平和のことをホントに分かろうとしたら、戦争を経験するしかないが、しかし、広島や長崎の原爆記念館に行ってみると、平和の大切さを少し実感できる感じだ。
 長崎の原爆記念館の人が言っていた、「被害者の中には、被爆当時のことを一切語ろうとしない人、いますよ。思い出したくもないんでしょうね・・・」と。
 人間は、神様じゃないから、間違うことは、仕方のないこと。それで深く反省して、間違いを再び起こさなくなれば、しめたもの。しかも、間違っている人の気持ちも理解できる様になれて、更にいいかも知れない。
 タバコの問題にしても、良くないと分かっているのに、止められないのだ。戦争では、スゴイ数の人がアット言う間に亡くなってしまう。戦争は悪いことだと分かっているのに、してしまうのだ。
 科学技術が発達してしまった時代、広島の原爆、たったの一発で、最終的には、それで30万人近くの人が亡くなっているのだ。一度でも許されない失敗もあるのだ。9・11で沢山の人が亡くなったけど、核兵器を使うと、そんな数では済まされないのだ。
 佐伯市が韓国語講座を開いた時、すぐに私は飛び付いた。韓国の先生(現在、別府大学の教授になっておられる)が教え、最後までいい講義を受けることが出来た。 その生徒の中に、(無農薬、自然栽培を心掛けて)農業をしている○田さんと言う、顎髭をはやした人がいた。彼は、そこでの韓国語の知識で、1人で韓国に行き、それを私達に話してくれた。それを聞いて、私も、1人で韓国に行くことを思いついたのである。それまでは、韓国に付いては、いろんな噂が流れていた。しかし、実際に行ってきた○田さんの話は、私にとっては、強烈であった。
 「韓国、全然危なくないよ、韓国の農家の現状を見たかったんで、田舎に行くと、(こんな田舎まで日本人はまず来ないと言って)驚いていて、とても親切にしてもらった。どこに行っても、よくしてもらったよ・・・。自分の韓国語、通じたよ。講義内容の前3分の2ぐらいまでをしっかりものにしていれば、まず、困らないよ・・・」
 教育では、生きた教材が大切、これに勝るモノはないかな。


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