日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

ある小児科医の独り言(21)

2009-02-18 17:36:26 | Weblog
 夕方15:30過ぎに院内放送で、「緊急ヘリが来ますので・・・」とアナウンスがあった。ヘリコプターが降りる所に止めていた車が、10分過ぎには、殆どいなくなった。で、ヘリコプターが来て、サッと、熊本市内の病院に搬送していった。ドクターも付いてきていた。
 いざと言う場合(循環器疾患のケースが多いが)、院内放送して、ヘリポートに停車中の車を全て移動させ、ヘリコプターが来て、搬送先の病院に無事に届けるまで、上手く行けば、30分前後で可能となる。
 多くの場合、ヘリを使うことなく救急車で行くことが多いが、又、主治医がひどい時には同乗して付いていくことが多いが、一番近い天草の地域医療センターにしても、山道をグニャグニャと行くので、疲れ切って帰って来ることが多い(私も、同乗して行った後、座りこんでいたことが数回ある)。熊本市内に搬送するとなると、天草五橋を渡って、2時間近く掛かることになる。
 地域医療の難しさは、現場を経験した人でないとよく理解できないと思っている。


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ある小児科医の独り言(20)

2009-02-18 09:29:41 | Weblog
 昨晩、23:00過ぎに突如、けたたましく電話の音が鳴った。もう、既に、消灯していて、眠り込む寸前だったのだが。で、当直の先生から、「生後10日目のベビーで血便があるのですが・・・」って感じで電話が掛かってきた。直ぐに行くと、つい最近退院したばかりの当院出産の男のベビーで、元気よく泣いている。顔色もいいし、手足の先も温かいし、特に機嫌が悪いとか、吐くとかと言うこともない。
 で、検査すると、やはり血便。母親が食事を少し変えたそうで、それで、ベビーの便量が明らかに多くなったと言う。鮮血なので、肛門が切れたのでしょうと言って、ケイツーを服用させて帰した。
 祖母と母親が一緒に来ていて、とても丁寧に何度も頭を下げられてお礼を言われた。「スミマセン、こんな遅い時間で、心配なもんで・・・」と言われる。「子どもは、機嫌、顔付き、食欲、睡眠、赤ちゃんの見方は、これ(退院時にも、私が言っているはずなのだが・・・)。熱があっても、吐いても、咳しても、普段と変わりなければ、急におかしくなるってこと、まずないんで、そんなに慌てる必要ないんで」とアドバイス。
 あんなに丁重に頭を何度も下げらて感謝されて、ニッコリされて帰られると、こちらも、起きてきて良かったと思う(当直の先生も、起こしてスミマセンって感じで、気の毒そうにお礼を言われたが)。
 医療費が小さい子の場合、無料になり、時間外でもコンビニ感覚で来ている人も確かにいるけど、こんな親御さんだと、救急医療のドクター達も救われるかなあ。


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