何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

聖母が祈る命の輝きと幸せ

2020-12-10 10:25:00 | ひとりごと
昨日は地久節
皇后陛下のお誕生日

 おめでとうございます

お誕生日のお祝いメッセージなどは、その日にお伝えしてこそなのだが、昨日はいや先週からずっと忙しさと、それに伴う精神的しんどさで身動きがとれず、ついに日を越えての、お祝いメッセージとなってしまった。そんな私の目に飛び込んできたのは、皇后さまの温かいお言葉だった。

<皇后さま57歳、コロナを憂慮  国民「かけがえない存在」> 2020/12/9  00:19 共同通信より引用
皇后さまは9日、57歳の誕生日を迎えられた。宮内庁を通じて発表した文書で、新型コロナウイルス禍で苦境に立たされた国民を案じた上で、「(国民お一人お一人が)幸せであっていただきたいかけがえのない存在であるということを身にしみて感じます」と記した。危険にさらされながら献身的に働く医療従事者を「敬意と感謝の意を表したい」とねぎらった。
天皇陛下と一緒に、生活困窮者の支援団体や障害者施設関係者からコロナが及ぼす影響などについて聞いたことに触れ、「社会的に弱い立場に置かれている人々を支える努力をしている方々の尽力にも、大きなものがある」とした。



国母という言葉には、前時代的な響きもあるし、男児がおられないといことやご病気を理由に「国母に相応しくない」というバッシングに遭われていたこともあり、これまで私は国母という表現が好きではなかったが、今年のお誕生日のお言葉で、国民について「幸せであっていただきたいかけがえのない存在である」と記されていると知り、「国母」という言葉が浮かんだ。

シンクロニシティろいうわけではないが・・・
今日は少し時間ができたので、ワンコの指令(どんな時でも、たとえ少しでも本を読め!)に基づき読んでいると出会った「聖母」という言葉。
 
「常設展示室」(原田マハ)
 
6編の短編集からなる本書は、世界の名画に関わるキュレーターや大手ギャラリーのディレクターにとっての大切な絵とエピソードが連作でつづられているのだが、その三編「マドンナ Madonna」で紹介されていたのが、ラファエロの「大公の聖母」だった。
聖母マリアがイエスキリストを抱く絵なので、「生母」ではなく「聖母」は当然なのだが、母と娘の絆を描いた本編で紹介されていたのが「大公の聖母」だったため、女児であるという理由で,女児しか産めなかったという理由で幾多の困難に遭われてきた皇后さまと敬宮様のこれまでの道のりに、思いを馳せた。
 
大バッシングの最中、長期外国訪問に出発される皇太子さまをお見送りされるお姿に、母と娘の絆の強さと何かとても清らかなものを感じるのだが、この度の「国民お一人お一人が幸せであっていただきたい存在」というお言葉に、物々しい国母でも、血の繋がりだけを重んじた生母でもない、「聖母」を感じた。
 
そんな今日、玄関で咲き誇るシャコバサボテン
 
花言葉 命の輝き
伊勢神宮のおかげ犬のぷりけつはワンコを思わせるよね
先月のワンコお告げ本についても、中途半端なままだし、少し時間ができたら、報告するね、たぶん
 
「今年は,特に命の大切さ,尊さについて改めて深く思いを寄せる年になりました。」というお言葉で始まる 皇后陛下の御誕生日のご感想を改めて拝読し、良い国になるためには、国民一人一人が幸せでなければならないのだと、そのためには命が輝いていなければならないのだと、深く思っている。
 
おめでとうございます

無 二歩

2020-11-30 06:06:06 | ひとりごと
アメリカで初の女性副大統領が誕生することが(ほぼ)確定した まさにその日 日本は、次の世も男性だけで嗣いでいくのだと世界に宣明した。
四年前はまだ頑強だったガラスの天井は、もしかすると思いがけないかたちで打ち破られるかもしれないが、日本は、海外が「女性shine(死ね)社会」と揶揄する方向で突き進むのだと世界に宣明した。
 
(ほぼ)確定した、としか記しようがないのは、敗者が詰んでしまったことを認めないため、未だ混迷を極めているからだが、こちらも時代と民の声を見誤ったまま突き進んでいくので、早晩詰んでしまう。
負けや変化を受け入れるのは、それを認める度量や知恵や品格が必要なのだが、どちらもそれがないので、どうしようもない。
 
そんな醜態にふと、テレビで見たある場面が浮かんだのは、ちょうどその頃、将棋を主題にした本を再読していたからかもしれない。
 
正確なことは覚えてないのだが、タイトル保持者のような棋士に芸能人が挑戦するという趣向の番組だったと思う。
飛車角落ちどころか歩 数枚の棋士と芸能人が対局しているのだが、棋士は困り果てたような顔をしている。
将棋がまったく分からない私は、得意げに多くの駒を動かす芸能人と棋士の顔を見比べ、歩 数枚ではさすがにプロ棋士でも厳しいのかと思ったのだが、そうではなかった。
とっくに詰んでいるのに、芸能人が負けていることに気付かず投了しないので、棋士は困っていたのである。
 
その時子供心にも、負けを知るにも知恵が要ることを知った。
負けを認め、自ら頭を垂れるには、度量と品格が必要なのだと知った。
そうして今は、それが皆無な世のなのだと思う。
 
そんなことを思い出させてくれた、将棋を主題とした「盤上の向日葵」(柚月裕子)
 
『ものを知らないことほど、怖いものはない。
 無知は人に恐れを抱かせるか、恐れ知らずにさせるかのどちらかだ。
 正しい知識を持たなければ、正しい判断は下せない。
 我々はもっと多くのことを学ばなければいけない。
 そうしなければ、日本は駄目になってしまう』(『 』「盤上の向日葵」より)
 
日本は駄目になってしまう
 
私のなかで消えた輝きを思い、思う。
 
『日本は駄目になってしまう』

遠き日の約束 再び

2020-11-20 09:51:25 | ひとりごと
ワンコが天上界の住犬になって、4年と10カ月
16歳になった頃から少しずつ幼児帰りの様子が現れてきたワンコに、
2020年の東京オリンピックを一緒に見ようね、と話しかけていたね
でも、そのオリンピックはついにできなかったよ
(つい先日、延期したオリンピックを実行するという話もあったけど、
 これだけ世界中で感染が拡大しているのに、
 各国まっとうな選考をして、世界の真のナンバー1を決めるスポーツの世界祭典ができるわけないね  
 残念だけど)
 
ほんとにね、
今年 年が明けた時、まさかこんな一年になるとは思いもしなかったよ
 
思いもしないことが起こるのが世の常なら、後悔したくない、と思うのかもしれないし、
このコロナ禍で更に増したストレスを癒したい、という思いもあるのかもしれないけれど、
家人が、又わんこを家族に迎えようと言い出しているんだよ
 
それに対しての私の思い、
ワンコは知っているだろう?
 
今月のワンコお告げ本は、それに対するワンコからの一つの答えなのかな?
でもそれは、私には受け入れられないっていうか、
寂し過ぎるんだよ、
傍から見れば、私の思いは痛ましいのかもしれないけれどね
 
そんな思いに沈んでいると、
先月のお告げ本にあった詩の一節が、すーっと浮かんできたんだよ
 
「ザ・ロイヤルファミリー」(早見和真)
 
サラブレッドという特殊な血の継承のお話しの中にあった詩なので、
確かに特殊な お馬さんのことなんだけど、
ふと頭に降ってきた、この詩の最後の言葉がワンコからの贈り物に思えて、
上手く言えないんだけどね
今月のお告げ本の示すものと併せて、考えさせられるんだよ
 
「ザロイヤルファミリー」(早見和真)より引用
大地をしっかりと踏みしめ
大地をはっしと蹴り
風を分け 光をかすめ
何に向かって走るのか

あるいは美しさへの挑戦とも
あるいは栄光への本能とも
その真意の程を問わんとて
それはそも
遠き日の遠き約束

中略

今こそ新しき命の跳おどり
ふるさとの雪を想い
ふるさとの風を想い
何に向かって走るのか
それはそも
遠き日の遠き約束
 
引用終了
 
 
同じくサラブレットの繁殖を題材にした本「優駿」(宮本輝)に、
「馬は心で走る」という言葉があったけれど、
遠き日の遠き約束が、血統(大層ご立派だとかいうY染色体)だけのことではなく、
心を含むのなら、心をこそ受け継がれていく大切なものととらえるのなら、
ワンコ
ワンコ
 
ワンコ

巡り合い 仕合せ 糸③

2020-09-19 00:03:46 | ひとりごと
コロナ禍で、人との関りを見直さなければならなかった夏。
だからこそ、それでも会いたい人、繋がっていたい人を、改めて考えさせられた。
このクッキーを送ってくれた友人も、そんな大切な人々のうちの一人だ。

『たとえ会えなくても、自分にとって大切な人間と見えない糸で繋がっていると思えたら、
 それだけで幸せだって。その糸がどんなに長くても希望を持てるって。
 だから死ぬまで、その糸は離さない』(『 』「希望の糸」(東野圭吾)より)
 
「希望の糸」(東野圭吾)はワンコお告げの本というわけではなかったけれど、本書の殺人事件の被害者が「巡り合い」という言葉を大切にしていたことや、タイトルに「糸」の文字があったことから、「糸」(中島みゆき)を思い出した。
 
弱ったり怒りに満ちたストレスを感じると、一人でハンドルを握り、ボリュウームを大にして中島みゆきを がなるのが常なのだが、「糸」は知らなかった。
君が、私の横に来て、「糸」を口ずさみ、わざわざ「仕合せ」の文字を書いてくれたのは、いよいよワンコが天上界に行ってしまう覚悟を決めねばならなくなり、弱り切っていた時だった。
ワンコを失うのではなく、我が家に「合う」ワンコと出逢えたことの「仕合せ」に気づかせてくれた、君と「糸」
 

♪縦の糸はあなた
 横の糸は私
 逢うべき糸に
 出逢えることを
 人は 仕合わせと呼びます♪
(♪糸 中島みゆき♪より)

鬱々とすることも多い夏だったが、気持ちが折れそうになる寸前で、いつも現れた救いの手
多くの縦の糸に支えられていることを感じる夏でもあったが、誰かにとって、その巡り合いを「仕合せ」と思ってもらえる横の糸にならねばならないと反省する夏でもあった。

ところで、本書を読んでいると「糸」を思い出したのは偶然ではないように思う。
作者は、かなり「糸」を意図して本書を書いたのではないかと、思うのだが、本書から「糸」を思い出し久しぶりに聞くことができたのは、「仕合せ」なことだった。


見えざる手? part1

2020-09-17 23:18:25 | ひとりごと
この秋で8年となる金魚ちゃんも意気軒高で、毎朝ご飯をあげるのが、朝起きる楽しみの一つなのだが、今朝はメダカちゃんに二世が誕生しているのを見つけ、新たな喜びに沸いている。
春からのコロナ禍で、仕事も人間関係も立ち止まり見つめなおすことが多いこの半年だったが、こと自然との関りでいうと、良い半年だったと感じている。
 
近年あまりに忙しく夏野菜の世話をする時間が取れなかったのだが、緊急事態宣言でリモートやフレックス制度が取り入れられため、庭仕事をする時間ができた。そのおかげかどうかは分からないが、今年は適切な時期に苗を植えることができ、せっせと世話をしたのが良かったのか、どの野菜も大豊作だった。特に、これまでどんなに工夫しても一苗から6~7本収穫できたら上等だった茄子が、なんと一苗から30本ちかく収穫でき、今も紫色も艶やかな秋ナスを幾つも枝につけている。(ちなみに、茄子は3本植えている)
ご近所さんにもお裾分けしたが、ミニトマトは蜂蜜漬けにし、きゅうりや茄子はぬか漬けにし、同じく大豊作だったブルーベリー2キロでジャムを作り、と野菜を育てる楽しさと食べる楽しさを存分に味わった夏でもあった。
 
そうこして過ごした季節も去り、ふと暦を見ると、今日は「玄鳥去」
 
せっかく入学したのにオンライン授業で終わった前期。
君がそばにいると面白く心強いし、
中途半端なハイブリッド授業になるくらいなら、多様な授業が選択できるオンラインを家で受けるのも悪くないと言っていたから、(後期は実験系基礎が対面で行われることも決定している)
準硬式野球部に入り、少しだけ再開した課外活動に参加するため、あっさり下宿にもどってしまったのには、気抜けしたけれど、
私の書棚から、「ハーバード白熱教室講義録 上下+東大特別授業」(マイケル・サンデル)を抜き取り持って行ったことに気付いた時には、
思わず、にやりとしてしまったよ
まさか三年から文系に転向するつもりはないのだろうけれど、それでも、こういう本に関心を示すところが、君なんだろうね
君が興味を持ったことに興味をもち、改めてアマゾンさんで購入したんだけど、
内容も青臭い議論も懐かしく、久しぶりに、読書からいい刺激をもらえて嬉しかったよ
結果的にそんな切っ掛けをくれた君よ ありがとう
ところで本書を開くなり、目に飛び込んできたのが、カントの言葉
 
『行為の道徳的価値は、動機に基づく。
(正しい行いを正しい理由のためにする)』
 
ねぇ君よ
「正しいことをしたければ偉くなれ!」の言葉とともに送り出した君よ
 
正しいことをするために、大いに学べ!