何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

春 遠からじ 

2019-02-16 21:59:47 | ひとりごと
毎年お正月にあわせて御大が仕立てる、松竹梅の盆栽。
その梅が、そろそろ冬の終わりを告げている。


母の実家の家紋が梅鉢のせいか、あの高貴な香りが好きなせいか、子供の頃から梅には思い入れがあったのだが、十数年前から梅というと物悲しさが ついて回るようになった。

梅咲けど 鶯鳴けど 一人かな 

ライオン丸総理が、「党議拘束をかける」とトレードマークの髪を振り乱し、その成立に向け粘った法案が、本丸の裏切りに遭い頓挫した。
8割を超える国民の賛意や有識者の答申を受けた総理の意気込みが打ち砕かれた夜、ぶら下がり記者の質問に答え、総理がひっそりと引用したのが、小林一茶の「梅咲けど 鶯鳴けど 一人かな」だ。

あの時、八割を超える国民の声を信じておれば、各界各層から選ばれた有識者が出した答申に従っておれば、おそらく今の混乱はなかったと思う。

21世紀になるなり、いと高き処が掲げた「日本は女性蔑視でいく」は、近い将来 出産可能年齢の女性が激減するため地方自治体が半減するという未来図を示されても、変わることはなく、やったもの勝ち言ったもの勝ちが大手を振って歩いている。

兄の一世一代の儀式には倹約を迫り プレハブでの神事とあいなるが、自らは10億の仮住まいに33億の本宅改修が「身の丈に合」っていると嘯いている。

「廻る♪め~ぐる~よ因果は」で記した「昨日がなければ明日もない」(宮部みゆき)には、姉が長年に亘り仕出かす不祥事のせいで苦しみ続けた妹の慟哭が記されている。(『 』「昨日がなければ明日もない」より)

『「もう無理です、もうできない」
もうたくさんだ。うんざりだ。力尽きてしまった。
「私を追い詰めている<昨日>は、すべて姉がやらかしたことなのに。私は一度だって自分の昨日を選べなかったのに」』

そんな妹の嘆きに掛けられる言葉は、真実ではあっても、辛く切ない。

『どれほど辛い過去だろうと、それはあなたの歴史です。
 昨日のあなたがあってこそ今のあなたはあり、あなたの明日があるのです。
 受け入れて前向きに進まなければ、幸福な未来への道は開けません。』

かのキャプテンハーロックは「人が人として最も醜いのは、他人を踏みつけにして、自分を立てようとする時」と云っているが、身内にそれをされるほど、物心ともに辛く堪えることはない。
それを、いと高き処が見せつけることほど、民の道徳心に悪影響を与えるものはない。

一旦受け入れることは重要かもしれない。
受け入れたものを熟成させる時間も必要かもしれない。
だが、不適切な状態で放置しておけば、時間をかけて根こそぎ腐ってしまうということを、様々な国の言葉や宗教は教えているのではないだろうか。(「廻る♪め~ぐる~よ因果は」

新しい時代を前に、幸福な未来への道のために前向きに進まなければならない時が迫っていると思っている。

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