フォークソングからニューミュージックへ。
フォークの流れを変えた一人がユーミンだと思う。
あの頃のフォークシンガーは、ジーパンによれよれのTシャツ。
あがた森魚さんは下駄を履いていた。
それが格好いい時代でもあった。
あ、ちょっとおしゃれなグループもいたか。ガロ。
このファッションを変えたのがユーミン。
2ndアルバム「ミスリム」。
ジャケット写真は、黒のドレス。
ピアノの前で坐っている姿はおしゃれである。
ジーパンは穿かないないと言っていた記憶がある。
歌のイメージも変えてしまった。
その代表曲が『ルージュの伝言』
♪あのひとのママに会うために
今、ひとり列車に乗ったの
たそがれせまる街並みや車の流れ
横目で追い越して
あのひとはもう気づくころよ
バスルームにルージュの伝言
浮気な恋をはやくあきらめないかぎり
家には帰らない
不安な気持ちを残したまま
街はDing-Dong遠ざかってゆくわ
明日の朝ママから電話で
しかってもらうわ MY Darling
あの頃のフォークソングに「ママ」という言葉はなかった。
母やお母さん、おふくろであった。
グレープの「無縁坂」
♪母がまだ若いころ・・・
吉田拓郎さんの「ふるさと」
♪おやじをを愛し おふくろを愛し・・・
海援隊の「母に捧げるバラード」
井上陽水さんの「人生が二度あれば」
「ママ」という言葉は使われていない。
「バスルーム」
四畳半フォークソングでは風呂はない。
かぐや姫の「神田川」
♪二人で行った 横町の風呂屋
この『ルージュの伝言』が収録されているアルバム「コバルト・アワー」
ジャケットも斬新なデザインである。
上部に描かれているハートからロケットが飛び出すイラストは
新たな時代への幕開けを感じた。
「コバルト・アワー」を聴くたびに思う。
フォークからニューミュージックへ。
この流れを作ったのは、やはりユーミンだと。
松任谷由実 - ルージュの伝言 (松任谷由実 CONCERT TOUR 宇宙図書館 2016-2017)