葉室さんの本『柚子の花咲く』を読んだ。
江戸時代の村塾の教師の死から始まる、
ミステリーのような小説だが、
真っすぐな恭平の、
身を捨てて仁をなす姿。
「義を見てせざるは勇なきなり」が、
スカッとして美しい。
教育は一朝一夕ではなされず、
柚子の花が咲くように時間がかかる。
九年で咲くという柚子の花。
我が家には柚子の鉢植が三つあるが、
一鉢は自分で種を蒔いて育てている。
5年目くらいになるかな。
これからは、
この柚子の木を見るたびに、
主人公の恭平や、
その師であった与五郎、
そして琴やおよう、
村塾の律儀な子供達のことを思い出すと思う。
つわぶきさん本のご紹介ありがとうございました。
葉室さんの本で読んだのは20冊程度。
まだ沢山の作品が手招きしてます。
♡
ところで、
葉室作品を読むには旧暦で読んだほうがいいと、
アナザンさんからお聞きしました。
『柚子の花咲く』の出だしは、
宝永六年(1709)六月、蒸し暑い時期のことだった。
だが、
今の暦(明治6年より新暦)で想像してはいけないのかも。
旧暦だと新暦6月ではなく、
7月のことになる。
すると、
辺りに漂う空気が少し変わる。
アナザンさん貴重なお教えを有難うございました。
♡
なお先日のネットに、
以下の記事がありました。
福島市の福島東高教諭の日高郁子(ひだか・いくこ)さんは、
担任する最後の卒業生を送り出した翌日の今月二日、
六十年の生涯を閉じた。
定年退職までの最後の一年間、
がんに侵されていることを周囲に知られぬよう気丈に振る舞い、
教壇に立ち続けた。
絶対に卒業証書を手渡す-。
体調が優れない中でも式に臨み、
担任する三年七組の四十人と喜びを分かち合った。
ご立派な先生ですね。
教え子達の心にいつまでも残るでしょうね。
合掌
昨年購入の一才柚子。
接ぎ木になってます。
自分で実を蒔いたものより幹も太いです。