(表紙は「鶴の恩返し」覗き見場面)
本の紹介は以前したけれど、
読了したのでまた書いてみようと思う。
この本には北山修さんが九州大学で心理学を学ぶ学生たちにした、
最後の授業(2010年1月18日・2月25日)と、
同年2月28日に行われた講演会及び、
前年に行われた特別講演会とが掲載されている。
副題の「心をみる人たちへ」向けた様々な倫理事項なども書かれていて、
北山さんは臨床心理学の治療者になるつもりならば、
メールやチャットで気軽に患者さんのことを語り合わないでほしい。
パーソナルなことを、
インターネットに流さないでほしいと言われてる。
不特定多数の心を取り扱う、
テレビをはじめとするマス・コミュニケーションに対して、
私たちは一人のパーソナルな心を取り扱う専門家であること。
このことを強く意識して仕事を全うしてほしいと!
若き日に、
ザ・フォーク・クルセダーズの一員としてテレビ出演したために、
北山さんは医師になっても様々な苦悩があったようだ。
本人だけでなく家族や患者さんまでもが、
マスコミにつけまわされたり追っかけまわされたり、
インタビューされたりして。
だが、
この本の中で言いたいと思われる北山さんのことを書こうとすると、
間違いが生じそうだ。
精神分析・無意識・深層意識・フロイトのこと・表と裏…
興味ある方には本を読んでくださいとおすすめして、
北山修さんの言葉の断片を紹介しましょう。
私は、ここで心を見て、診て、看て、
数十年経ち、
先日の退職を契機にして、
後進に伝えたい「心をみる方法」もここでまとまり一区切りついたようだ。
今その全体を要約するなら、
音楽を母親に科学を父親にして生まれた心の物語であり、
それがゆえに私的で現代的であり、
もちろん生きている限りはこれから後もまだ続くかもしれぬ。
講演会の最後に聴衆に語り掛ける言葉。
生き残っていきましょう。
私は去りますけど、これが最後じゃないです。
またどこかでお目にかかれることを願っています。
皆さんどうぞお元気で。
長く生き残りましょう。
青春時代の歌仲間二人を亡くし、
心の病で苦しむ人たちを多くみてこられた、
北山さんらしい締めくくりの言葉だと思った。
(中央がザ・フォーク・クルセダーズ当時の北山さん)
プラタナスの枯葉舞う 冬の道で
プラタナスの散る音に 振り返る
帰っておいでよと 振り返っても
そこにはただ風が 吹いているだけ
(北山修さん作詞の「風」より)
前回も書いたけど何だか懐かしい。
私も故郷の仲良し三人組の二人を亡くしている。
私だけが生きてる不思議。
北山さん、どうか、
はしだのりひこさん加藤和彦さんの分まで長生きされて下さい。
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