ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

S.Yairi YD-75N ナット作成

2009年04月13日 | ナット・サドル作成・調整
S.ヤイリYD-75Nをお預かりしました。中国製です。サイドバックはサペリと思われます。

ネックは逆ゾリしているわけではないのですが、弦高が低くビレが激しいため、ナット・サドル共に交換することになりました。

オリジナルのナットは、牛骨です。せっかくですが、溝が深いため交換


取り外してスロットをクリーニングし、新しい牛骨に幅と高さをレイアウト


幅を出す時は神経を使います。ドンピシャの幅で切り出すと、ペーパーで磨いた時に微妙に短くなってしまうので、ほんのわずかにはみ出すくらいに切り出すのがコツなのです。


1・6弦の位置をレイアウト。指板のエッジからの距離は、1・6弦それぞれ1/8インチ・3.5ミリです。
 

1・6弦間の距離からゲージの太さを引いた値を5等分することで、各弦間を均等な距離に設定します。1・6弦間の距離は1.370"、エクストラライトゲージを張っているので、
(1.370"-0.014"-0.022"-0.030"-0.038")÷5=0.2532"
という値(*)になります。


(*)弦間の距離に関しては、こちらの項目もご覧下さい。

弦の位置が決まったところで調弦し、ロッドの調整をします。ネックが反った状態で溝を切ってしまうと、正常な状態にした時に不都合が生じてしまうからです(順ゾリの場合は深くなり、逆ゾリの場合は浅くなる)。

ちなみに、このロッドナットのサイズは5/32"。国産の場合は5ミリサイズのものを使うことが多いようです。

そして溝を適正に切って


高さを調整し、磨いて完了です。


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