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太陽の恩恵

2008-09-18 12:50:17 | ThinkAbout..


E11 ビヨン・ダンカベックの故郷スペイン・カナリア諸島。
ウインド・サーフでも有名なテネリフェ島でソーラー・パークが誕生する。
住友商事が手がけた巨大プロジェクトで、そういった太陽光発電の施設建設が、
欧州をはじめ多くの国で加速度的に増えている。

背景にあるのは、各国政府による電力の固定価格の買い取り制度で、
最近この価格が引き上げられた事でさらに設備投資が進んでいるようである。


太陽電池とは、もともと日本が世界の先陣を切って動いたことから始まった。
太陽電池は本来日本が名実ともに世界をリードした分野である。
背景にオイルショックがあったからだ。
しかし、市場環境がガラリと変わって、シャープや三洋、京セラなどは、
新興メーカーである海外のQセルズやサンテックなどにその場を奪われることになる。

それはなぜなのか、ビジネス雑誌にも書かれていた。
主流の結晶系太陽電池にはシリコンを使用する。
日本メーカーはシリコン調達に失敗したのも首位転落の理由の一つということ。

シリコンは高価なのだが、作れば売れる太陽光発電。
そのシリコン自体が無かったのだから、というわけである。

当然、その失敗以降、シリコンに着目される。
薄膜太陽電池の開発である。

従来のシリコンの塊をスライスして作る工程から、
ガス状のシリコンをガラス基盤に積層する工程に開発変更した。
原理は液晶テレビと同じで真空技術を要する。

これによりシリコン使用量が100分の1に減り、
つまり量産が成功すれば大幅なコストダウンに繋がるというわけである。

現時点で、結晶系太陽電池メーカーは全世界で200社を超える。
評論家によると、200社が淘汰されるのはあっという間で、
その中でも品質問題をクリアできないメーカーは生き残れない。
誰が考えても当然ではある。


この品質問題がクリアされると、太陽電池パネルはまさに紙幣のように
製造装置から弛まなく出てくる。
この品質問題は、製造装置メーカーが握る。
なぜかというと創業ほやほやの太陽電池メーカーなどは、
『太陽電池は簡単』とサラリと言ってしまうが、その裏側には
プラントごと販売してしまうという装置メーカーの技術支援があるからなのだ。

この世界が着目するビジネスは、
環境側面にも投資家にも興味があるところである。
この市場の臨界点は2010年で、そこから本格的な市場競争が始まる。
これに関連する産業は、営業や流通やソリュージョン開発まで多くが飛躍する。
先日、HONDAからメールマガジンの配信があったが、
車メーカーでさえ住宅用の薄膜太陽電池の販売を目論んでいるのがわかった。

つまり、まだまだ専門知識が一般的に薄い状態なので、
人より知識を得れば個人的にも大チャンスありというわけである。