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6月26日(土)
全日空1409便沖縄行きに登場した。
確かに登場したが、搭乗した。
2F席の窓際に座った。
2Fってあまり座席数は少ない。
だからキャビンアテンダント(CA)は2名。
CAはいろいろである。
かなりご年配の方もいらっしゃるし、容姿もさまざまである。
恐らく身長は規定があるんだろう。ほとんど160センチ台だと思う。
体重も自己管理するよう厳しいかもしれん。
デブとかいない。
スタイルもだいたい良い。
それから、いかにもサーファーのような黒いのはいない。
体調が悪いような病弱チックなのもいない。
つまり、ほとんどが平均点をかなり上回る。
あとは、顔の好みと、自然な振る舞いである。
この自然な振る舞いがオイラのチェックポイントである。
搭乗口で『いらっしゃいませ』『お待たせしました』と彼女たちは客を向かい入れる。
オイラは必ず『こんにちは』という。
何度も乗ってると、機械的にマニュアルどおりの仕事をするCAはとっさのオイラの挨拶に返せない。
『こんにちは』とはっきり言う客が少ないのだろう。
しかし、その1409便の2Fの山本さんは、オイラの目をちゃんと見て、『こんにちは』と言った。
その瞬間、オイラは彼女のネームプレートを確認した。山本さんである。
レストランで水が運ばれる。
ウエートレスやウエーターに、はっきり『ありがとう』といえる娘である。
これはとても点数が高いのだ。
とにかく彼女は美人で目が良かった。
いやー性格いいだろうな、というのは目以外にない。
でもって、いい女の条件は目力もあるのかもしれない。
目で男を殺す、という女はあまりいない。
そう感じることができるのも男40を越さなければ無理なもかもしれない。
彼女に対し、『あ~っふ~ん!』と思った決定的瞬間は、指差し呼称である。
客がシートベルトを締め、ドアロックの確認を行ったあと、
CA同士が何とかヨシ!といって指差し呼称をする。
それが全て済んだ後、親指を立ててOKサインをするのだが、
その親指にオイラのハートはダブルフォワード完璧着水した。
親指を立てると同時に彼女はニコッと微笑み、肩を少しすぼめた。
このシグサは何なのだ!とオイラはブーゲンビリアが咲き乱れる心の中で絶叫した。
彼女が家で、鏡の前で練習したわけではない。自然に出てるシグサなのはよくわかる。
理由は無いが、そういうのはダテに歳食ってないのでよくわかるのだ。
オイラはシートが窓際なのをスゲースゲースゲー悔やんだ。
もし、オイラのシートが通路側なら、
わざとケツを触る、 しないって。
彼女の足を引っ掛ける、しないって。
オイラは窓際で彼女が気になりしょうがない。
そういうテレパシーは伝わっているのか、彼女とたまに目が合う。
『いやー、はんずかすぃー!!』
CAと機内で普通に話す機会などなかなかできない。
オイラは瞬時、愛犬のラッキーを連れてばよかったと後悔した。
『可愛いワンチャンですねー』といって、それがキッカケになるとマジで思った。
いや、犬を機内には連れて来れませんのですな、当たり前ですが。
オイラは沖縄への2時間半、真剣に彼女とキッカケを作る作戦を考えた。
機内で一睡もせず考えた。
昨夜、会社の飲み会で飲みすぎ、ちょいと具合が悪かったが真剣に考えた。
いい作戦を考えついた。携帯作戦である。
シートに携帯を忘れる。
機を出てから数分後に、もう1台の携帯からワザと忘れた携帯に電話をかける。
『今、自分の携帯に電話してるんですが、それは窓際のシートにありましたか?』
『はい、確かに45Aの席にございました。グラウンドに届けておきますのでご心配なさらずに』
『助かりました。ありがとう。あの、あなたのお名前は?』
『はい、山本です』
『あ、あの親指トム子さんですね!』
『はっ????』
『いや、なんでもありません。とにかくありがとうございました。
いま、機材到着でお忙しいですよね。お礼をしたいのですが、あなたと連絡の取りようはありますか?』
『とんでもございません。そのようなことお気になさらずに。』
『そうですか、、、もう羽田に帰りですか?』
『今日は、沖縄ステイで、那覇市内なんです。ANAのラグナガーデンです。』
『では、もしミラクルな機会があればお礼しますね。ありがとう。』
『本日はご搭乗ありがとうございました。』
夜、ラグナガーデンのバーにて
『よくホテル教えてくれましたね』
『Tシャツ&短パン、ヒゲヅラ、褐色の方ってあまりご搭乗されませんから。
ビジネスマンが多いでしょう。ちょっと気になっていました。』
オイラは心の中でガッツポーズを取るのであった。
というシナリオを考え、飛行機は那覇に降り立った。
空港の外は熱帯で、やさしいカーチベイが迎えてくれた。
山本さんは南の空に浮かんだ純白の雲のように、
そしてしばらく経つと南風に吹き消されていった。
オイラのスカイドリームであった、、、とさ。 おしまい。