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海の日の7月19日。
またまた吹いた。 しかしよく吹く。
先週から吹かない日は1日だけだったのではないだろうか。
その海の日、南南西で風速はアップダウンの繰り返し。
そしてそのミラクルタイムがやってきた。
3時くらいだったかな、完璧な南西にシフト。
西南西と南西の間の、西南南西だったかもしれん。
5.7オーバーで、見晴らし台前だけムネ。
ひっさびさにちゃんとフロントに振れた。
しかも沖から育つウネリに合わせ波乗り開始。 リップ返すこと3発。
インサイドにはサーファーがひしめき合い、見晴らし台には多くのギャラリー。
オレ、今、みんな見てね?? と一人勘違いのパーク劇場。
その風は30分持たなかったが、そのためだけに出ても充分価値のアル内容でげすた。
さて、そのときのオイラは裸。 裸で乗るやつは結構多い。
その風景は他のゲレンデで乗る機会の多い人にはいささか異様に感じるらしい。
例えば鎌倉や逗子では、センスのよいタッパーやラッシュに、これまたニューモデルのナイスなトランクス。
都内から通うウエーバーが多いので、ビーチは都会的センスなウエーバーに賑わう。
かたや、茅ケ崎では近所に住むイナカオヤジが集まってくる。
上半身裸なのは、ただ暑いと言う理由と、
街中でも上半身裸が許される茅ヶ崎のおかしな風潮のせいである。
タッパー着てる人も、それはとてもオーソドックスなものである。
そんなファッションに気を使わないローカルの中で、ひときわ目立つファッションの人がいる。
名づけて『茅ヶ崎百姓一揆スタイル』『ベトナム風ヨサコイ節野郎』『セイルアップ姿はまるで田植え』。
その異名を持つ男の名は『ヤマチャン』 本人の名誉のためYチャンにしておこう。
Yチャンは麦藁帽子である。
それは微風ならなんとなく納得できるが、5.7ビンビンオーバーでも麦藁帽子である。
正面から迫ってくるYチャンの麦藁帽子のツバはセイルのリーチと同じようにバタバタいっている。
オイラだってオーバーで真剣に乗っているのに、その麦藁帽子ツバオーバーが視界に入ると爆風爆笑モードにはいってしまう。
しかもだ! ヤマチャン、あ、本名言っちゃった、もとい、Yちゃんはライジャケをつけている。
そのライジャケが防弾チョッキに見えるため、麦藁帽子とあわせ、
ベトナムの農家の人たちに混じりスパイ活動をする茅ヶ崎製ランボーのように見えるのである。
しかもYチャンはいつもニコニコしてる。 腕は太くまるでランボー並だ。
そのアンバランスさが、そのファッションとあいまって、不気味なポテンシャルを感じさせざるを得ないのだ。
麦藁帽子というユルサの中に、絶対に生還する!という強い信念が表れる防弾チョッキ、じゃなくライフジャケット。
母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね?
ええ、夏、碓井から霧積へ向かう途中、
渓谷へ落としたあの麦藁帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのときずいぶんくやしかった。
だけどいきなり風が吹いてきたもんだから。
『西条八十』帽子