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先日、愛犬ラッキーと散歩してた時のことだ。
新湘南バイパスの高架下の歩行者用道路がオイラとラッキーのフェイバリットロード。
ラッキーはそこでオシッコしたりウンチしたり回ったり跳ねたり、
オイラもそこで跳ねたり回ったりする。
その歩道と並行して車道が通る。
黒いレクサスが信号待ちで止まっていた。
髪の長い美人な女が運転席に乗っていた。車には一人。
彼女は非常に真剣に一心不乱にハナクソをほじっていた。
オイラは高速の欄干の陰から偶然に発見してしまった。
鼻の奥の方にとても硬いものがこびりついてたのか、かなり深くまで指が入っていた。
オレなら鼻血でるだろうな的な勢いだったのだ。
女性のタイプは小雪っぽく、カウンターで一緒にハイボール飲みてータイプ。
清楚な白いカットソーにしかも黒いレクサス。
お金持ちの素敵なお嬢様に違いないが、ハナクソゴリゴリではいただけない。
(確かにいただけないが、まあミンナしてることだからな)
彼女からすると、ちょうど歩道と車道の間に高速の欄干があったため
彼女は死角になってると思いこんだのだろう。
そして彼女はホジホジに夢中になったため、周囲に気を遣わなかった。
彼女は全神経を鼻の奥と指先の2極間に充てる。
鼻の粘膜から石と化したハナクソが彼女の磨き上げられたネイルの先にカリカリと引っかかる。
それはやがてカサブタのようにメリメリと剥がれる。
一気に剥がすのが少しもったいないくらいだ。
気持ち的にはゆっくり剥がしたい。しかし、信号はやがて青になる。
そのハザマに小雪の心は揺れる。
彼女のプルメリアのペイントアートが施されたネイルと指の間に、
硬いのだけど少しだけ先っちょは粘性を持っているその物体はくっついてきた、ように見えた。
そして彼女はレクサスの横をシゲシゲ見ながらゆっくり歩くオイラを発見した。
オイラは相変わらず、短パンにまっ黄色のタンクトップにビーサンで真っ黒日焼け。
かたや、真っ白、清楚な小雪。
どっちかというと、オイラがハナをほじってる方がデフォルトでくある。
彼女は人気を感じ、横を見た。
オイラと目が合った。
そして言葉では表現できないくらいのバツの悪そうな表情をした。
昔、公衆トイレから出てきたミニスカートの若い娘が、多分急いでパンツを上げたんだろう、
パンツのケツサイドの中にミニスカートが入っていたという凄い光景を目撃した時がある。
そのミニスカパンツケツ入れ女はオイラの視線に気づき、
顔から火を出しやはり表現し難い表情をしていた。
そのときの女と小雪は同じ表情をしていたなあ。
小雪がオイラと目が合い、苦し紛れに指についたハナクソをオイラに差し出し、
『おひとついかがですか?』
と訊ねてくれたらオイラは恋に落ちるでしょうか?
オイラは、『えええ!いいんですか!いただいちゃって!』
と返せるだろうか?
彼女は青信号とともに、シグナルグランプリのように、国道1号線をすっ飛んでいた。