思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
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1か月が過ぎて、でもまだ春は見えません。

2018年02月14日 | 日記
Fはずっと微熱が続いています。

微熱といっても38度以上、時には38.7度もあったりします。

もっと気がかりなのは、やはり意識が戻ってくる兆候がまだ感じられないこと。

手足は動かないし、声も出せない状態です。

熱があまりなくて調子のいい時は、顔の前でスマホの画面など明るいものを左右に動かすと、眼で追ってくれますが、まだ見えているとはいえません。

聴覚も、声によく反応するときとそうでないときがあり、聞こえていても本当に意味を理解しているかどうかはわかりません。

以前HCUにいた時、私や娘が声をかけると心拍数や血圧の数値が上がったので、わかってくれていると思っていましたが、一般病棟に移った最近は、そんな反応も確認できず、自信が無くなりました。

ICレコーダーの音声で働きかけても、反応するときとしないときがあって、一様ではありません。

ただ、右の腕や手のひら、二の腕を撫でるとはっきり反応します。

ウトウトしていても触るとパッと眼を開けるので、感じていることは間違いありません。

14年前の、左側の脳出血の時は、右半身は全く無反応でした。

それと比べたら、今回は右側の出血なのに左手や足が反応しているので、完全に脳とのつながりが切れたわけではないと思っています。

でも1か月を過ぎた今、それ以上の進展がないので、それもただの希望にすぎないのかとぐらついてきます。

そして今日、いつもの時間に病室に行ったら、担当の先生に改まった様子で「お話しがあります」と声をかけられました。

ドキッとしました。絶対いい話なわけはありません。

避けるわけにはいかないので、まさに「俎板の上の鯉」の心境で先生のもとに行きました。

胃瘻手術の打診でした。

Fは以前から、自分の父親が、Fと同じ病気(というか、Fが父親から遺伝性の高血圧体質を受け継いでいたのですが)で長期間寝たきりになっていたのを見て、胃瘻と人工呼吸での延命は絶対嫌だといっていました。

私もそれは知っていたので、先生からその話を切り出されたときは本当にショックでした。このまま咀嚼機能が回復しなければいつかは来るとは思っていましたが、まさかこんなに早く?とも思いました。

先生は栄養摂取の方法として、もちろん現在のように鼻からチューブで胃に流動食を流し込む方法を続けることも可能だが、先のことを考えると胃瘻も検討してほしいということでした。

そして、今回胃瘻の検討をお願いするのは、(Fが嫌がっていたような)消極的な延命治療の一環としてではなく、今後もリハビリも継続するし、口から食物や水分を取れるようになったら胃瘻もやめられるので、積極策として考えてほしいとのことでした。

また現在の鼻のチューブでの栄養摂取は、チューブが口から食道を通って胃に入っているので本人の負担にもなっているということもわかりました。

そして先生は、今後も病院としてリハビリを続けるが、それでも身体機能に改善がなく、口からの栄養摂取が不可能であった場合、自宅での介護や施設での介護いずれを選択するにしても、鼻からのチューブより胃瘻のほうが安全に容易に介護できるといって、話を終えました。

最後に、まだ少し時間があるので、これからいろいろ相談されてから結論を出してほしいといわれました。

先生の説明はよくわかりました。

でも、そうはいっても、やはりこれは難しい話です。

私はまだこれからよくなってくれるだろうと淡い期待を抱いていた矢先だったので、厳しい現実に直面して、また落ち込んでしまいました。

病室に戻ってFの寝顔を見ていたら、最近とみに弱っている涙腺が一気に崩壊しそうになりました。


暗澹とした気持ちで帰途につきました。


ガレージを出て、家に入る前にふと玄関わきを見たら、紅梅が一輪、咲いていました。


落胆した私をFが励ましてくれているようにも思えて、しばらく梅の花に見入ってしまいました。

コメント (2)
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