雪組は我が家ではずっとスペシャルな組でした。前に書いたようにターコとモック以来贔屓の組でしたし、衝撃作エリザベートの初演もあり、他の組とは違う親しみを感じてきました。
でも、一路真輝の退団以後ぐらいから少し距離を感じてきていましたが、音月桂のトップ就任以来またひさびさに雪組も注目するようになって、私たち夫婦では最近には無いことですが、「ドンカルロス」についてはリピートするなど、星組とともに贔屓な組になっていました。
そんなわけで先日の退団発表を聞いて寂しかったですね。
音月桂は最近の男役ではあまり背の高いほうではありませんが、若者役がよく似合うさわやかな風貌と、それに似合わず力強い歌声、確かな演技力が際立っていましたね。最近少なくなった組生え抜きのトップというのも良かったです。
相手役の舞羽美海もピッタリのキャラクターで、歌劇団がロミジュリで一時ジュリエット役をダブルキャストにしたりで娘トップ正式決定を遅らせたりしたのが理解できないほどいいコンビでした。
で、今回の千秋楽のニュースですが、いい感じでした。
まず音月桂が大階段を紋付き袴で降りてきたこと。大劇場では確か黒燕尾だったと思いますが、やはり退団には紋付き袴が正装だと固く信じている(笑)私たちはそれを見てガッカリしたものでした。でも東京宝塚劇場では、ちゃんとその正装を着けて降りてきたので好感度大幅アップです!(笑)
次に注目したのは挨拶です。期待にたがわず、ありがちな「お世話になった人列挙パターン」(笑)ではなく、オリジナリティのあるいい挨拶でした。
「空から舞い降りる雪の結晶の一つ一つは小さいけれど、それが降って降って降り積もって一面の銀世界となります。それは私のタカラヅカ人生そのものです。一人では何もできないけれど、みんなで力を合わせて作り上げてきました。」という語り出しでの挨拶はなかなかのものでした。
ただ最後に男役のセリフ声で力を込めて「宝塚雪組 音月桂本日をもって退団いたします」との言葉で挨拶を締めくくっていましたが、これは力みすぎな感じでちょっと聞いているこちらのほうが恥ずかしくなりましたが、全体としてはいい挨拶だったと思いました。
その前の舞羽美海の挨拶も良かったです。
彼女らしく宝塚が好きで好きでたまらないという気持ちがよく出ていました。
スカイステージの番組に「アイ ラブ タカラヅカ」というのがありますが、そこに雪組の他のメンバーと出演していた舞羽美海のタカラヅカ・フリークぶりが何とも可愛らしく、「本当にタカラヅカが大好きなんやね」とヨメさんとほほえましく見たものでした。今回の挨拶では音月桂への感謝も述べていましたが、後の挨拶で音月桂もまた共演する舞羽美海の笑顔にいつも励まされたと答えていたのがよかったですね。
本当に爽やかないいコンビでした。
二人並んで立っていた時に舞羽美海が涙ぐんだのを見て音月桂がその涙をぬぐってあげていたのもほほえましかったですね。
サヨナラショーではそれまで彼らが演じてきた主な役どころを紹介しながらのショーになっていました。
本当にもう一度観てみたいと思いました。
(以下千秋楽のニュース画面を撮影したものから順不同で)
いつまでも続くわけがないとわかっていても、爽やかないいコンビだったので、退団は本当に残念です。
それと、千秋楽に退団するトップを引き継ぐ相手が居合わせないというのも歌劇団としては不手際でまずかったですね。
元のはTOTO製ですが、ホームセンターで売っていたのは補修用品専門メーカーのものです。4,800円程度でした。これにはフロートの浮玉とサオと呼ばれる棒は付いていないので、元のものを再使用します。
タンクの蓋を外して弁部を見たら、ポタポタとしずくが落ちています。
放置しても良くならないので、交換開始です。
でも、作業の前にトイレ内の止水栓を締めようとしたら固着していて、何をしてもビクとも動きません。
仕方がないのでメーター横の元栓を閉めて水を止めました。そして水を流して
既設のボールタップを外します。
新しいタップに古いフロートを移植しました。
でも古いボールタップから手洗いホースが外れないので、元の部品ごと新しいほうにこれも移植しました。
そのあとは外した手順のとおり組み付けて作業完了。
水漏れもなくなってよかったのですが、念のため元のTOTOのボールタップの弁体部を分解してみたら、なんと調整可能な構造に見えました。
白いプラスチックの部品をずらしたら弁の位置が調節できるようになっているのです!これで微調整したら良かったようです。
ガックリでしたね。今までの私の乏しい経験では、この箇所が調節できるものにはお目にかからなかったので、交換しかないものと思い込んでいました。
20年以上前のバブル期のものなので、けっこう凝った構造になっていたのですね。いや今でもこういう構造が普通なのかもしれませんが。
ただ、真鍮?製のバルブ部の先にあるネオプレンのようなパッキンは摩耗していたので、調節しても完全に水が止まったかどうかは定かではありません。
と負け惜しみですが自分に言い聞かせて(笑)、作業を終えました。
その後一階部のトイレを調べてみたら、ここも同じボールタップを使用しているので、ここが漏れ始めたら弁体部の調節で止まるかどうかまず試そうと思いましす。
外した部品も保存することにしましたが、次に不具合が出るころまで私が生きているかどうか。(笑)
今回の教訓:
修理や部品交換の際は、まず現況をよく観察して、調節できるか否か調べて見ること。
(2012.12.27)追記:
後日、ホームセンターでよく調べたら、弁体部のパッキンだけ売っていました。各メーカー・機種別に売っていて、わずか100円台でした。
フロートの竿や弁のリンクの支点のネジは手で簡単に外れる構造です(固かったらペンチで回せば外れます)から、パッキンの点検や交換は簡単です。
まつたく「ナントカの知恵は後から」の典型ですね。
結局今回の件は、玄関ドアが閉まりにくいからと家を建て替えたような話になってしまいましたね。(笑)
深く反省しています。m(__)m
以前から読んでいただいている方はお分かりと思いますが、うちのヨメさんはずーっとターコさんのファンを続けています。
当然ファンクラブにも入り(今は会の事情もあってやめていますが)、ディナーショーやお茶会にも何度か出席していました。
東京でのディナーショーではあろうことか、私とまだ幼かった娘もつき合わされたりしました。(笑)
我が家でビデオデッキを買うことになった契機も、当時関西テレビで「ジャワの踊り子」が放映されることになり、その録画のため急きょ購入となったものです(でも私が慣れないタイマーセットに失敗して録画できなかったので、今も折に触れてその失敗が蒸し返されたりします^^;)。
娘も「ジャワの踊り子」以来すっかり洗脳されて、観劇して帰宅した際に、見てきたショーや芝居のテーマソングをいつも歌っていました。それを聞いて、何を観てきたかわかったものです。(笑)
とくにモックさんの熱心なファンでした。
1984年の雪組の「風と共に去りぬ」ではモックさんの退団もあって我が家の二人も一大フィーバー、何度もリピートしていたようです。
ポスターはその時期にたまたま手に入れたものでした。↓
クリックすると大きくなります↓
そのいきさつですが、大劇場公演・千秋楽間際の1984年5月前後に、3人で11時公演を見た後、ヨメさんだけ今は無きサバキで2回目の公演のチケットをゲットして観劇することになったのです。しかたなく娘と私は、ファミリーランドで時間つぶししていました。
で、当時園内にあったミニ電車の軌道下の小さなトンネルを通っていたら、男性職員が掲示板のポスターの張り替えをしていました。その外されたポスターが「風‥」だったので、私が彼に「そのポスターいただけませんか?」と頼んだところ「いいですよ」と手早く丸めて渡してくれたのです。思わず二人ともガッツポーズです。
嬉しかったですね~。
帰宅後さっそく手元にあった材料でパネルにして、しばらく飾って楽しんでいました。その後転居した際に、そのポスターも厳重に梱包の上運ばれて、娘が新しい自分の部屋のクローゼットに入れていたのですね。
ポスターはトンネル内での掲示だったため退色もなく、ガラスケースの中だったので汚れも痛みも全くなくきれいでした。
今見ても当時のままです。
改めて当時のキャストなどを見ていると、感慨もひとしおです。↓
このメンバーの中では、トップコンビは別格として、それ以外では草笛雅子さんが私の贔屓の生徒でした。彼女と毬谷友子さんの美声が、今もってエトワールの基準となっています。(笑)
私たちにとって、宝塚では今なおこのゴールデンコンビを超える存在はなく、このポスターは依然として貴重なお宝であり続けると思います。
この日も道はおおむね空いていて順調に劇場の駐車場に到着。
まずは昼食をと、カフェテリア 「フルール」に行きました。ここの親子丼は安くておいしく値打ちがあります。何回か前、同じ13時公演の時に初めて食べてからリピートを決めていました。
期待にたがわず絶妙な卵の加熱加減やいい味付けの丼もさることながら、今回感激したのはフルールの女性スタッフの親切なことでした。
セルフサービスなので、まずカウンターで直接注文して受け取ってトレイに乗せてレジに行き、清算する流れです。
でも片手に丼と味噌汁、香の物を二つ乗せたトレイを持って、もう一方の手で車椅子を押すのは無理です。それでヨメさんは自分で車椅子を漕いで席に行くと私に言いましたが、そのやり取りを聞いていた接客係の女性が「今ここで清算していただいたら出来上がったものを席までお持ちします」と声をかけてくれました。
感謝して代金を渡し、車椅子を押して空いた席までいって待っていたら、ほどなくしてその女性が丼一式を運んできてくれました。
食べはじめる前にセルフサービスのお茶と水を取りにカウンターまで戻ったら、先ほどの女性が「今お持ちしようと思って」と言いながらトレイの湯飲みにお茶を注いでくれているところでした。
ありがたかったですね。なにからなにまで行き届いたサービスが本当に嬉しかったです。
そのあと、土産物のお菓子などを売っている売店でフィナンシェを買って横の障害者トイレに行ったら、なんとトイレ内外の設備が一新されていました。トイレの場所も使いやすいところに移動していました。
前回ここは使用不可になっていたのでダメモトで行ったのですが、これまた思いがけないことで嬉しかったです。これまでのトイレはもうかなり古かったですからね。
フルールの接客係の女性の親切と、新しくなったトイレにホッコリした気分で郵便局に行き、年賀状と切手などを買ってから劇場内へ。
観劇したのは前楽の12月14日(金)13時からの公演です。カメラが入っていました。
1階はほぼ満席と言いたいところですが、下手側補助席前あたりがごっそり空席でした。チケットが戻ってきたのでしょうか。
始まる前につい贔屓の組なのでプログラムを買ってしまいました。↓
最初はまんま日本物で『ジャポニズム 序破急』。「序」はサクラサクラの歌から始まる「さくら幻想曲」。礼音が中心になって桜の若衆の踊る場面が始まりますが(チョンパではありません)、運動会の組み立て体操みたいな3段セットに組子が登っている場面あたりから、単調なボレロのリズムが延々と続きます。永遠に続くのではないかと思うほどでした。そして急に猛烈な睡魔が襲ってきました。(笑)
ええ、半端じゃない眠気でした。
舞台で舞っている花吹雪に睡眠導入剤が付いているのかと思うほど眠い舞台です。でも横にいるヨメさんには効いていないみたいで、そのヨメさんに覚られないように寝るのはなかなか難しかったです。(笑)
普通はウトッとしても場面が変わっているのに気付いて目が覚めるのですが、今回はいつまでたっても場面は同じ。
「破」ではいい声の声明(しょうみょう)が流れてきて、なにやら有難そうな仏教儀式みたいですが、これも一本調子で、また眠りに落ちてしまいます。「破A」が弥勒菩薩、「破B」は千体仏でテーマは「祈り」だそうですが、観ている私達にとってもまるで「行」を強いられているような感じです。
(以下の舞台画像は、どれもテレビ画面の撮影なので少々ピンボケです^^;)
「急」は「荒城の月」!で、なんで秀頼や千姫、淀君なのか表現できていなくてこれまたひたすら眠い。つい頭を大きくコックリとやってしまって、とうとうヨメさんに寝ていることが発覚してしまいました。(笑)
結局、プログラムに記載されている某名誉理事の「日本物ルネッサンス」は意気込みだけで空振りですね。老害の見本といったら言い過ぎかもしれませんが、どうやら歌劇団も「裸の王様」現象に陥っているのではと心配になります。
日本舞踊の可能性について、もっと勉強してもらわないと、せっかくの松本悠里さんももったいないですね。チエもずーっと踊りっぱなしで気の毒でした。
ここで30分の休憩。
でも最初のダメ舞台に45分も掛けたため、芝居はたった40分。これでまともなものが出来たら「阪急電車片道15分の奇跡」ではなく「星組芝居40分の奇跡」です。(殴)
これじゃあどんな作者でも無理です。前回の「めぐり会いは再び」の続きということですが、まあいくら今回説明してもらってもそれは無理。前の話を知っているものだけわかる楽屋オチみたいなコミカル舞台で、トップコンビをはじめみなさん「よくまあ白けずやっているなぁ」という感じでした。
最後はショーですが、これが一番長く50分。で、これだけがなんとかまともな作品として成立していました。
プログラムより↓
いきなり大階段が据えられていて「もうフィナーレかいな」と思ったのですが、男役軍団の黒燕尾は迫力あってなかなかの見応えです。
礼音の歌はますます円熟度を増してきていて、いいですね。
サソリのおどりもさすがでした。
紅ゆずるも二番手らしく安定していました。
私が一番面白かったのはねねが男役を引き連れてセ・マニフィークを歌うところ。
この場面では夢咲ねね、普段のか細い裏声と違って、地声に近い音域での歌が迫力があり、アグレッシブな振りで歌う姿がすごいインパクトがありました。
意外にダイナミックレンジが広いです。
芝居ではこんな表情だったのが↓
セ・マニフィークを歌う場面では、
これとか↓
こんな感じです↓
これを見られただけでも、私としてはチケット代がペイできたと思いました。(笑)
可愛らしい娘役と時には大人びた女役も魅力的な彼女ですが、今回の不敵な(笑)表情を見たら秘められた一面を見てしまったような感じでしたね。
そのほか、前の組長さんもいい場面をもらっていましたね。慣れ親しんだ星組で歌えて幸せそうに見えました。聞きなれた歌がゴスペル風になっていたのも新鮮でした。
でもまあ、今回は観たのが前楽で無理ですが、仮に機会があったとしてもリピートはしませんね。はっきりいって「豪華三本立て」は誇大広告です。
トップコンビや紅ゆずる、十輝いりす(大きいですねぇ)などのファンでなければ観劇の敷居は高いです。
ショーだけでいいと割り切ればそれも一つの選択ですが、コストパフォーマンスが悪いです。
プログラム、今後は観終わってから買うかどうか決めることにします。(笑)
施設の建設中に日本最古の貨幣・「富本銭」の鋳造施設をはじめ金・銀・銅・鉄・ガラス工房と思われる遺構やるつぼ、金属製品などの遺物、7,500点以上の木簡、大量の土器類が出土した飛鳥池工房の遺跡が発見され、古代史研究に大きな波紋を投げかけたことでも知られています。
ただ、残念ながら現在みられる工房遺跡はレプリカで、大部分の本物の遺跡は再び埋め戻され、その上に館の建物が建てられました。
万葉集に関する文献・資料の蒐集もさることながら、万葉文化館はオープンに際して『万葉集』の歌をもとに154名の日本画家が一点ずつ競作した「万葉日本画」のコレクションも有名です。
その上、毎年4~5回開かれるいろいろな日本画の企画展も魅力で、展示が変わる度に訪れていました。
展覧会のテーマもユニークで、基本的に日本画であることだけで別に万葉にとらわれず、幅広い画家の作品を紹介していて、私たちもいい勉強になりました。
前にも書きましたが、最近では田中一村や安濃光雅(日本画家ではありませんが)の展覧会が印象に残っています。それ以外でも、ここで初めて知った日本画家のすぐれた作品も多く、いつも訪れるのが楽しみでした。
それが、今年度から大幅に縮小されてしまいました。
それに伴って品ぞろえの良かった館内のショップも縮小され、受付嬢も減員され、寂しくなりました。施設の周辺で営業していたレストランなども閉店が相次ぎ、さびれています。
まあ、無理もないのです。
地の利が悪いせいなのか、来館者が少ないのはいつも気がかりでした。近くに飛鳥寺や橘寺、飛鳥坐神社などもありハイキングコースに入っているのではと思うのですが、いつ行っても観客は少なく空いているのです。
人気のあるはずの「安濃光雅」展や「田中一村」展でさえ、車椅子で快適にゆったり鑑賞できたのですから。
それで私たちも以前から「危ないね、予算大丈夫かな」と危惧していました。
その予感は現実となって、すでに昨年はじめに展覧会を縮小するような主旨の予告がホームページに掲載されていました。
でも、昨年度は引き続き展覧会がそれまでと同じペースで開催されたので、ひょっとして継続されるのではと淡い期待を抱いていたのですが、今年の4月以降は「松村公嗣 -四季のきらめき-」と「金森義泰の世界」展が開催された後、外部の画家の展覧会はなくなりました。本当にがっかりでした。そのかわりに、オープン時に蒐集した所蔵画をテーマごとに展示することになったようです。
今回はその新企画の第二弾で、「冬の万葉日本画 天 -万葉の心にふれる-」と題して、「天」という言葉にちなんだ歌を中心に「歌木簡」(レプリカ)や「万葉集」の写本・版本、写真と所蔵している万葉日本画を展示していました。
なかなか面白かったですが、展示された絵のほうは正直言って玉石混交といったところです。
以下、今回の展示でとくに印象に残った作品をご紹介します。すべてショップで買った絵葉書をスキャンしたものです。
↓北田克己 「初月(みかづき)」
↓今野忠一 「富士」
↓千住 博 「ウォーターフォール」
↓木下育應 「野地爽晨」
↓平松礼二 「路-湖愁」
↓井上 稔 「斑鳩夕景」
いい作品でしょう?本当に眼の保養になりますよ。
あと、片岡球子の「富士山」もインパクトがありました。
でもこうした良作の展示も多いのに、相変わらず観客は少なく、寂しかったです。
ところが、見終わって展覧会場からミュージアムショップに戻ってきたら、大勢のハイカーがたむろしていてびっくり。
数十人規模なので、団体で見に来てくれたのかとちょっと期待したのも束の間のこと。
みなさん、折からの冷たい雨を避けてトイレ休憩に来たようで展覧会はパスでした。私たちがショップで絵葉書を買っていたとき居合わせた人たちも殆ど見るだけという感じでした。
ちょうど昼時だったのでカフェだけは人が群がっていましたが、これはこれでいつもの客数を知っている私たちは、食材が足りるのかと余計な心配をしてみたり。(笑)
他人事ながら売り上げアップを期待した私たちですが、ちょっとがっかりでした。出口の臨時売店?でお菓子も買ってから帰途につきました。
万葉文化館には今後も、今年のように回数を減らしてでも展覧会は継続してほしいのですが、前回や今回の様子を見ているとそれすら心配ですね。
大阪市の橋下市長をはじめとして、今公共施設の予算カットが流行になっていますが、安易な予算削減で施設を廃墟にしてしまうのではなく、長いスパンで文化を育てていく観点が絶対に必要ですね。同時に館側としても、せっかくの充実した展示施設や設備ですから、それらをもっと活用して、不断に来館者を増やす努力を重ねてほしいです。
今後もささやかですが応援していきたいと思います。みなさんも明日香を訪れた際にはぜひ足をお運びください。
朝の放送なのでテレビ内蔵のハードディスクに録画して、夜、ヨメさんと二人で見ました。
あまり期待していなかったのですが、宙トップになった実咲凜音がクリスティーヌをどう演じていたのかと
いう興味だけで見始めました。
ところが、もちろんクリスティーヌは期待にたがわぬ上々の歌と演技でしたが、エリックがこれまた素晴ら
しい出来!二人のデュエットたるやもう圧巻です。望外の収穫でした。
で、最初夕刊を読みながら画面をチラ見していた私ですが、途中から新聞は投げ捨てて眼は画面に釘づけ。
主役二人だけでなく、キャリエールやカルロッタを始め主だった配役がこれまたよくやっていて、到底
「新人公演」のレベルではなかったですね。
見ていて、もうただただ二人で感嘆するばかりでした。
まずクリスティーヌの実咲凜音。期待以上の出来で、ファントムに鍛えられて歌がうまくなっていくところ
とか、最初の見せ場のビストロで、遠慮がちな頼りない歌声から、エリックのサポートで一変して俄然その
場を圧倒する歌唱力を見せつけるところなど、歌ウマぶりを存分に発揮しています。
歌声の変化が痛快で、こちらの期待に十分応えてくれる場面になっています。まったく本役形無しです。
恵まれた容貌ですが、感情表現も豊かで、まなざしだけでも感情を訴えることもできたり、このとき研3
だそうですが、大した演技力です。
エリックの鳳真由もはまり役でした。この人も表情が豊かで、演技に力があります。
大体私はこの「ファントム」という題材は、容貌で人を怪物扱いして差別するような話なので、これまでも
観ていてかなり違和感があったのですが(クリスティーヌがエリックの顔を見て逃げ出すところとか)、
今回初めて感情移入できるファントムになっていました。
彼女も歌唱力があるので、声を張り上げない歌い方でもよく気持ちが伝わってきます。そして張り上げる
ところになったら、もう圧倒的です。これまた本役さんの顔色なしですね。
これまで見た中でもっとも完成度の高いファントムだと思います。「ファントム」で涙ぐみそうになった
のは今回が初めてです。
あと目についたのがこの人↓。ジェラルド・キャリエールです。
本役は壮一帆で、この人の演技はもちろん申し分なく、本公演で唯一安心して観られた登場人物でした
が(笑)、今回の真瀬はるかも大したものでした。安定していて、とても新人公演とは思えません。
よく老けていて感心しました。余裕と貫禄が感じられて、後半エリックとの対話の場面では、歌もセリフ
も本当に切々とした哀感がよく伝わってきます。演技の完成度は高いです。
そしてこの人↓。カルロッタ役の仙名彩世。
どの組でもちょっとオーバー気味な演出が気になる役で、この人もその傾向がありますが(笑)、臆すること
なく堂々と演じていて、繰り返しますが、新人公演離れした出来栄えです。こういう役どころがしっかり
してこそ、舞台が締まりますね。
そのほかのメンバーも短時間の練習なのによく役をこなしていて、本当に感心しました。
最後の舞台挨拶もよかったです。
鳳真由はこの新人公演が最後ということでしたが、落ち着いたいい挨拶でした。よくある「お世話になった
人列挙パターン」ではなく、真情がよく伝わってくるオリジナリティのある(笑)挨拶で、話しぶりも落ち着
いていて好印象でした。
見終わって、本公演との「逆落差」にため息が出ました。こんなこともあるんですね。
宝塚というのは、独自の本格的な養成システムを持っているおかげで、いつのまにかいい人材が育って
きていますね。
素質のある生徒を早くから見つけて、その成長をひそかに楽しみにするというのも観劇の醍醐味だそう
ですが、不勉強な私などはその点全く疎く、今回のような発見があって初めてそのことに気付かされて
います。
歌劇団も、この組に限りませんが、旬のうちに実力のある人材をタイムリーに登用していってほしいと