思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

兵庫芸術文化センターで「日本の面影」を観て

2014年06月30日 | 観劇メモ
6月21日に兵庫芸術文化センターで「日本の面影」を観てきました。

まあ何とも予想外の(殴)、観応えのある素晴らしい作品でした。
もう言うことなし!パーフェクト!これを観ない人は大損してる!と言いたくなるほど。

山田太一・脚本の『日本の面影』については、1984年のNHKテレビドラマを見ていいのはわかっていたつもりでしたが、改めて舞台で観てその脚本の素晴らしさを再認識。さすがの完成度で、それに加えて主役二人はもちろん、脇を固めるすべての役者がみんな完璧でした!
ベテランの持ち味を生かしたぜいたくな配役で、主役二人の熱演を盛り上げていました。

前夜の睡眠不足→ひよっとして爆睡(殴)という観劇前の懸念は軽く吹き飛びました。(笑) 
劇場での2時間は、本当に忘我の至福タイムでした。

これはもう今年の演劇大賞・一般演劇部門のベストスリー入りは間違いなしですね。
何の演劇賞かって?言わずと知れた(知れてないない(笑))、『2014 思いつくまま演劇大賞』!(殴)

ということで、ひさしぶりの絶賛モード(笑)ですが、その割には中身の薄い、いつもの感想です。よろしければご覧ください。
(ネタバレも少々ありますので未見の方はご注意です。そして敬称略です。)

といいつつ、まずはいつもの劇場までのメモです。
6月21日(土) 午後1時開演でしたが、前回12日と違って自宅で早目の昼食を済ませてから出発しました。
1時間で劇場に着き、時間があったので、劇場前のチケットカウンターで、前日ネット予約した10月の2公演のチケットの受け取りを済ませました。送料・手数料が節約できて助かりました。

開場前のホールに居合わせた他のお客さんを見ていると、けっこう男率(笑)が高いのがわかりました。そして年齢も高め。まあ今では若き日の紺野美沙子や草刈正雄の活躍をリアルタイムで見た世代となると中年以上になってしまうのでしょうね。

今回の席も、例のごとく先行予約を頑張ったおかげで最前列のど真ん中。これで5,000円!とはね~♪

でも今回も満員御礼とはいかなかったような。もったいない話です。

まず紺野美沙子について。
実をいうと私は昔テレビドラマで見かけたぐらいで、最近の活動にさいては殆ど何も知りませんでした(無知を自慢してどうする!)。
それで今回の舞台も、誠に失礼な話ですが、まあせいぜいテレビタレントの余芸程度だろうと高をくくって観劇に臨みました。

で開演時間になって、舞台は薄い紗のようなカーテン越しに、ほの暗い照明のもとで紺野美沙子がハーンの母親役になって子供のベッドの横で童話を読み聞かせる場面になりました。ところが、そのセリフがよく聞き取れない!のです。

ハーンの父役の石橋徹郎の声は役柄上大きい声なのでそうでもなかったのですが、この場面での紺野美沙子は、まるであのこまつ座の「頭痛肩こり樋口一葉」の悪夢を再現したようです。それで「これはハズレだったかな」と思い始めました。

でもそれは全くの杞憂でした
カーテン越しで、しかも演出的にはハーンの生い立ちを説明する補足のようなものなので、セリフの声量を低く落としていたので聞こえにくかったのですね。
いざ幕が上がって、本題に入り「小泉セツ」になったら、クッキリハッキリの明瞭なセリフ。まあ心底ホッとしました。後で聞いたらヨメさんも全く同じ思いだったとのこと。

セリフが明瞭なのは当然で、あとで当日買ったプログラム(A5版のかわいらしいものです)を読んだり公式サイトを見たら、彼女は2010年秋より地域文化の向上、舞台芸術の発展を目的に音楽や影絵や映像など、様々なジャンルのアートと朗読を組み合わせたパフォーマンスや、ドラマリーディングのために「朗読座」を旗上げして全国で上演しているそうです。
さらにセリフだけでなく、立ち居振る舞いや身のこなし、感情表現などすべてにわたって素晴らしい演技。本当にセツが乗り移ったようでした。劇中、セツがハーンに古い怪談を聞かせる場面がありますが、説得力のある語りと演技で私達もハーンになったような感じで聞き入りました。

初めに書いたように、山田太一の『日本の面影』といえばジョージ・チャキリス主演のNHKの名作ドラマ、そこでセツを演じていた檀ふみが絶品な私だったので、紺野美沙子がどこまでそれに近づけるか、お手並み拝見といった感じでした。
でも劇が進むにつれ、檀ふみとはまた別の、新しい「セツ」像が創り出されていて、本当に感心しました。

役年齢的にはやや無理な感じもしないではなかったのですが(首筋とか(笑))、もともと童顔だし、所作もキレがよくしかも丁寧で品があり文句なしにピッタリの役どころ。ハーンに寄り添って、芯の強さと才気を優しさにくるんで一緒に生きる姿が印象的でした。
紺野美沙子再発見!が今回の最大の収穫でした。あわせて当時の女性の立ち居振る舞いが本当にきれいなのもよくわかりました。たおやかで優雅で繊細。見惚れますね。

それとネイティブな方の耳にどう聞こえているのかわかりませんが、私にとってはいわゆる雲伯方言も聞いていてリズミカルで気持ちがよかったです。
このあたり、去年のイーハトーボの劇列車の東北弁と同じような心地よさを感じました。

今回の公演に関連した兵庫芸術文化センターのパンフのインタビューでは、今回の公演にあたって彼女なりにいろいろ考えるところがあって取り組んだというところが紹介されていましたが、今の日本の状況をよく考えていますね。


それと彼女はあくまでも謙虚。その点でも好感が持てます。

次はラフカディオ・ハーン小泉八雲役草刈正雄です。この人も昔のNHKの時代劇の「真田幸村」が大ヒット@我が家(笑)して以来、好感度を維持したまま現在に至っています。
でもそれから幾星霜(笑)。今ではいい意味で枯れてきて(殴)、それがプラスとなって容貌にもピッタリの適役。感心しました。チャキリスよりもよかったです。
隻眼だったハーンを演じるので左目にテープ?でもしているのか閉じたままで、観ながら大変だなと同情してみたり。(笑)
劇中周囲が気遣って無理やりステーキを食べさせるところとかコミカルな演技もあってよかったですね。この人も再評価の声が高まっています。(@我が家)

まあ主役二人がいいと、一安心。(笑) 以下の画像は当日買ったプログラムから


でも今回の舞台の魅力は豪華な脇の布陣でした。冒頭で、セツがハーンの身の回りの世話のため住み込みの女中になったと聞いて、親戚が乗り込んで来たところなど、圧巻の顔ぶれ。養祖父と養父母に実母の4人が豪華です。


養祖父・稲垣万右衛門役は金内喜久夫です。この人は1992年の初演以来同じ役を務めているとのことですが、存在感があります。稼ぎもないのに気位ばかり高くて役立たずな没落貧乏士族そのままでした。初めはセツの女中奉公に反対しながら、結局は八雲とセツの扶養家族になるのですが、そのあたりの微妙な立場がユーモアを交えた演技で演じていてうまかったです。

そしてセツの養父の稲垣金十郎役の田代隆秀と同じく養母の稲垣トミ役の大西多摩恵も過不足ないうまい演技でした。

芸達者な脇役陣でも一番存在感があったのがセツの母・小泉チエ役の長谷川稀世でした。こんな母親がいてくれたらセツも安心です。どんな事態になってもあわてず動ぜず。舞台に出てきただけでも絵になっていました。
とくにセツ同様にハーンに怪談を聞かせる場面での『耳なし芳一』の語りが絶品でした。これを聞けただけでも観に行った甲斐がありました。(笑)

そのほか、出番は少ないものの、あの三菱のキザなお兄さんでおなじみになった(笑)石橋徹郎がチャールズだけでなく佐伯信孝役でも出てきて遺憾なくイヤなヤツぶりを発揮していました。(笑)



松江時代のハーン思いの同僚・西田千太郎武士の亡霊役の川野太郎もさすがにベテランらしい堂に入った演技でした。なんでも彼も平家の末裔とか。甲冑が板についていました。

あと、同じく出番が少ないですが、安部愛子渡辺吾郎前田聖太の三人も役どころにふさわしい自然な演技でした。本当にこの芝居はぜいたくな配役で、脇の層が厚いです。

最後はハーンがセツに自分の死後について指示する有名なセリフがあって、感動のうちに幕となりました。
そして客席は満場のスタンディング! 本当に観てよかったです。

こういう完成度の高いいい芝居を観ると、私もいい人にならなくてはと思いますね。(笑)(でもすぐまた埒もない物欲に支配されてしまったりしますが)(殴)

各地での公演もまもなく終わろうとしていますが、近くにお住まいの方などで機会があればぜひご覧ください。心が洗われます。絶対おすすめです。



さて、やっとアップしたと思ったらまだ昔の日々の感想が残っていて、さらに今週は久しぶりのタカラヅカ観劇も。しばらくプレッシャーかかりっぱなしの日々です。^^;


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舞洲ゆり園に行ってみました

2014年06月25日 | 日記
最近よくテレビなどで宣伝を見かける舞洲ゆり園ですが、某日、梅雨の合間の好天に背中を押されて、出かけてみました。

↓公共交通機関利用の場合 (図は舞洲ゆり園のサイトから)


↓車利用の場合


出るのが遅かったので、駐車場に着いた時は9時の開園から1時間経過していて、もうけっこうな人出。
途中から同方向に走る車も多くなって、「停められるかな」と心配になりましたが、着いてみれば駐車場は広く、車椅子用のスペースも確保されていたので一安心でした。
まあ駐車場といってもアスファルト舗装は一部だけの、ゆり園周辺に有り余るほどある空き地に車を停めさせているだけです。(笑)
でも入口へ誘導するスタッフが多く道路に配置されているので迷うことなく駐車できました。

障害者スペースを利用する際は、現場の係員にその旨を告げれば場所を指示されるので、それに従えばスムースに駐車できます。場所もゆり園入り口に近いところなので助かりました。

入口でチケットを買って園内へ。障害者手帳を提示すれば本人+介助者1名の料金は半額になります。

さてゆり園ですが、さすがに見事なものでした。
大阪湾に面する斜面一面に植えられたユリが絨毯状に広がっていました。日射しは強いものの、カラッとした海風が吹いていて気持ちがいいです。


とくに今年は例のエルニーニョの影響で梅雨前線が南に下がって大陸の高気圧の範囲内になることが多いため、晴れても乾燥していて過ごしやすいですね。

ただ、このゆり園、売店↓以外は日射しを避ける施設は皆無。なので帽子や日傘は必須アイテムです。


通路は今年になって新しく舗装されたとのことで、車椅子が押しやすくなっていました。


私達が行ったとき咲いていたユリはスカシユリ系の園芸種がメインでした。なので香りはほとんどありません




スカシユリ系は花が上を向いているのも特徴ですね。


カラフルです。


でもむせかえる芳香に包まれての観賞(笑)を覚悟していたので、少々拍子抜け。

でも今日(6月25日)、ゆり園の公式サイトを覗いてみたら、スカシユリ系は終わって、遅咲きの香りの強いオリエンタル系のユリが開花し始めたとのこと。
ユリの香りがお好きな方は今からがいい時期かもしれません。ただし日射しはさらに強くなっていると思いますが。

初めに書いたように舞洲ゆり園は海の方に傾斜した斜面に長~く伸びた形状になっていて、その外周を通路がとり囲む形になっています。入口は高い所にあるので、そこから見ると一面に絨毯状にユリが咲いているのは壮観です。






↓花の種類が表示されていました


ただし、地形が単純で、ベルト状の花壇を周囲の通路から一方通行で眺めるだけなので、かなり単調です。
最初はオオッと驚いてもすぐ慣れてきて、見廻っているうちにだんだん物足りなくなってきますね。

もっと花の種類ごとにエリアを区切るとか、通路の配置に変化をつけて見る角度を変える工夫するとか、現状のような踏み台を使った椅子ではなくて、日差しが避けられる東屋を各所に設けるとかして、観客がゆったりくつろげるスペースも作ってほしいです。

まあ期間中、大勢の観客が押し寄せているようなので(私の周囲でも見たよという人が多いですね)、出来るだけ客の回転率を高めようということでしょうが、今のままだとリピートは難しいと思います。実際、私達が帰途につく頃はプチ繁華街の雑踏みたいな状態になってきていました。

アクセス面では他の同様施設よりは近くて便利だし、車椅子でも花が近くに見られるし、規模も大きいので、京阪神在住の方は一度は見て損はありません。でも、私達としては、上記のような改修や工夫がなければ再訪はないと思いますね。

でも、繰り返しますが、一度は見る価値があります。(ちょっと説得力無いかな?(笑))
今年は7月6日まで開園しています。ユリがお好きな方はぜひ行ってみてください。



さあ『日本の面影』を仕上げなくては。^^;


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『THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー』  いい舞台でした!

2014年06月13日 | 観劇メモ
しばらく更新できていませんでした。
ですが、何も書くことがなかったのではなくその逆で、中旬になって俄かにお出かけラッシュ。ただでさえ乏しい脳内システムリソースがさらに足りなくなり、何から手をつけていいのかわからない状態になっていました。(笑)

まず6月12日に、兵庫県立芸術文化センター・中ホールで『THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー』 を観て感激の観劇でスタート、16日には舞洲のゆり園で予想外のスケールに驚き、21日にはまたまた兵庫県立芸術文化センター・中ホールで紺野美紗子草刈正雄の珠玉の舞台『日本の面影』に身も世もなく感動し、翌日は一転してドラマシティで『昔の日々』で睡魔と闘う(殴)という、私の乏しい脳内リソースでは追い付けないほどの過密スケジュール。

でもとにかく順に書いていかないと始まらないので(すぐ忘れてしまうので^^;)、まずは12日の『THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー』から書いてみます。いつものとおりの薄味の感想ですが、よろしければご覧ください。

この芝居、題材が北アイルランドのIRAとその支援者を描いたものなので、相当重苦しく深刻な舞台だろうなと覚悟していました。

でも結果は脚本・演出・役者・舞台セットのすべてが素晴らしく、ストーリーもよくできていて、観終わってみたら感動のスタンディング、芝居の魅力満載の舞台となりました。

当日は13時開演でしたが、余裕を見て10時15分に出発。珍しく阪神高速の全線にわたって渋滞ゼロというラッキーな日で、1時間ちょうどで劇場地下に滑りこめました。まずは腹ごしらえと、劇場近くで昼食してから劇場ホールへ。
今回もネット予約でB列のセンターよりという良席をゲットできていました。おかげで、念のためオペラも持参していたものの、劇中で出てきたウィスキーボトルのラベルを確認したぐらい(笑)で、全く不要でした。

ただ、今回はテーマが響いたのか最上部あたりの客席に少し空席があったりで満員御礼とはいかなかったのが惜しかったですね。

さて、舞台の感想です。いつものとおり敬称略です。

この芝居、イギリスの支配に激しく抵抗していた北アイルランド・IRAの闘争と、それを財政的に支え続けたアメリカ・ニューヨーク支部のメンバーたちの30年に及ぶ生きざまを描いたものです。
原作者のリチャード・ビーン(イギリス人の人気劇作家とのことです)は極めてシリアスなこのテーマを、その時々の歴史的な事件を織り交ぜて、時には笑いを誘いながら、テンションの高い膨大なセリフで綴っています。観ているこちらの方もぐいぐいと舞台に引き入れられていき、そして最後に待っていたのはよもやの大どんでん返し。芝居の面白さたっぷりでした。

企画制作は世田谷パブリックシアター
出演者は 内野聖陽浦井健治明星真由美町田マリー黒田大輔小林勝也成河


翻訳は小田島恒志、演出は森新太郎です。

ちなみに兵庫公演は6月12日~15日でした。

幕が上がると、真っ暗な背景に内野聖陽扮するコステロが一人立っていて、伝統的なキルトの衣装で(でもどう見てもスコットランドの伝統的な衣装だと思いますが)、支部の会合であいさつするところから始まります。
↓プログラムより稽古場風景です


これはプログラム掲載の衣装デザイン画です↓


私にとっては内野聖陽といえば何といってもNHK金曜時代劇シリーズ「蝉しぐれ」での絶妙な演技が印象に残っていますが、今回の芝居での彼は、その当時とは違って円熟味を感じる堂々の演技でした。
このコステロという人物、純粋なアイリッシュ民族主義の信奉者というより、巧みな弁舌で支部のドンとして君臨し続けていることに生きがいを感じているかなり俗っぽいキャラクタです。舞台で観る限り、イデオロギーとか政治などに一家言を持っている風には見えず、芝居っけたっぷり(当たり前ですが(笑))の気のきいたスピーチで支部のメンバーに支持されて、多額のカンパを集めるのに長けた人物という感じです。

この人物像が劇のコアな伏線になっていることは観終わってから分かりました。

そんなコステロを内野聖陽は説得力ある演技でリアルに演じていました。観ながら、仲代達矢とか平幹二朗のような演技の風格が感じられて、本当に「蝉しぐれ」からの年月を実感しました。
彼については一路真輝とのことが少々残念ですが、一家に二人のスターは共存できないということでしょうか。

今回の観劇で目立っていたのがIRAの若手メンバーの一人・ルエリ・オドリスコル役の成河(ソンファ)でした。

けっこう舞台歴も積んでいるようですが、私たちは全く知りませんでした。でも、今回の舞台では場合によったら内野以上にインパクトのある存在になっていましたね。
非常に饒舌多弁なセリフをよくこなしていて、大したものでした。彼もIRAの支持者になった経過とかがよくわからなかったのですが、1972年のブラディサンデーを発端に闘争を激化させていったIRAの活動の過程で、さまざまな事態に直面して次第に変わっていくところがよく演じられていました。

NY在住の消防夫マイケル・ドイルに扮する浦井健治も寡黙な役柄なのに存在感のあるいい演技で好印象でした。

彼の演じる長身で無口で少し猫背気味なマイケル・ドイルを観ていたら、何故か『ショーシャンクの空に』のティム・ロビンスを思い浮かべてしまいました。
饒舌なエリ・オドリスコルといい対比ですが、寡黙な人ほど内に秘めた信念が強固だといった役どころが面白かったです。はじめて見た役者さんですが、劇場でもらった演劇関係のパンフレットでも目白押しの出演予定があるなど、今人気急上昇中みたいですね。

女優さんはIRAメンバーのエリザベス・ライアン役の明星真由美と、プエルトリコ系のカレルマに扮する町田マリーの二人でしたが、どちらもドッキリ演出があったりでがんばっていました。ヨメさんは明星真由美の声がいいと絶賛モード。(麻実れいに似ているとか(笑))



(ちなみに明星真由美はあの『ボクの四谷怪談』にも出演していたとのことですが、全然わかりませんでした)

同じくNY市警の巡査トム・ビリー・リコル黒田大輔です。

まあハリウッド映画に出てくる警官そのものといったピッタリの役。見るからに強そうですが単細胞なアメリカの警官がはまっていて、宛書のようです。
こんなどこにでも居そうな人物がIRAの信奉者というのもある意味でリアルです。

IRA本部から調査に来た幹部のフランク・マカードル小林勝也

ベテランらしい存在感がありましたが、無理やりウィスキーを飲まされるなど査察に来たはずなのに逆襲されるなど気の毒な役でした。
この場面、アイリッシュウィスキー?がおいしそうでしたね。(笑)

観ていて印象に残ったのは、IRAが次第にそのあまりにも過激なテロゆえに大衆的な支持を失っていって、それとともに組織内部には相互不信や疑心暗鬼の傾向が強まっていくところでした。逆に言えば闘争路線が正しいうちは組織も健全性が保たれるということでしょうね。この劇に潜む悲劇性はIRAの闘争方針の是非・動向と不可分に考えられないということでしょうか。

ところで、舞台のセットも見ごたえがありました。
とにかくリアルです。もう映画の一場面のような作りこみが見事。しかも同じ部屋でも30年に及ぶ年月の経過に即して細部の小物類が変えられていくので、芝居を見ながらそういった変化を確かめる楽しみも味わえました。

劇の最後のほうでイェイツの有名な詩「湖の島イニシュフリー(The Lake Isle of Innisfree 1890)」が紹介されました。この詩と、コステロが語っていた「私はアメリカ人ではない、アイルランド人でもない、一人の人間なんだ」といった意味の言葉が、原作者のモチーフになったのだろうと思いました。

ちなみにこの湖、アイルランド・スライゴ近郊のギル湖ですね。でも私の撮った写真↓には残念ながら肝心のその島が写っていません。でも雰囲気ぐらいは分かっていただけるかも。(笑)




さて、細かいストーリーはまだ各地で公演が予定されているので観られてのお楽しみということで、省略させていただきますが、私たちももう一度観られたらさらにこの劇の良さがわかっただろうと心残りでした。予想以上のできばえで、最後は客席全体が感激のスタンディングで応えていました。

公演予定の劇場近くの方はぜひご覧ください。おすすめです!


今回も覧頂き、ありがとうございました。m(__)m

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Sony Fit11aの欠陥バッテリー騒動とその後日談

2014年06月03日 | パソコンあれこれ

この4月に、ヨメさんの誕生祝(ゆうに2ケ月以上遅れていますがなにか? ^^;)に、小遣いをはたいてSONYのFit11aをプレゼントしようと思い立ちました。彼女が使用中のXpなノート・DynabookSS1610が余りにもヨレヨレなので、その代りにしようというわけです。

でも人間、慣れないことをするものではありませんね。プレゼントしたVAIO Fit11aには、トンデモな地雷が埋められていました。この製品、不振のパソコン事業を売却、撤退を決めたソニーVAIOの最後の製品でしたが、使い続けるとバッテリー火災が発生する恐れがある!というのです。今回はそれに伴うドタバタのお話です。

ちなみにSS1610は、5年間ヨメさんが酷使したきて最後は電源が入らなくなったIBMのX40の後釜としてアウトレット品をゲット、これまた5年間ヨメさんが使い続けてきたものです。でもこれも今やキーボード・トップの文字があちこち摩耗して表示が消えつつあります。


(ただこのSS1610はキッチンでネット検索などで使うため、新品キーボードを入手、古~いSUMSUNGの32GBのSSDを入れて処理速度を上げるなどして余生を送らせています。)


さてSONYのVAIO製品としては最後となった今回のFit11a。
その詳細はココとかココ、トラブルについてはココでご覧いただくとして、まず選りによってなんでそんなものをヨメさんの誕生日プレゼントのために買おうとしたのかという言い訳から。(笑)

気に入ったのはディスプレイ。
11.6型ワイドの小画面でも、解像度はFullハイビジョンの1920 × 1080。視野角の広いIPSパネルで、もちろんタッチ対応。店頭市販モデルなのでCPUはセレロンとちょっと物足りませんが、DynabookSS1610の古いペンティアムMに比べたら問題にならないほど早いです。

しかもワンタッチで普通のノートパソコンからタブレットモードに切り替えられるのもソニーらしいギミックです。OSは今時のパソコンなので当然Windows8.1です。Officeもホームアンドビジネスがついてくるので問題ないし。

ただ、11.6インチの小サイズで1920 × 1080といっても解像度の違いが見分けられず、スペックオタク向けの無駄な解像度と言えなくもないですが(笑)。

でも自分が一番欲しいと思うものを贈るのがプレゼントの鉄則でしょ(笑)というわけで、ネットでポチッとな。数日後配達されました。
取り出してみると、厚みのあるヘアーライン仕上げのアルミ製天板にはVAIOの文字が彫りこまれていて、キラキラと下品な豪華さがありました。(笑)

でも、すぐそんな浮かれ気分はすぐに吹き飛びました。まずWindows8.1が最初のトラップでした。

ヨメさんは、定番のWord・Excel以外では、デジカメ画像の編集用にMicrosoftのPhotoDraw2000 V2を愛用しています。
このソフト、ドロー系の画像処理ソフトでどの出力サイズで編集しても画像の劣化がなく、素人が使うには必要十分な機能が備わっていて、しかもロースペックなパソコンでも軽くサクサク動いて使い勝手は良好。私も写真アルバム作成などに重宝しています。

でも、もともとWindows98時代に開発された古~いソフトなので、新しいOSで動くか心配でした。
ただ、Windows7では32・64ビットのいずれでも動いています。参考:ココ
なので、それほどカーネルに違いがない(はずの)Windows8でも当然動くだろうと勝手に予測していたのが大間違いでした。いそいそとインストールしてみたら、一応起動はするものの、エラー表示が出て一切作業ができません。
いろいろいじってもダメ。
一時はWindows7のインストールも考えましたが、わざわざそのために新たに7のライセンスを買うのも馬鹿らしいなとか思っている間に、本命のトラップバッテリー不具合による火災の危険性があるとのお知らせ。(笑)

普通のバッテリー取り外し可能なノートだと、不良バッテリーだけ交換したらいいわけですが、いわゆる見かけ優先のUltrabookなFit11aではバッテリーが内部に組み込まれているので普通のやり方では取り外せません。無理に分解したら保証がきかなくなります。ちなみにバッテリーはパナソニック製。なので回収・修理または払い戻し費用の一切はパナソニック負担でしょうね。
ちなみに先週、やはりというか当然というか、本家本元のパナソニック製のレッツノートでもバッテリー不良という発表がありましたね。


さて4月24日、私のところにSONYから↓のようなメールが来ました。


─────────────────────────
本メールは、ソニーのパーソナルコンピューターVAIO(R) Fit 11Aの製品登録
および、ソニーストアで購入されたすべてのお客様にお送りしています。
重要なお知らせですので、メールの受信を希望されなかったお客様へもお送り
しておりますことをご了承ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
パーソナルコンピューターVAIO Fit 11A無償修理受付開始のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2014年4月24日発信
ソニー株式会社
ソニーマーケティング株式会社
ソニーカスタマーサービス株式会社

日頃より、ソニー製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。

 2014年4月11日(金)に「パーソナルコンピューターVAIO Fit 11A使用中止の
お願いとお詫び」を弊社ウェブサイトにてご案内いたしましたとおり、
2014年2月に発売しましたパーソナルコンピューターVAIO Fit 11A において、
設計生産委託先から供給を受けているバッテリーパックの一部に不具合がある
ことが判明しております。当該のバッテリーパックが過熱してPC本体の一部が
焼損に至る可能性があり、2014年4月23日(水)時点で、国内・海外を合わせて
4件のPC本体焼損の報告を受けております。

2014年4月11日(金)のお知らせでは、該当製品の対象製造番号(シリアル番号)を
ご案内の上で、無償点検・修理などの対応を検討させていただく旨、
お伝えしておりましたが、解析の結果、現在出荷されている該当製品全数に
対して、無償修理を実施させていただくことにいたしました。

無償修理は、2014年4月24日(木)より受付を開始し、委託先メーカーの協力を得て
バッテリーを交換することで実施いたします。
弊社指定の宅配業者が引き取りに伺いますので、大変お手数ですが下記
【問い合わせ先】までご連絡いただきますようお願い申し上げます。
 なお、無償修理開始の準備に一定の時間を要するため、誠に恐縮ですが、
実際の無償修理作業は2014年5月19日(月)より順次開始させていただく予定です。
また、
上記の無償修理を希望されないお客様は、ご返品・ご返金等の対応を
ご相談させていただきます
ので、2014年7月31日(木)までに下記
【問い合わせ先】までご連絡いただきますようお願い申し上げます。

お客様には、多大なるご不便・ご迷惑をお掛けしますことを深くお詫び申し
上げます。


▼パーソナルコンピューターVAIO Fit 11A無償修理受付開始のお知らせ
  http://sony.co.jp/SonyInfo/News/ServiceArea/140424/


【対象製品】
パーソナルコンピューターVAIO Fit 11A
 VAIO標準仕様(店頭販売)モデル:SVF11N19EJS
 VAIOオーナーメードモデル/法人向けカスタマイズモデル:SVF11N1A1J
 法人向け標準仕様モデル:SVF11N1BAJ


ということですが、修理開始時期が遅く、また長く使い続けるにもUltrabookは後々のメンテ等も不可能なので、いくら器量良しでもここはキッパリあきらめて(笑)、返金希望にしました。やはり衝動買いはいけませんね。(笑)

サイトに表示された窓口に電話して、製品回収の時期を打ち合わせて、5月1日に日通航空が引き取りに来ました。金額の根拠書類としてショップ発行の納品明細書(領収書省略のネット購入だったので)のコピーでもいいとのことだったので、所定の返金請求書類とともにSONYに送りました。
あと、付属品の添付もれがあるとのことで、再度5月16日に同じ業者が引き取りに来たりしましたが、それも19日にはSONYに送付完了を確認。

ところがそれ以後、SONYからは何の連絡もありませんでした。今か今かと連絡を待ちましたがナシのつぶて。

いくらなんでももう返金手続きは終わっているだろうと、10日たった5月29日に、SONYの専用窓口に電話しました。
例によってロボット応答の後、かなり待たされてから担当の女性スタッフが出てきました。いつになったら返金してもらえるか聞いたところ、「原則製品の返送確認後2週間をめどに返金することになっています」とのこと。

そんな話はまったく聞いていなかったですね。

なので、なんでそんなに時間がかかるのかと質問したら何も答えず、とにかく上のものに代わるといって、一方的に保留にされました。それからまた長く待たされて、ようやく男の社員が出てきました。
私が、PC本体と付属品を返送してから何の連絡もなく、今回こちらから連絡して初めて2週間後に返金することにしているなどというのは勝手すぎる、なんで振込みにそんな時間がかかるのかと問いただしたら、なんと「こちらでは返金手続きの詳細がわからないので、担当部署に聞いて返事する」とのこと。

何のための専用窓口でしょうか。

まるで一昔前のお役所仕事(笑)ですね。不採算で売却したパソコン事業などに手間がかけられるかといったところでしょうか。

そして数時間後電話があり、「お待たせして申し訳ありません。明日振り込みます。」とのこと。
まあなんとも返す言葉がありませんでした。うるさいから早く手を切ろうというわけでしょうか。(笑)

そして今日6月2日、銀行で入金を確認しました。
冷静に考えてみたら、たかがパソコンに10数万円も支払うとは、完全に金銭感覚がマヒしていますね。こんな金があったら、もはやエコとは言えない古い冷蔵庫の更新などに投資する方がよっぽどマシですね。

これに懲りて、ヨメさんのプレゼントにはひと世代前のCPUなものの質実剛健なhpの2170pをプレゼントすることにしました。(何しろ安かったし(殴)、Windows7は64ビットだったし、筺体底のネジ2本を緩めるだけですべてのデバイスが露出するなど抜群のメンテしやすさだったので)


でも、一世代前とはいえ低TDPなCore i5だし、標準のハードディスクをすっかり安くなった高速なSSD(250GBとFit11aの2倍の容量です)に換え、メモリもOSに合わせて8GBに倍増するなど今風の快適な環境に変えても、Fit11aの価格と比べるとタップリお釣りが来ました。本当にリーズナブル。
もちろんPhotoDraw2000 V2もバッチリ動作OK。その他のアプリの起動やネット閲覧も劇的に速くなってヨメさんも喜んでくれています。


やはり長く使うパソコンは、ギミックや無用なスペックではなく、メンテのしやすさや使いやすさで選ばないといけませんね。
今回はいい教訓になりました。
(って、アンタ、いつも衝動買いして失敗しては同じことを言っているんじゃなかったっけ?)

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万博公園で思ったこと その2

2014年06月02日 | 日記
手入れの行き届いた万博公園は何度行っても癒されます。ただ、もと万博会場だけあってものすごく広いし、傾斜は緩いものの長いアップダウンが結構あるので、車椅子を押す身にはちょっと決意が必要です。(笑)

当日朝9時に出発。平日なので近畿道の車の量は多かったのですが、渋滞はなく開園時間ぴったりに日本庭園前駐車場に到着しました。
今回の目当ての花は、ルピナスと花菖蒲です。

今回のルートです。↓


でまずルピナスを見に行きました。見るのは今年で2回目になります。
といっても正確な場所は覚えていませんでしたが、おぼろげな記憶(日々記憶力は低下しています(笑))では大体太陽の塔の東南東方向のはずなので、駐車場からお祭り広場(よくイベントに使われます)を横切って、万博当時のパビリオン・旧鉄鋼館を目指しました。

お祭り広場です。今日は平日なのでイベントはなし。


途中の案内図で確認したらやはりルピナスガーデンは鉄鋼館の南側でした。ただ、道路からルピナスに行く通路は舗装していなくて、地面に木片チップを散布しただけなので、結構車椅子を押す力が要ります。

ガタガタの通路をたどって着いてみたら、ルピナスはちょうど満開でした。壮観です。








実を言うと、何を隠そう私は少し前までルピナスとフォックスグローブの区別もできなかった(笑)のですが、最近ようやく区別できるようになりました。前回同様、周辺にはポピーやバラも植えられていてきれいです。




ここのルピナスは2種類が植えられています。
普通のルピナス↓。これは多年草です。




小さい方↓。これは一年草です。




背丈の大きい多年生のルピナスの方が圧倒的に多く植えられていました。
花を見ればマメ科の植物とわかりますが、葉っぱはクリスマスローズみたいで、どう見てもマメ科には見えないですね。

それほど広くはないので、しばらく眺めて写真などを撮った後、つぎに日本庭園の「花しょうぶ田」に向かいました。
場所は真北方向です。もう一度日本庭園前駐車場のゲートまで戻ってから、バラ園経由で「花しょうぶ田」に。

途中のバラ園ではまだ結構咲いていました。






万博公園の日本庭園は各時代ごとにゾーンが分けられています。「花しょうぶ田」は現代の日本庭園を形どった「はす池」エリアにあります。まだはす池は花蓮が成長している時期で、スイレンだけが咲き始めていました。




池を横断する通路を通って「花しょうぶ田」へ。少し満開には早かったのですが、それでもきれいに咲き始めていました。






ところが、ゆっくり花を楽しんでいたら、不愉快な連中がその邪魔をしてくれました。
大きな三脚とでかいレンズの一眼レフを抱えた写真家が、通路に定められたウッドデッキから降りて、花しょうぶの生えている地面を踏み荒らしながら撮影にふけっているのです。









ガイドツアーの参加者が間近に見ていても全く気にしていません。確信犯です


もう傍若無人、やりたい放題でした。
万博公園に出没するアマチュアカメラマンマナーの悪さについては、以前の「万博公園で思ったこと」でも書きましたが、今回は通路を三脚でふさぐどころではありません。

大きな三脚を、花しょうぶが植えられた地表に突き立てて撮影に没頭。




もう唖然としました。それも一人や二人ではなくて、みんなで渡れば怖くないとばかりに、居合わせたカメラマンみんなが同様の行動をしていました。情けないです。

せっかくの観賞気分も吹き飛んで、後味の悪い嫌な気分でそこを離れ、今度はアジサイを見に行くことにしました。

途中水生植物園のコウホネの花を見たり、


咲き始めたタイサンボク(この花、爽やかないい香りがします)やザクロの花を眺めたりしながら、




ザクロの花です↓


再び駐車場方面へ戻りました。

万博公園のあじさいの多くは「あじさいの森」と「桜の流れ」に集中して植えられています。そこまでかなり距離があるので、ヨメさんがあじさいを見たいと言ったときは内心怯みましたが(笑)、頑張って行くことにしました。

でもまだ開花には早く、「桜の流れ」に行ってみたらまったく咲いていませんでした。まあガッカリとホッとしたのが半々。というのは「あじさいの森」に行くには、さらに長い坂道を押さないといけないので。(笑)

ということで少し休憩の後、道端のニワゼキショウの可憐な花を見たりしながら、駐車場に戻り、公園を後にしました。


万博公園は規模といい、手入れがよく行き届いていることといい、本当にいい公園です。これでカメラマンのマナーが良くなればさらにいいところになるのですが・・・。彼らが撮影技術の前にまず学ぶべきことは多々ありますね。
撮影機材は金さえ出せば手に入りますが、公共マナーはそうはいきません。


マスコミなどではよく某国の社会的マナーが悪いとか報道していますが、まだまだ日本も大きなことは言えないです。









コメント
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