思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

宝塚 花組公演 『復活 -恋が終わり、愛が残った-』 『カノン』を見て

2012年01月27日 | 宝塚
21日は宝塚花組公演「復活」の観劇でした。

途中少し渋滞したものの、ほぼ予定通りに到着。

今回は、購入したチケットが2階席で、ヨメさんには幕間とかの移動が難しいので、事前に変更を依頼していました。当日早めに行ってチケットの交換をしなければならないので、間に合ってほっとしました。

芝居のほうは「復活―恋が終わり、愛が残った―」(石田昌也脚本・演出)で、ご存知文豪レフ・トルストイ晩年の名作「復活」の宝塚版です。
といっても、私は読んだことがありませんでした。ロシア文学はなんといってもドストエフスキーとゴーゴリだよ!という独断と偏見の私なので、食わず嫌いというか、トルストイは読んでなかったのです。

でも、やはり原作の力で、ストーリー構成がしっかりしているので、この日は前夜のパソコン修理で睡眠不足でも眠ることなく(笑)、話に引き込まれました。見ごたえのある作品になっていました。
これを機に、「復活」だけでなく他の作品も読みたくなりました。何にしても根拠のないドグマはいけないということですね。

脚本・演出は石田昌也です。
このセンセイ、とにかく宝塚の生徒にことさら下品な台詞をしゃべらせたいというビョーキを持っていて(笑)、今回も多分にその傾向がありますが、やはり原作の力が偉大なので、まあまあ許容範囲でした。(笑)
この人の作品でビョーキが酷かった例は『傭兵ピエール』-ジャンヌ・ダルクの恋人 、よく歌劇団がこんな脚本にOK出すなあとおもったほどです。

詳しいストーリーは立ち入りませんが、主演のネフリュードフ役・蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)は、貴族として安楽な生活を送る青年期から、カチューシャに再会後一途に贖罪と救済のためにすべてを犠牲にする後半の変化を、純粋で生真面目な主人公に徹して好演していました。

劇中で主人公が自らの所有する農地を小作人に解放し、家屋敷も使用人に譲ろうとするところは、レフ・トルストイ自身の実生活がそのまま投映されていますね。
劇全体は沈んだ重苦しいトーンになっていますが、そこに光明を与えているのが壮一帆(そう・かずほ)演じるシェンボックです。
主人公の士官学校時代からの友人役をのびのびと演じていました。演技もさることながら、歌唱力でもひときわ目立つ存在です。
主演男役が歌で少し難ありなので、この人が出てきて歌うとほっとしたりします。(笑)
やはり歌劇ですから、歌ウマは必須です。

ネフリュードフの相手となるカチューシャを演ずるのは娘役トップ・蘭乃はな(らんの・はな)。
純真なお屋敷の使用人と、落ちぶれてからのすさんだ女を演じ分ける難しい役でしたが、頑張っていました。

終わりのほうでシベリア送りになる一行が舞台から消えたと思うと、しばらくして私たちが座っていた1階の通路の右手から現れて、目の前を行進していったのにはビックリでした。
S席でも後ろの席でちょっとガッカリ気味だったので、これは思わぬもうけものでしたね。最初は、なんだ、もう団体客が帰っていくのかと思ってしまいました。(笑)

第2部は、レビュー「カノン―Our Melody―」(三木章雄作・演出)で、これも好感のもてる作品になっていました。なによりシャンソン、カンツォーネ、ジャズなど聞きなれた名曲が聞けたので満足でした。私が特に気に入ったのは壮一帆のシャンソン「群衆」、さすがにうまかったです。

やはり宝塚といえばシャンソンです。
以前花組公演のショー「レヴュー誕生」で春野寿美礼が黒燕尾姿で瀬奈じゅんなどを従えて「黒い鷲」を歌う場面があったのを覚えていますが、よかったですね。今も鮮明に覚えています。

歌が苦手でもダンス巧者な蘭寿とむですが、ショーではその本領を存分に発揮していました。

正直言って、今回の宝塚観劇は、あまりひいきな組ではなかったのでそれほど期待していなかったのですが、これは見て正解でした。

でもこの公演、トップコンビが地味なせいか、全体にチケットの売れ行きが悪く、この日も土曜日なのにけっこう空席が目立ちました。出来がいいだけにもったいないです。
その分チケットが手に入りやすいということですから(笑)、みなさんもぜひこの機会にご覧になることをお勧めします。

宝塚大劇場公演
公演期間:1月1日(日)~1月30日(月)まで

東京宝塚劇場公演
公演期間:2月10日(金)~3月18日(日)
 一般前売:1月15日(日)


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兵庫県立美術館「伊藤清永」展で感じたこと

2012年01月24日 | 美術館を訪ねて

今月に入って阪神高速道路の神戸線を走るのは3回目です。
今回も朝早く出かけたおかげで、開館前に美術館に着きました。


兵庫県立美術館ウィキメディアより

今回の展覧会は昨年末の12月10日から今月22日まで開かれていた「伊藤清永展」です。
といっても、この画家については、今回見に行って、初めてその存在そのものを知りました。もちろん絵を見るのも初めてでした。
やはりまだまだまだ知らないことのほうが多いですね。

この画家は裸婦が得意だそうで、展示されているのも裸婦がほとんどでした。こちらに展覧会の内容が紹介されています。

展覧会のパンフレットによれば、伊藤清永さんは1911年に兵庫県出石町の禅寺に生まれ、戦前の代表作としては三重県の安乗で題材を得て描いた「磯人」が文部省の美術展覧会鑑査展で選奨に選ばれ、一躍有名になったとのこと。
第二次大戦後は裸婦を主体に創作に励み、文化勲章も受章しているとのことです。

素人の私は、この画家の裸婦を一目見て、直感的にルノワールを連想してしまいました。
明るい色彩に豊満な姿態、輪郭をぼかした描き方にルノワールとの共通性を感じます。
作者の名前を伏せて、「これを描いた画家は誰?」と聞いたら、ほとんどの人はそう答えるのではないでしょうか。

ただ、展示を時系列でみていくうちに、後年の作品では違いが際立ってきて、画家の独自性がよくわかってきました。とくに、少し離れて鑑賞すると画風の変化がよくわかります。輝くような裸婦像が印象的でした。

しかし私たちが一番感銘を受けたのは、晩年の《釈尊伝四部作》でした。

愛知学院大学百周年記念講堂の壁画として描かれた《釈尊伝四部作》は、禅寺に生まれ僧として育てられた伊藤清永が、約7年の歳月をかけて制作した力作です。
縦約4メートル、横約3メートルの大画面に釈迦の生涯を油絵で描いていて、私たちはその場にくぎ付けになりました。

仏教画として寺院などによくおさめられている絵画と違い、生き生きと立体的に釈迦が描かれていて、新鮮な魅力がありました。
他の観客のみなさんも立ち止まって見ほれていましたね。

ゆっくりと展示作品を見てから、併設されていたコレクション展を見て回りました。
本展としては「美術の中の“わたし”」と銘打って、館が所蔵しているコレクションの中から近年制作された画家の自画像をテーマとした油彩画や版画、写真や彫刻などが展示されていました。

あわせて小企画として「安井仲治の位置」という展覧会も開かれていました。
戦中に夭折した写真家・安井仲治(やすい・なかじ 1903-1942)のポートフォリオが近年この美術館館に収蔵されたのを機に、安井仲治と同時代の他作家の作品、旧蔵の資料類を展示し、この稀有な才能を持った写真家を検証するというものでした。

この人の写真には感動しましたね。
ナチスに追われて日本に滞在していたユダヤ人の日常を描いた写真や、当時の日本の世相を鋭く切り取った作品など、現代でも通用する作品ばかりで見ごたえがありました。
予期していなかっただけに満足感もひとしおでした。

ところで兵庫県立美術館の建物ですが、館内は分かりづらかったですね。

まず切符売り場がわからずウロウロしてしまいました。サインが目立たないのでまごついてしまいます。全体に照明も暗くて陰気な感じです。
新しい建物なのに障害者用トイレの設備も最低限で、温水洗浄便座などはありません。
でも入場料や駐車料金は割引後でも他の同種施設に比べてかなり高く、経営はガッチリしていますね。

展示会場へ移動するためのエレベーターも、ドア幅が車椅子ぎりぎりで、中も一台乗るのがやっとという感じで、エレベーターから展示場への通路の幅も狭いので、緊急避難時には混乱しそうです。

館内の配置もなかなか簡単には把握できないのですが、とくに併設展の展示室の配置がまた迷路のようで、作品を見ている間にどちらが入口か良くわからなくなってウロウロ。

レストランは2Fにありますが、直接展示室から行けず、いったん1階のエントランスホールへ降りて、円形テラスの階段またはエレベーターで2階へ行かなければなりません。

この建物、ご存知安藤忠雄氏の設計です。
私も名前は知っていますが、巨匠だそうです。
でもこの人の設計は、障害者にとっては決して優しくないと思います。

一昨年末に閉館したサントリーミュージアムも同じ設計者でした。ここに車椅子で行かれた経験のある人は、よくお分かりだと思いますが、本当に殺意すら覚えました。(笑)
このミュージアム、手狭で混雑した会場を、車椅子を押して展示を見ながら出口まで行っても、エレベーターが入口側だけにしかなく、おまけにほかに通路がないので、別の展示フロアに移動するには、また会場を逆に戻らないといけないのです。

それで、展示に見入っている大勢の人々に「すみません、通してください」と声をかけながら混雑する会場を逆行しなければなりません。
「なんで逆行するの?」という視線を感じながら、車椅子に人が当たらないように注意しつつ通るのはつらいものです。
こういう設計がなんでもてはやされるのか、素人の私たちには理解不能でした。

さて、今回も見終わってちょうどお昼になったので、昼食をと思いましたが、先ほどの2Fのレストランはインターネットではけっこう有名なので(笑)、貧乏な私たちは少し通路を迷いながらなんとか1階のカフェのほうに行きました。
同じ経営ですが、カフェの方はリーズナブルで、満足できました。


ただし、安藤忠雄氏は、こういう用途にスペースを割くのがお嫌いなようで、ここも驚くほど狭いです。

近つ飛鳥博物館も同じ設計者ですが、ここも威圧感は感じるものの、利用者にフレンドリーとは思えなかったですね。カフェも片隅に追いやられていて、機能より「芸術性」優先という感じでした。

設計コンペなどではこれらはチェックされないのでしょうか。
まあ、世界に名だたる巨匠のデザインに注文など恐れ多いということでしょうね。

でも私たちにとっては、安藤忠雄氏の「作品」は、障害者への配慮という点では、いつも展覧会に出かけて私たちのお気に入りのココとは、あらゆる面で対極の存在だと思います。

ともあれ、いろいろあったものの、いい作品に巡り合えて行った価値がありました。
お出かけの選択肢も増えたので、良かったです。

今日も帰りの道も空いていて、一時間程度で快適に戻ることが出来ました。


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ミュージカル 「ア ソング フォー ユー」を見て

2012年01月12日 | 観劇メモ
今回も道はすいていて、時間通りに、兵庫県立芸術文化センターの駐車場につきました。

ミュージカル・「ア ソング フォー ユー」、出演者は 川平慈英、春野寿美礼、松本紀保、吉沢梨絵、大和田美帆、杜けあき、羽場裕一、山口賢貴、上田悠介、尾藤イサオ、上條恒彦と、実力派を起用した豪華メンバーでした。
演奏も生バンドでよかったです。

ストーリーはベトナム戦争終結を前にした男女の青春を、全編カーペンターズの曲で綴るというもの。
私はてっきり春野寿美礼が主演かと思っていましたが、フィナーレのあいさつの順を見て川平慈英が主演とわかりました。(笑)

幕が上がると、舞台奥に米軍機の垂直尾翼と格納庫のシルエットが浮かび上がり、それを鉄条網付のネットフェンスが取り囲み、そこが横田基地の敷地境界であることを示しています。
その境界ぎりぎりに建てられた米兵相手のライブハウス「ビレッジ」がミュージカルの舞台です。

■ストーリー■
ベトナム戦争末期の1974年、次々と轟音を響かせて米軍機が離陸していく横田基地。ロックシンガーの征司(川平慈英)が、ライブハウスのオーディションを受けにやってくるところから話は始まります。

当時はベトナム反戦運動も下火となってきていましたが、征司はまだ反戦の意思を伝えようとロックを歌い続けています。
そして仕事を解雇されたのを機に、ライブハウスに出演して直接米兵に「ラブ・アンド・ピース」のメッセージを届けようとします。

一方、かつて学生運動のリーダーだった過去を持つ翔子(春野寿美礼)は、今はアメリカ兵の集うライブハウスでカーペンターズを歌う日々を送っています。
翔子とともに歌うケイ(吉沢梨絵)とミチル(松本紀保)も、それぞれに心の傷を持っていて、それを癒すためにグループでカーペンターズを歌っています。

ただ、そのあたり、3人の過去の生活があまり掘り下げられていないため、3人の人物像のイメージがつかめないのがプチ不満でした。それぞれ結構重い過去を抱えているはずなのに、どうしてカーペンターズの、どちらかといえば軽く明るい曲想がなじむのかがわからなかったのです。

話の筋に戻しますが、カーペンターズが大嫌いな征司と翔子は最初激しく反発しあいますが、次第に征司は翔子に惹かれていきます。
そこに突然、翔子の元恋人で、かつては翔子と一緒に学生運動に携わっていた国枝(羽場裕一)が登場します。今はレコード会社の敏腕プロデューサーとなった彼は、翔子にレコードを出してメジャーレビューすることを勧めるところから、関係者に波紋を広げていきます。

翔子役の春野寿美礼は、宝塚の現役時代、高く張りのある美声が魅力でしたが、劇中のショーでも「トップ オブ ザ ワールド」などカーペンターズの名曲を次々と歌い上げて、変わらぬ歌唱力を披露していました。
ただ前から私は、春野寿美礼は普通の人間の役が似合わない役者だと思っていました(笑)が、やはり今回の舞台を見ても、その印象が変わりませんでしたね。
(一昨年1月に春野主演の「ファニー・ガール」を見て確信しました。)

対する征司役の川平は、一途なロックシンガーを演じてその底抜けな明るさで舞台を活気づけています。

でも、今回の舞台を見て一番印象深かったのは、主役二人ではなくて、脇を固めるライブハウスのマスター、ハンク(尾藤イサオ)とママの泰子(杜けあき)夫婦と、コックのジョーを演じる上條恒彦の3人でした。

いつものことですが、私は主役の二人以外の出演者については、実際に幕が上がるまで知らなかったのですが(笑)、この3人が出てきて安心しました。(杜けあきさんも本当に久しぶりに元気なお姿を拝見しました。)
3人の持ち味がよく出ていて、その渋い演技と深みのある歌唱力で、やや単調な話の展開に厚みが出ていました。

それで途中から話はどうでもよくなって、もっぱらママとコックの歌がいつ始まるかということだけに気を取られていました。(笑)
本当にこの3人の歌をもっともっと聞きたかったです。でも残念ながらこの人たちの歌は少なくて、ちょっとがっかりでした。しかしその少ない歌の場面でも、上条恒彦も杜けあきもさすがにうまかったですね~。改めて見直しました。

実際もっと歌ってくれていたら、最後に絶対スタンディングしていたと思います。(笑)

会場は満席で盛況でした。
登場人物がちょうど私たち団塊の世代になるので、観客も私たちと同世代の方々が多く目につきました。まあストーリーも40年近く前の話で、売り物のカーペンターズにしても、リアルタイムに聞いていた人は今や50歳台以上の世代になってしまうので当然ですね。

劇中のファッションや、川平が仕事で売っていた「グッズ」なども懐かしく、ノスタルジックなカーペンターズのメロディと相まって、観劇しながらいろいろなことを思い出していた人が多かったことと思います。


日時 2012年1月8日(日)
開演 12:00  (開場 11:30)
会場 阪急中ホール
■スタッフ
監修 栗山 民也
脚本・作詞・演出協力 鈴木 聡
上演台本・作詞・演出 菅野こうめい
音楽 久米 大作

次の観劇予定は21日の宝塚花組・「復活」です。


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今年最初の美術館です

2012年01月10日 | 美術館を訪ねて
いささか遅くなりましたが、あけましておめでとうございます

みなさんはどのような年明けを迎えられましたでしょうか。

ともあれ、本年も気まぐれ更新のブログですが、お付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

年明けの3日は、去年と同じく、兵庫県の西宮市大谷記念美術館に行ってきました。ここは公立ですが、なんとお正月の2日から開館している稀有なところです。
開館は朝10時からなので、それに合わせて出発したのですが、高速道路がすいていて、開館15分前には着きました。
車を門前にある誰も駐車していない駐車場に停めて車椅子を降ろして、去年同様庭園を見て開館までの時間を過ごすことにしました。


今年もロウバイが咲き始めていました。いい香りでした。


美術館を取り囲むように植えられている木の名前を見るとセンペル・セコイアというプレートがつけられていました。

この木は、花の文化園などにあるメタセコイアと違って常緑樹で、同じように非常に背が高くなり、カリフォルニアのセコイア国立公園のセンペル・セコイアは樹高112mにもなるとのことです。この美術館のセンペル・セコイアはまだそれほどでもなかったですが。


美術館の南側の庭園は絵を見てからまわることにして、少し風もあって寒くなってきたので、開館5分前に玄関前に戻りました。

そこで開館を待っていたら、よほど寒そうに見えたのでしょうか、職員さんが「寒いでしょうからどうぞここでお待ちください」と外の自動ドアを手動であけて、内側のガラスの自動ドアとの間のスペースに入れてくれました。温かい気配りに感謝でした。

今回の展示のテーマは「新春によせて 近代の日本画・油彩画」ということで、美術館所蔵のコレクションの中から近代の日本画と油彩画を、「1. 描かれた容姿」、「2. 花鳥と静物」、「3. 移ろう風景」というテーマ別に計約60点の作品が展示されていました。

会期:2012年1月2日(月)~2月12日(日) 水曜日休館

開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

最初のテーマの人物画では、なんといっても伊東深水の「吹雪」が目を引きます。
テーマが違ってもこの絵はここの看板作品の一つなので、去年も展示されていました。でもやはり気品にあふれた傑作なので、何度見ても見飽きることはありませんね。


そのほかにも上村松園の「蛍」や、小磯良平の「ギターを弾く男」などをはじめ逸品ぞろいで、他の客も少なかったのでゆっくり時間をかけて鑑賞することができました。

次のテーマ・「花鳥と静物」はそのとおり花鳥画・静物画・動物を主題とした作品などが展示されていました。
いずれも逸品ぞろいですが、主なところでは菱田春草の「秋林遊鹿」や、杉山寧の「雉山百合図」、梅原龍三郎の「赤地ダリヤ」など。ダリヤは他の画家の作品も展示され、比較してみられるのが面白かったです。

このテーマでは下村良之介の軍鶏を主題にした前衛的な作品がとくにインパクトがあり、印象的でした。この画家は、軍鶏以外でも優れた作品を数々残しているので、まとまって見られる機会があればぜひ行ってみたいと思いました。

最後の「移ろう景色」は山水画や風景画などの展示です。横山大観の「若葉」や川合玉堂の「奔湍」がやはり目を引きますが、変わったところでは大石輝一の描く「金閣寺雪景」がちょっと変わった描き方で印象に残りました。

ゆっくりと自分たちのペースで見られるので、まるで万葉文化館です(笑)。
十分に鑑賞して展示会場を出ました。今年も正月らしい清々しい作品を楽しめてよかったです。

そのあと、庭園を見ることにしました。

行き交う人もいないのでヨメさんも車椅子から降りて、よく手入れされた庭の通路を、杖でほぼ3分の2ほど散策出来て満足していました。
去年見つけた紫色のシコンノボタンが今年もきれいに咲いていました。


あとは先のロウバイが庭園内のあちこちで早春を告げていたのと、地味ながら紅白のマンリョウも目を引きました。白いマンリョウです↓


見終わったらちょうど昼食の時間になっていました。
去年利用して美味しかったので、また美術館に戻り、受付の女性にお願いしてもう一度入れてもらって、館内のカフェで食べてから帰ることにしました。

私は館内に漂っていた香りに惹かれてビーフカレー+コーヒー、


ヨメさんは去年と同じサンドイッチです。


どちらもおいしく、カフェからは庭園が一望でき、満足なひと時でした。



帰りに受付横で絵葉書を買って(売れ残り処分で10枚100円!)、空いた阪神高速を快調に走って1時間もかからず帰宅しました。


このパターンが我が家の正月の恒例になりそうです。


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